建物探訪 森のカフェ 軽井沢南ヶ丘 

先日、森のカフェ 軽井沢南ヶ丘に建物探訪してきました。今年は暖冬ですが丁度寒冷前線の影響で軽井沢は―5℃との事前情報。パッシブハウスを体験するにはちょうど良いタイミング。

建物探訪だけでなく、寒冷地でパッシブハウスで建物性能を体感しながら、宿谷先生の講義で厳冬期の住まい暖かさを改めて学びなおすツアーでした。

森のカフェ 軽井沢南ヶ丘はパッシブ認定を受けた本物のパッシブハウス。設計者はオーナーで、建築士の菊池さん。

建物の性能はパッシブ認定で証明済み。それに加え、ディテールはもちらん、インテリアの分野でも活躍されているだけあり色彩のコーディネートが素晴らしい。

リビングの一面がドーンと本棚になっているのですが、一部が窓になっており目線が抜けて外の景色が見えるせいか、圧迫間が無い印象。事前に写真で拝見してたよりも軽やかに感じます。

外観はいたってシンプルですが、隣地との関係や、軽井沢独特の斜線規制等、クリアするべきことが沢山あり苦労されたそうです。

パッシブ認定を受けるにあたり、そのためのディテールも。

引き算されたシンプルな形ほどデザインに時間が必要な事はすべて一緒だなー とフムフムひとりで納得。

宿谷先生の講義は寒冷地の軽井沢で、建物内で暖かさを感じる仕組みをエクセルギーを交えながら、頭で理解し、そして体感することが目的。

菊池さんご夫婦が外出して室内に入ると感じる ”包まれるような感覚”をまさにそれがエクセルギーを感じていると先生は評されていました。

この勉強会は室内環境をシミュレーションソフトで結果を求めるだけで終りにせず、壁の中でどのような現象が起きていて、私たちがどのように受け取っているかを勉強しています。数値だけでなく人が感じる感覚を大切にする学びは新鮮。今までの知識をアンラーンしているような学びがありますがとても楽しい講義です。先生の講義についていくだけで必至なんですけどね。。。

そして菊池さんのご主人が腕を振るうランチで心とお腹に栄養補給。いまはカフェの営業はお休みしているそうですが、特別に。

サンドイッチのパンをトーストの違いで楽しませてもらったりと心配りを感じます。コーヒーも丁寧な淹れたてで美味しかったです。豆はなんだったのかな?勉強で余裕が無くて聴き忘れてしまいました。

お勧めはホットワイン。ぶどうジュースがベースで、ノンアルコールでも甘すぎず満足。軽井沢までクルマで来ても、ドライバーも楽しめると思いますので是非!

皆で記念撮影。画像は菊池さんからお借りしました。

会に誘ってくれたのはPHJの仲間の丸山さん。設計者だけの勉強会も楽しいですね。

毎日PCの前なので、気分転換と勉強ができて楽しかった。またどこかに行きましょう!

また菊池さんご夫妻には、貴重な場を提供していただき感謝しています。ありがとうございました。

シックハウスは終わっていなかった

パッシブ技術研究会が主催する一般向け勉強会、林基哉 先生の講演を聴き、改めてシックハウス対策について考えました。

シックハウス対策としてF☆☆☆☆建材を使って、必要な換気扇をつければ建築基準法上は問題ありません。

事実、シックハウス対策が義務化された頃から内装仕上、小屋裏材等は急速にF☆☆☆☆化が進みました。そして24時間換気設備を設ければシックハウス対策は終わったと考えている人も少なくないと思います。

持ち込みの家具等には規制が無いので注意が必要くらいの意識はありましたが、そう、私もその一人でした。

ですが基準法をクリアした建物でもシックハウスは起きるとのこと。

思いがけない場所から化学物質を引っ張ってきてしまったり

”臭い”もシックハウスを誘引する一つの因子になるそう。

特に気密化された建物では室内環境に注意が必要と改めて再認識。

 

建物性能をあげていくと使用部材が多くなっていきますし、構造も複雑に。

その結果、意図しないシックハウスが生まれてしまうことも。

 

高断熱、高気密、換気はトータルで計画しないとバランスがとれないとダメなんです。

”この装置をつければ全て解決”って仕組みはないんです。

 

そして今回の勉強会の楽しみの一つとして、会場が自由学園明日館でした!

フランク・ロイド・ライトが設計した建築です。

小さな教室でしたが窓枠などライトのデザインに感動…

天井も低めですが、勾配天井になっていて圧迫感はありません。

その勾配に誘導されて、自然と目線が正面に向かい、黒板に目線が誘導されるように感じましたが、実際はどうなんでしょうかね?

