工bar〜工場が一夜限りのbarになります〜

大人の秘密基地

週末、お招きをいただき、一夜限りのバー”工bar”にお邪魔してきました。

入場門から見えない奥のほうにある工場へ進むと灯りが見えます。ひっそりと営業中ですが、中に入ると沢山に人で賑わっています。まるで秘密基地みたい。カッコ良すぎです!

大人の遊び心

普段は鯰組さんの工場(こうば)として使われているのですが、照明デザイナー、フラワーデザイナー、花器デザイナー、ケータリング、バー、ワイン醸造家などなどが集まり、工場が”工bar”にデザインされていました。

工場や建設機械は実用的なデザインで魅力がありますが、やはりデザインすると別世界、特に照明の効果は絶大ですね。

照明は工場や現場で使われている仮設の照明を使っているそうですがこの雰囲気。テーブルのキャンドルの明かりでお酒が飲めるなんて幸せです。

バーカウンターも工場の加工機に組み込まれたりと工夫が沢山です。しかもバーカウンターは全て無垢材。私は丸太をひいた加工前の無垢板で一杯いただきました。なんて贅沢!

DJブースもあり、フォトコンテストも開催、盛りだくさんスギ(笑)プロジェクターでは インスタに投稿をするとスライドショーで写してくれました。

しかも餅つき臼と杵の本格的な餅つき大会まであり、久しぶりに餅つきもやらせていただきました。つきたてのお餅も美味しかった!

遊び心が沢山ある、とても楽しい素敵な工barでした。工barのきっかけは新丸ビルにある現バーを鯰組さんが施工したのが発想の始まりだそうです。

鯰組さんの工場ということですが、企画運営や準備はさぞかし大変だったと思います。貴重な機会を本当にありがとうございました。

主催:(株)鯰組さん
協力:(株)タニタハウジングウェアさん
照明デザイン:廣木 花織さん
ケータリング:アホウドリさん
出張バー:ジムルームさん

 

 

 

 

曳家岡本、岡本棟梁のはなし

地震の影響で地盤が液状化を起こしてしまい建物が傾いてしまったり等、様々な理由で基礎が沈下して傾いてしまった建物を直す仕事があります。

沈下修正工法と言って、おもに曳家(ひきや)さんが仕事をしています。

曳家というと建物を移動させたり、持ち上げて新たに基礎をつくり、また下ろしたりと、ダイナミックな仕事のイメージでした。

今回はそのイメージを払拭するセミナーに参加してきました。

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”杭の摩擦が解けて建物が再沈下する”

”曳家をしているときに建物の反対側が振動し始めた時の怖さといったら。。。”

沈下修正工法のセミナーで曳家岡本の岡本棟梁の話で印象に残った言葉です。

セミナーの主催は東京建築士会さん、11月16日に開催されました。

 

曳家の仕事はダイナミックなイメージがありましたが、建物の上部構造を理解した上で、沈下修正をするときに移動する値は㎜単位。非常にデリケートな手間のかかる仕事です。

沈下修正工法には数種類の工法があり、それぞれの工法に特徴があり、地盤の状況によって工法を使い分けなくては効果が出ないとのこと。

全ての状況に対応することができる魔法のような工法はありません。

地味な作業を繰り返すことによって初めて安全に確実に建物の沈下を修正することができます。

また、基礎の種類や剛性によって、基礎を持ち上げる沈下修正が出来ない場合もある。そういった限界も包み隠さず話をされていました。

また北海道での地震で地盤沈下した建物を修正する時の基本的な考え方も話されていました。

北海道は凍結深度によって基礎の高さが高くなってしまうので基礎を持ち上げることが難しいとのことです。その対策として「土台揚げ」工法があるとのこと 。

「土台揚げ」工法*岡本棟梁のブログから抜粋

土台揚げ工法であれば、地下水位の問題もありません。浦安市入船地区では「布基礎」のお家が多かったことと、この水位の問題から「土台揚げ」工法が多く選ばれました。しかし土台揚げは地盤改良を伴う工事ではありませんので地盤が安定していること。再沈下が起こる可能性があることを認識しておいていただなくてはなりません。それでも1棟あたり300万円前後で沈下修正工事が出来ることから、選ばれていました。

*岡本棟梁Blog 沈下修正のことをまとめた記事----北海道地震で傾いた家を直すための参考意見です---

こちらの記事には、さまざまな沈下修正工法の良い点、悪い点がまとめてありとても参考になりました。

 

地盤にまつわる話は業者さんの話を鵜呑みにしてしまうことも多く、それではプロとして不勉強以外の何ものでもありません。

今回、岡本棟梁のセミナーで判断材料が増えたので、沈下修正の相談お頂いた時はお役に立てると思います。

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意外と燃えない木材の話

初めて都電に乗って都電テーブル鬼子母神前へ。

改札が無くて戸惑いましたが、バスと同じ仕組みなんですね!”チン!”というベルの音が発車の合図。夕暮れ時と重なってノスタルジックな雰囲気。

タニタさんの外壁材、ZIGが45分準耐火の認定を取得した記念講演会+懇親会に参加です。

木材は簡単に燃えるものと思い込んでいませんか?私はキャンプで薪を燃やすのが得意ですからそう思っていました(違)

