プレファブシステムの実践:モック千葉工場での経験とサンブ杉の可能性

1年前にFacebookでプレファブシステムについて投稿しましたが、あれからの経験や考えを少し更新しつつ、改めて振り返りたいと思います。モック千葉工場での実践を通じて、私はこのシステムの可能性と現場での課題を深く実感しました。

モック千葉工場では、親会社である山長グループの紀州材を使用しており、その品質管理の精度には非常に感銘を受けました。プレファブ工法における安定した材質の提供は、施工の精度と効率に直結し、非常に大きなメリットをもたらします。しかし、私は地元千葉県の資源であるサンブ杉をもっと活用できないかと考えています。

あれから1年が経ち、今もサンブ杉を活用するための方法を模索していますが、山長のような高い品質管理を実現できる千葉県内の製材所があるかどうかを調べる必要があると感じています。もし、サンブ杉が山長の紀州材と同等の品質管理ができるのであれば、地元の資源を使ってサステナブルな建築がさらに広がる可能性があります。

地域材の活用が、地域経済の活性化にもつながることは間違いありません。今後も、地元の工務店や職人との連携を深め、地域の資源を最大限に活かした建築に取り組んでいきたいと思います。

詳しくはこちらのFacebook投稿もご覧ください(少し昔の投稿ですが、今でも私にとって大切な経験です)。 Facebook投稿リンク

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木造技術の進化と可能性 ~ ヘルマン・カウフマン氏の視点


先日、建築家ヘルマン・カウフマン氏(以下H.K氏)の講演会に参加してきました。
2018年にも同氏の講演を聴講しましたが、今回は6年ぶりの再講演です。(※2018年の講演記事はこちら

今回の講演テーマは以下の通りです。

「木造建築の未来 ~ 木造技術とモダン建築の融合:地域経済を拓く伝統と革新」

H.K氏の審美的な建築事例はもちろん魅力的でしたが、講演中に特に気になったいくつかのキーワードについて掘り下げてみたいと思います。

大工の仕事からスタート

H.K氏の講演では、フォアベルク州で主流となっている「住戸ユニットタイプ(3Dボリューム)のプレファブ建築」が紹介されました。このシステムは、大工の負担を軽減するだけでなく、若い世代の大工が仕事に就くきっかけにもなっているとのことです。工場内の環境は、デザイン性が高く、洗練された働きやすい場の印象を受けました。また、フォアベルクでは、住戸ユニットの陸上運搬も日本より大きなサイズが可能であるという点も興味深いです。

ちなみに、日本で運搬可能なサイズについては、ワンルームタイプの短辺がプランニングに影響を与えることが考えられます。
※日本で運搬可能なサイズ(道路交通法の制限内)
短辺:2,400mm
長辺:5,400mm(4トンユニック積載)、7,200mm(10トンユニック積載)
高さ:約2,700mm

日本ではどうだろうと考えた際、思い浮かぶのは千葉のウッドステーションやモックさんの千葉工場です。現在、日本では2Dボリューム(大型パネル)が主流で、モックの工場でも大型パネルを製作しています。

私自身も大型パネルを導入した経験がありますが※FB投稿です、建方の際に大工さんの重労働が軽減されるだけでなく、品質管理や工程管理がより正確になり、非常に良いシステムだと感じました。さらに、ウッドステーションやモックさんが導入しているシステム全体は、フォアベルク州の技術水準に非常に近づいていると感じました。これは木材の品質管理に限らず、製造工程や作業環境、大工の負担軽減に至るまで、フォアベルク州で実践されている技術やプロセスに近いものが日本でも実現しつつあります。

2018年の講演当時、ウッドステーションやモックさんの技術はまだ存在していませんでした。

それが今、これらのシステムが現実となり、実際に稼働していることに深い感慨を覚えます。
未来の可能性として描かれていた技術が、数年の間にここまで着実に発展し、現実のものとなっている様子を目の当たりにすると、木造建築の進化のスピードと、その背景にある「伝統と革新」の力強さを改めて実感させられます。

私自身も、この進化の一端に触れ、大型パネル技術を採用できたことに、静かな喜びを感じています。時代の流れと共に、私たちの仕事も少しずつ進化し続けていることを実感し、これからも建築の可能性を広げていければと願っています。

また、フォアベルク州では混合林が主流で、モノカルチャー(トウヒの単一林)は伐採後に全伐になってしまうため、環境への影響が大きく、望ましくないとの話がありました。ただ、少し聞き取りが難しく、十分に消化できなかった部分もあり、少し残念です。

次回は、黒部パッシブタウンについての話を書いていきたいと思います。

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6月のニュースレター バウビオロギー講座受講中です

2024年から始めた月の振返り、しばらく下書きのまま放置してしまいまして、月末の投稿です。こんにちは、Koukiです。

数か月前のお話、バウビオロギー講座のスクーリングに参加しました。現在は全講座の1/3まで受講している段階で、今後はオンラインにてスクーリング講座が開催されるようです。

