シックハウスは終わっていなかった

パッシブ技術研究会が主催する一般向け勉強会、林基哉 先生の講演を聴き、改めてシックハウス対策について考えました。

シックハウス対策としてF☆☆☆☆建材を使って、必要な換気扇をつければ建築基準法上は問題ありません。

事実、シックハウス対策が義務化された頃から内装仕上、小屋裏材等は急速にF☆☆☆☆化が進みました。そして24時間換気設備を設ければシックハウス対策は終わったと考えている人も少なくないと思います。

持ち込みの家具等には規制が無いので注意が必要くらいの意識はありましたが、そう、私もその一人でした。

ですが基準法をクリアした建物でもシックハウスは起きるとのこと。

思いがけない場所から化学物質を引っ張ってきてしまったり

”臭い”もシックハウスを誘引する一つの因子になるそう。

特に気密化された建物では室内環境に注意が必要と改めて再認識。

 

建物性能をあげていくと使用部材が多くなっていきますし、構造も複雑に。

その結果、意図しないシックハウスが生まれてしまうことも。

 

高断熱、高気密、換気はトータルで計画しないとバランスがとれないとダメなんです。

”この装置をつければ全て解決”って仕組みはないんです。

 

そして今回の勉強会の楽しみの一つとして、会場が自由学園明日館でした!

フランク・ロイド・ライトが設計した建築です。

小さな教室でしたが窓枠などライトのデザインに感動…

天井も低めですが、勾配天井になっていて圧迫感はありません。

その勾配に誘導されて、自然と目線が正面に向かい、黒板に目線が誘導されるように感じましたが、実際はどうなんでしょうかね?

高気密高断熱ではない名建築で、高気密高断熱の事を考える豊かな時間でした。

先人に学ぶ 断熱&耐震改修 寺子屋勉強会 in町田

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建物の断熱性能で弱点になりがちなのは窓。

アルミと樹脂の複合サッシでも十分だという声も聞こえますが、やはりそれより上の性能があるサッシを取り入れたいですね。

海外製サッシについては高性能だと知っていましたが、採用したことはもちろん、取付け施工も見たことがありませんでした。

ですから高本さんが主催する断熱&耐震改修寺子屋勉強会in町田に参加して勉強してきました。

今回勉強会で使用したのはロシア・サハリン州の窓枠メーカー「カールヴィ」です。

 

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参加してわかったことは、海外製サッシを施工するには一工夫、一手間が必要になるけれど、特殊な材料を使うことなく取付が可能なこと。

そのためには施工技術を正しく理解することが必要となるのですが、その技術が北海道にあるのです。

 

北海道では断熱気密工事についてBISという資格があり、知識が整理され、その全てが公開されていて誰でも自由に使うことができるのです。

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高本さんはBIS資格を取得していて、汎用性のある施工計画していました。今回の取付けに使用した資材はタイベック、気密シート、気密テープ、発泡ウレタンで特殊な資材を使用しませんでした。

 

施工については特殊な作業はありませんが丁寧な作業が必要になります。

ですが手練れてくるとスピードも上がりそうです。

 

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「カールヴィ」についてですが、フレーム下地にスチール材を利用してあるので耐久性があり、またバールでも壊れないほどの防犯性能があるそうです。

また輸送コスト分を工夫することができれば、コスト面でも国産サッシと勝負することができるそう。

 

断熱気密の技術をオープンにしている北海道。

その技術を正しく理解すれば、国産、海外を問わず臨機応変な断熱気密工事、施工計画が可能となるはず。

必要なことは正しい知識です。

先人の北海道で集められた知識が選択で迷ったときの「行き詰ったら原点に帰れ!」の原点となりそうです。

やっとお会いできました

省エネ塾のプレセミナーに参加しました。

講師の堤さんとはFBではつながっていましたが今回初めてお会いできるのでそれも楽しみです。

省エネ塾は初心者向けの断熱講習と言うことでしたが、住宅をなぜ断熱するかという本質を伝えようとするセミナーでした。

 

冒頭スライドがセバン・スズキ、リオの伝説のスピーチ。

https://www.youtube.com/watch?v=N0GsScywvx0

その後も数式や計算式を使わないで、温熱に対する新しい概念を増やすことを考えていらっしゃったように思います。

 

「How」ではなく「Why」で問いかける内容でした。

何か新しい事を始める時、先に走っている人の所へ行ってどうするのか聞いてみる。

どのやり方で、どのようにすればいいのか「How」を積みあげる。

なんとなくできる様になるけど継ぎ接ぎだらけ。

理屈を知らないと積み木はまっすぐに積みあがらない。

やっとここで、なぜそうなるのか、なぜそうするのか、大切な「Why」に気がつく。

自分で問いかけをしてみて、やっと考え方や目標が定まってくる。

理屈がわかれば積み木は高く積みあがる。

 

なんて事を考えて、自分の積み上げたガタガタの積み木に唖然としたりするわけです。

 

ワタシもセミナーを聞いて私も伝え方を再考。

住まい手さんに「なぜ断熱をするのか?」を説明する時、数値に頼って「説得」しているんですね。

ですが住まいの暑さ寒さに対する「実感・体感」を温熱環境の理屈と結びつけることができればもう少し腹落ちして「納得」してもらうことができるのかなと考えてみたり。

 

講師の堤さん。FBではつながっていましたがやっとお会いできました。

冒頭からバプコメで熱くなり、セミナーがどっかに行ってしまいそうでしたが、無事軌道修正。

FBでお見かけした通りの熱き実務者でした!

 

本日1/17は阪神淡路大震災から24年。

震災で、お亡くなりになられた方々にご冥福をお祈りしますと共にご遺族の方々に心よりお悔やみ申し上げす。

改めて震災時の被害をできるだけ軽減していくことができればと考えております。

 

エコハウスが当たり前になるように

日本エコハウス大賞、公開審査に参加してきました。

今回、リノベーション部門で奨励賞を頂いていたので最前列の席を確保していただきました!奨励賞はプレゼンテーションも表彰式も無いので、大賞候補者のプレゼンテーションを緊張すること無く応援することができました。

大賞候補4作品はエコハウスの定型とは外れた個性的な作品ぞろい。建物性能は十分に確保されていて当然で、+αを提案している住まいでした。大賞以外の住まいについても見所が沢山あり、受賞者の方々と意見交換することもできました。

審査員の方々の質問でも気づきがあり、ゲストで参加されていた建築家の堀部さんの感想が、ピリッとしていて。。。

今回、応募する機会に恵まれ良い経験になりました。色々気づく事が多かったですし、まだまだやることが沢山あります。受賞された方々は沢山の取り組みをされていると思います。限られた条件の中で、ベストな解決策を提案できるように今後もコツコツと前進していきたいと思います。

このエコハウス大賞の成り立ちは、2020年の性能表示義務化に向けて義務的に法律を守るだけで無く、エコハウスを通してさらに豊かな暮らしを提案していく目的で始まっています。

この流れが大きくなり、エコハウスが当たり前になり、豊かな暮らしの器としての住まいが増えていき、暮らしの中でもう少し幸せを感じることが増えると良いなと考えています。

今回の日本エコハウス大賞 受賞作品の掲載されたビルダーズはこちらです!

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