2024年2月 ニュースレター

2024年から始めた月の振返り、2月のニュースレターです。

こんにちはKoukiです。

認定パッシブハウスコンサルを目指し修行中の身、ヒートブリッジやインスト―ルψの解析を少しづつ進めています。

残念ながら保留になってしまった案件もあり、多少でも時間があるこの期間にマスターしてしまおうと考えていました。ですが先輩コンサルの来た道なかなか険しいですね、が正直な感想。

ソフトの習熟に時間がかかるタイプなので、ソフトの習熟だけでも精一杯。肝となるポイントを見逃して最初からなんて事も数回。時間ばかりが過ぎていくなんて日が多かったです。

ですがヒートブリッジやインスト―ルψはパッシブハウス認定ならではのポイントなので頑張りたいと思います。


今月の後半は家族と一緒に冬の北海道へ!旅の中盤に寒気に襲われ冬の北海道の厳しい洗礼もうけましたが楽しい旅となりました。

雪煙でバックドアが真っ白。さらに過酷な雪道に…

家族との旅行でしたので、建築オタク旅とはなりませんでしたが、外気温がマイナスでも建物内は半袖でも過ごせるような暖かい北海道仕様ならでは名物

”おうちアイス”も経験!

-6でも平気なワンコと凍える私

以下ポイント書きで印象をまとめます。

・樹脂サッシのペアガラスが多くトリプルガラスは見かけなかった。YKKが多かった印象。

・リノベ物件では樹脂サッシ+ペアガラスの2重サッシ。木製引戸+単板ガラスに樹脂ペアガラスの組み合わせ、旧い雰囲気を残しながら断熱性能も上げているのが見事。少し室温が下がる印象だけど適材適所ですね。

・賃貸アパート、樹脂サッシ+ペアガラスが標準。FIX+すべり出し窓の組合せ、引違の掃き出し窓は無し。もちろんバルコニー無し。暖房はFF式ストーブ(灯油)が主流

・非住宅の施設では暖房はパネルコンベクター(コロナ)が多かった、網走では旅館でもFF式ストーブ採用。宿泊施設では夏用のエアコンが設置されていた(もちろん冬は使わない)

・パネルヒーターでの室内環境がとても心地良かった(湿度コントロールなどは不明)

温熱環境含めて関東とは全く異なる、熱源やサッシの納まりを確認するだけでも十分楽しめました。湿度コントロールなど不明な点も多く、もう少し掘り下げたい好奇心がムクムクと。

実際に北海道を旅してみて、書籍や講座で聞いた設計手段や設備について、自身で体感することによって少し腑に落ちてきそうな感覚になっています。百聞は一見に如かず…でしょうか?

うーん、ミライの住宅さん主催、北海道断熱修行の旅に申し込んでみようかと考えています。

2024年1月 ニュースレター

2024年から月に一度の振返り、ニュースレターとして記事の更新をしていければと思います。

いまさらですが、去年のパッシブハウスジャパン全国大会の事を投稿したいと思います。

パッシブハウスジャパン全国大会の壇上で発表する機会なんて、今後もあるかどうかの事なので!

左から 池田組の池田さん 森代表 当日登壇したFabWorksの中さん 発表が終わって安堵する私

パッシブハウスジャパン全国大会2023


パッシブハウスジャパン全国大会2023は2023年11月16日に開催、プログラムの実例報告として発表の機会をいただきました。

実例として現在進行中のプロジェクト、NOIL新築工事について、私はローエナジービルディング認定のための解析チームメンバーとして、池田組の池田さんは施工者の代表として二人での発表でした。

発布当日の朝、最新の現場写真に入れ変えたり、DesingPHをリアル操作したりと緊張しましたが、出来はともかく無事に発表を終えることができました。

外部開口部の検討

今回のプロジェクトでは、外部開口部についての性能と耐久性を向上するために、

意匠設計→施工図作成→解析のフローを数回繰り返しました。

開口部の解析はCertified PH Consultantの高岡利香さんが苦労してまとめてくださいました。ありがとうございました。

また、外部開口部は山崎屋木工さんのキュレーショナー、木製サッシ+トリプルガラス仕様の高性能仕様となっています。ZEB認定の建物なのに、窓周辺に座ると何となく肌寒いということがあるのですが、本物件では快適に過ごすことが出来るはずです。

PHPP+DesingPHについて

NOIL新築工事は非住宅の建物なのですがPHPP+DesingPHで性能を解析することが可能です。

DesingPHについて簡単に説明しますと、プレゼン中の画面に赤く塗られた建物が映っているのですが、これがDesingPHで解析した状態になります。赤く塗られた部分は断熱の外側になっていて、このデータをPHPPに読み込んで計算することができます。

PHPPの良い面は、工法や使用建材の種類を一切問わずに解析できること。悪い面は特に無いと思いますが、あえて言うならば国産ソフトと比較すると操作方法がアナログなことでしょうか。

厳しい寒さと雪の中、また能登半島地震などありましたが、池田組さんの報告によると現場は着々と進行中とのこと。ホント、雪国の人は、雪にも負けずに粘り強い...