日本バウビオロギー研究会の通信講座を受講しています。

日頃の活動として、PHJメンバーの設計した建物を見学したり、昨年はミライの住宅さん主催の住宅空調講座@埼玉に参加しています。当然ながら、高性能住宅では全館空調が多く、エアコンなどの機器を利用した考え方が主流になっています。

しかしながら、夏季の高温多湿の外気を取り入れて通風でどうにかしようという考えは今さらありませんが、一方で性能や効率に特化した設計や思想だけではバランスが悪いと考える機会も増えてきました。さらに、EMFA(日本電磁波協会)の2級測定士の試験でもバウビオロギーについて軽く触れていまして、そこからバウビオロギーへの興味が広がっていきました。

バウビオロギーを学び始めて分かったことは、その名が示す通り、建築・生命・論理を包括するビジョンと範囲の広さです。つまり、”ホリスティックに考え行動する”という目標のためには、幅広い知識が必要不可欠なのです。そのため、講座テキストも多岐にわたり、建築技術だけでなく、生態学、環境科学、心理学、さらには哲学的な要素まで含まれています。

バウビオロギーの考え方は、単に建物の性能や効率を追求するだけでなく、人間と自然環境との調和を重視します。言い換えれば、これまで学んできた高性能住宅の設計とは異なる視点を提供してくれたのです。例えば、自然素材の活用や室内の空気質、電磁波の影響など、従来の設計では見過ごされがちな要素にも注目します。

また、バウビオロギーは持続可能性にも重点を置いています。すなわち、エネルギー効率だけでなく、建材の生産から廃棄までのライフサイクル全体を考慮することで、真の意味での環境負荷の低減を目指しているのです。

まだまだ講座の半ばですが、今までの学びを通じて、私は設計者としての視野が大きく広がったと感じています。高性能住宅の技術的な側面と、バウビオロギーの全体論的なアプローチを融合させることで、より豊かで持続可能な住環境を創造できる可能性が見えてきました。

今後は、これらの新しい知見を自分の設計実践にどのように取り入れていくか、具体的な方法を模索していきたいと思います。同時に、クライアントにもこの新しいアプローチの価値を伝え、共に理想的な住まいづくりを進めていければと考えています。講座の終了までにしばらく時間が必要ですが、今後の受講がとても楽しみです。

バウビオロギーの学びは、私にとって単なる知識の獲得以上の意味を持ちました。それは、建築実務者としての責任と可能性を再認識する機会となったのです。

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2024年2月 ニュースレター

2024年から始めた月の振返り、2月のニュースレターです。

こんにちはKoukiです。

認定パッシブハウスコンサルを目指し修行中の身、ヒートブリッジやインスト―ルψの解析を少しづつ進めています。

残念ながら保留になってしまった案件もあり、多少でも時間があるこの期間にマスターしてしまおうと考えていました。ですが先輩コンサルの来た道なかなか険しいですね、が正直な感想。

ソフトの習熟に時間がかかるタイプなので、ソフトの習熟だけでも精一杯。肝となるポイントを見逃して最初からなんて事も数回。時間ばかりが過ぎていくなんて日が多かったです。

ですがヒートブリッジやインスト―ルψはパッシブハウス認定ならではのポイントなので頑張りたいと思います。


今月の後半は家族と一緒に冬の北海道へ!旅の中盤に寒気に襲われ冬の北海道の厳しい洗礼もうけましたが楽しい旅となりました。

雪煙でバックドアが真っ白。さらに過酷な雪道に…

家族との旅行でしたので、建築オタク旅とはなりませんでしたが、外気温がマイナスでも建物内は半袖でも過ごせるような暖かい北海道仕様ならでは名物

”おうちアイス”も経験!

-6でも平気なワンコと凍える私

以下ポイント書きで印象をまとめます。

・樹脂サッシのペアガラスが多くトリプルガラスは見かけなかった。YKKが多かった印象。

・リノベ物件では樹脂サッシ+ペアガラスの2重サッシ。木製引戸+単板ガラスに樹脂ペアガラスの組み合わせ、旧い雰囲気を残しながら断熱性能も上げているのが見事。少し室温が下がる印象だけど適材適所ですね。

・賃貸アパート、樹脂サッシ+ペアガラスが標準。FIX+すべり出し窓の組合せ、引違の掃き出し窓は無し。もちろんバルコニー無し。暖房はFF式ストーブ(灯油)が主流

・非住宅の施設では暖房はパネルコンベクター(コロナ)が多かった、網走では旅館でもFF式ストーブ採用。宿泊施設では夏用のエアコンが設置されていた(もちろん冬は使わない)

・パネルヒーターでの室内環境がとても心地良かった(湿度コントロールなどは不明)

温熱環境含めて関東とは全く異なる、熱源やサッシの納まりを確認するだけでも十分楽しめました。湿度コントロールなど不明な点も多く、もう少し掘り下げたい好奇心がムクムクと。

実際に北海道を旅してみて、書籍や講座で聞いた設計手段や設備について、自身で体感することによって少し腑に落ちてきそうな感覚になっています。百聞は一見に如かず…でしょうか?

うーん、ミライの住宅さん主催、北海道断熱修行の旅に申し込んでみようかと考えています。

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