高気密高断熱ではない名建築で、高気密高断熱の事を考える豊かな時間でした。

工bar〜工場が一夜限りのbarになります〜

大人の秘密基地

週末、お招きをいただき、一夜限りのバー”工bar”にお邪魔してきました。

入場門から見えない奥のほうにある工場へ進むと灯りが見えます。ひっそりと営業中ですが、中に入ると沢山に人で賑わっています。まるで秘密基地みたい。カッコ良すぎです!

大人の遊び心

普段は鯰組さんの工場(こうば)として使われているのですが、照明デザイナー、フラワーデザイナー、花器デザイナー、ケータリング、バー、ワイン醸造家などなどが集まり、工場が”工bar”にデザインされていました。

工場や建設機械は実用的なデザインで魅力がありますが、やはりデザインすると別世界、特に照明の効果は絶大ですね。

照明は工場や現場で使われている仮設の照明を使っているそうですがこの雰囲気。テーブルのキャンドルの明かりでお酒が飲めるなんて幸せです。

バーカウンターも工場の加工機に組み込まれたりと工夫が沢山です。しかもバーカウンターは全て無垢材。私は丸太をひいた加工前の無垢板で一杯いただきました。なんて贅沢!

DJブースもあり、フォトコンテストも開催、盛りだくさんスギ(笑)プロジェクターでは インスタに投稿をするとスライドショーで写してくれました。

しかも餅つき臼と杵の本格的な餅つき大会まであり、久しぶりに餅つきもやらせていただきました。つきたてのお餅も美味しかった!

遊び心が沢山ある、とても楽しい素敵な工barでした。工barのきっかけは新丸ビルにある現バーを鯰組さんが施工したのが発想の始まりだそうです。

鯰組さんの工場ということですが、企画運営や準備はさぞかし大変だったと思います。貴重な機会を本当にありがとうございました。

主催:(株)鯰組さん
協力:(株)タニタハウジングウェアさん
照明デザイン:廣木 花織さん
ケータリング:アホウドリさん
出張バー:ジムルームさん

 

 

 

 

建築探訪 千葉県文化会館

建築家、大高正人さんの設計した千葉県文化会館と千葉県立図書館を建築探訪してきました。
どちらも大高雅人さんの設計した築50年になる貴重な近代モダン建築です。

千葉県文化会館では石橋館長にお話を聞くことができました。
昨年は50周年のシンポジウムも開催され、その参加者の多さに驚いたとのこと。
オリジナルの保全に努めている一方、現在のニーズに合うような改修をしながら丁寧に運営していらしゃいます。

エントランスホールはまるで宗教建築のような荘厳な雰囲気。建物はコンクリート打放しですが、表面ツルツルの仕上げではなくて、表面を細かくはつった、はつり仕上げ等もありその表情は豊かです。柱や壁も垂直ではなくて少し斜めになっていたり、曲線を描いていて有機的。

大ホールのホワイエはトップライトから差し込む水色の光と壁面の水色の相乗効果で、まるで水底から水面を覗いているような不思議な感覚になります。コンクリートの表面が荒々しく力強く感じます。

現代の建築とは違った表現力、まさに近代モダン建築です。

ですが築50年になる建築なので、問題点となるのが設備面の不具合です。人間も50年の年月を重ねれば不具合が出てきますから、建築も同じです。

トイレは竣工時の数では足りなくなっていて、数回増設をしているようです。当時と違って基準も変わり、現在のホールはトイレの数が多いですからね。
ホールの空調関係は、暑さ寒さなどの室温問題で利用者さんからクレームがあるようですが、配管類が埋め込みのために設備更新が難しいようです。旧式の空調設備を運用しているようですが細かい設定ができないようで、運営者としての苦労も多いようです。今の空調設備はボタン一つで細かな設定が可能ですからそれと比べると細かな温度調整は難しそうです。
細かいところでは建物案内のピクトサインもオリジナルはもっとシンプルだったそう。こちらも利用者さんの声で現在のピクトサインになったようです。
また補修部材の多くが廃版になっており、床のPタイルの補修なども苦労されています。
オリジナルのモダン建築の雰囲気の良さは残していきながら、建物利用者の要望をどの程度反映させていくことができるか課題となっているようです。

今回はパッシブハウスジャパンの高本さんと一緒に見学したのですが、高本さんから”この建物の温熱改修依頼がきたらどうします?”なんて問いかけが!さすがの温熱の専門家です。

コンクリート打放しが特徴の名建築。このコンクリートが熱橋となるのでその対策が難しい。ある程度の熱橋は我慢する、いや、カーテンウォールで覆ってしまう等アイディアが浮かびます。ファイナルアンサーは”ガラスだけは複層にしてコンクリートの熱橋問題は目をつぶる”では専門家として失格?

不思議と建物は使っていないとドンドン傷んできます。室内の空気が停滞すると湿気も停滞してカビ等で建物をむしばんでいきます。
千葉県文化会館は唯一無二の貴重な近代モダン建築。オリジナルの良さを残しながら性能面を改善して、少しでも長く利用されることを願います。

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