本物件はローエナジービルディング(申請予定)を目指しているのですが、工事の進行に合わせ、再解析等これから検討する要件が残っています。良い結果がでるようにチームメンバーと一緒にコツコトと積み上げていきたいと思います。

PHJ支部大会開催中

私たちも賛助会員として参加しているパッシブハウスジャパンではこの時期、支部大会が開催されています。コロナウイルの感染状況を鑑みて、オンラインでの開催になっています。

各支部ごとに開催日をずらしているので、嬉しいことに全国の各支部大会に参加可能。実例発表では各支部の有名物件についてプレゼンを聞いたり、その後、グループ毎に分かれてのディスカッションもありで情報収集にと勉強になってます。リアル開催では全国各地を行脚する余裕はありませんから感謝です。

実例発表ではパッシブハウスや推奨エコハウスゾーンの建物を完成させるまでの様々な試行錯誤を直接聞ける機会は貴重。断熱材、木製サッシ、ガラス、空調、防蟻、リノベーション等の話題は多岐にわたります。

皆さん軽やかなプレゼンですが苦労されていることは想像に難くない。初めての建材や施工方法などもあり、情報のアップデートは必要だと改めて思います。本当に皆さん、勉強されているなというのが感想。

防蟻や床下エアコンの是非など、普段から疑問に思っていることを各方面から意見を交わせたので、次の実務に役立てそうです。

パッシブハウス認定は設計・施工の内容・建設コスト的にも難易度が高いことを改めて感じました。完成まで期間もそれなり必要になってきます。ですから建て主さまにも、それなりの覚悟が必要になると思います。当事務所ではパッシブハウス設計の実績はありませんが、実現できるような準備を心がげています

久しぶりの更新になってしまいましたが、今後ともよろしくお願いいたします。

日当たりをシミュレーションする 建物編

今日は4月16日。緊急事態宣言が出てから約1週間がたちました。外出を少なくして他人との接触を80パーセントまで減らして爆発的な拡大を防ぐとの事。これが達成できれば爆発的な感染を避けることができるそうです。

業務打合せにはZOOMを主に使っていますが、お客様との打合せが目下の課題。PCを持っていないお客様とどのように打合せするのか多くて思案中です。

※緊急事態宣言が全国に広がりそうなニュースが入ってきましたね。。。

建物への日当たりをシミュレーションする

日当たりをシミュレーションするの続きになります。

前回はおもに敷地に対してのシミュレーション、建物を配置してみたら思いがけない無い方向から日影が飛んでくることが解ったというお話でした。

くりかえしますが、パッシブ設計のポイントの一つに日当たり条件があります。

大草原の中にポツンと建つような、隣地に何もなくて建物を南側に正対する配置ができれば日射については大きな問題は少ないと思います。ですがそういった条件の敷地はほとんどありません。

ですから敷地の日当たり条件を検討した後、建物形状や窓の配置を決める丁寧な設計が必要になってきます。

前回と同じようにシミュレーションをご紹介していきますね。

12:00の日当たり状況です。

建物の半分以上が北側建物からの日影の影響を受けています。

この後14:00には全体的に日射を受けることができますが15:00には別の日影の影響をうけます。

 

太陽から取得した日射熱を表すとこんな状態です。

1階の窓からはほとんど日射熱を得ることがほとんどできない事が解ります。

ですが屋根面からは日射熱を得ることがわかるでしょうか?

 

そこで一つの解決方法、屋根面に窓を付けて日射を受けることを考えます。

図のような窓を付けてみます。ハイサイドライトを呼ばれている窓です。

北側建物からの日影の影響も受けていないようです!

 

日射熱の取得状況です。

ハイサイドライトに日射を受けることができて日射熱も得ることができそうです。

どうにか解決できそうです。

 

建物内の温度分布状況はこのようになります。

左図がハイサイドライト設置。右図は特に対策していない状況です。

日射熱はハイサイドライト設置7,200wh。対策なしだと 4,600wh。約1.5倍になります。

 

室内の温度はこんな状況です。

ハイサイドライトからの日射熱で14:00に3℃ほどの温度差が出てきます。

最高室温が日射熱最大の12:00から2時間遅れの14:00になることも興味深いです。

 

一例ですがこのようにしてシミュレーションを重ねて設計を進めていきます。

今回のような敷地状況では厳しいかと思いますが、パッシブハウスもこのようなシミュレーションの延長にあります。

どうせシミュレーションでしょ?という声も聴きます。たかがシミュレーションなのですが、事前に検討するとしないでは大きな違いがあると思います。

 

パッシブ設計は「自然の力」を理解し活かした家づくりです。

これからも「自然の力」を取り込める、ていねいな設計をこころがげて生きたいと考えています。

 

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