ですが技術を使うと火に晒されても45分間は燃え抜けない外壁を作ることができるのです。

ちなみに、この45分、火事が発生してから建物が崩れ落ちる前に消火できる時間だそうです。

私の仕事の範囲では45分準耐火の仕様はほとんどありませんが建物の防火を考える時に必要な知識が増えました。

今回の講演で建築基準法改正による防火についての違いもキャッチアップ。講師の桜設計集団、安井先生によると、今回の法改正の内容は建物の防火に関しては今後しばらくないほどの大きな内容とのこと。

法改正により今まで木造で建てることができ無かった規模の木造建築が、ZIGの45分準耐火構造+構造設計をクリアすれば、建てることが可能になります。大工さんが住宅以外の建物を建てることができるわけです。

サッシについても木造住宅の方が性能が良い(特に温熱)ので温熱に優れた建物にすることが可能になりますね。

ですが耐久性には少し注意が必要そうで、特に柱間に充填断熱をした構造の場合、在来木造の知識がないと問題が発生しそうです。

また実務を担当された 桜設計集団、加來さんが試験体が燃えている、萌える画像(プロには)を紹介されていました。ですが燃えている炎が小さくて一般人には萌える画像ではありません。もっと炎や煙が充満しているほうが。。。

この事は温熱の分野でも同じこと。しっかりと断熱された建物ほどサーモカメラ画像が均一になってしまい盛り上がらない事と同じ、と腑に落ちました。

懇親会では都電テーブルさんの素材を生かした料理が並び、美味しく楽しむことができました。
初対面の人ばかりでしたが建築談義で盛り上がります。
板金の納まり、伝説の職人話などなど、向かい合っていないと話せない内容盛りだくさん。
最後はZIGの開発者でもある伊礼先生の〆でお開きに。開発秘話もなるほどでした。
タニタさん、楽しい企画をありがとうございました。

 

じつは○○年前の基準なんです

今年の猛暑の中、エアコンが大活躍だったと思います。

寝るときの冷房を我慢していた人も今年の熱帯夜には敵わず。。。エアコンを使ったという話も聞きました。暑くなってからエアコンの故障に気が付き!猛暑のためエアコンの取り付け待ちで1ヵ月以上待ちなんて笑えない話も。

 

これから冬に向かっていくと今度は暖房としてエアコンを使う機会が増えてきます。

寒くなってから慌てないように今のうちからエアコンの点検をしてみるのも良いのではないでしょうか?私も仕事の合間に天気の良い日にエアコンのフィルターを外し、水洗いしました。

エアコンって1台で冷房と暖房をかねることができる素晴らしい機械なんです。ですがエアコンを嫌いな人が多いんですよね。それには理由もあるのですがそれはまたの機会に。

暖房器具は種類が沢山

暖房は冷房と違いファンヒーター、灯油ストーブなど器具の種類が豊富です。

ですが灯油ストーブ等は水蒸気を発生させ、その水蒸気が冬の悩みとなる結露の原因にもなっています。

室内の空気環境も悪くなるので定期的な換気も必要になります。

そうそう、小さなお子さんがいると火傷の心配もありますね。。。

アラジンのブルーフレーム等、情緒的にはとても好ましいのですが機能面ではエアコンにかないません。

私もパーフェクションストーブの大ファンですが、メインはエアコン、パーフェクションは非常用のストーブとして待機しています。断捨離したらの声も聞こえてきますが、まあ、それは。。。。

エアコンのを選ぶときの目安って?

※パナソニックさんのカタログより引用

さて、今回はエアコンを購入する際の目安のお話です。

エアコンを購入するにあたって選定の目安となるのが帖数めやす(設置部屋の広さ)です。

カタログに載っているこのような表です。

 

この基準がつくられたのは何年まえ?

この帖数めやすですが基となっている基準はいつ頃に制定されたと思いますか?

なんと50年以上前に制定されて以降は改正されていないのです。

50年以上前の建物というと建物に断熱材は入っていません。そうなんです。めちゃくちゃ寒い無断熱の家が基になっているのです。

カタログの帖数めやすでエアコンを選ぶと、断熱されていない建物の部屋の大きさだけで選定すると言うことになるのです。

なので現在建てられている住宅の断熱材がしっかりと入った住まい対して、帖数めやすでエアコンを選ぶと必要よりも大きな能力のエアコンを選ぶことになってしまうのです。

断熱材の仕様、日射ことを考慮して選定するとほとんどんの場合、帖数めやすのエアコン選びよりも小さな能力のエアコンを選定することができます。

エアコンの能力は小さくなれば、おのずとランクが下がるので購入時の費用も少なくなります。また適切な大きさのエアコンを選ぶことは、エアコンのエネルギー効率を考えると効率の良い運転が多くなり、省エネにもつながってくるのです。

このことは、住まいの性能、暑さ寒さに対する体感によって一口に言いきれないのですが、帖数めやすのエアコン選びの真実の一つです。

 

エアコンを選ぶときはカタログの帖数めやすだけではなく、このようなエアコン選びができる専門家、工務店、建築士に相談すると良いと思います。

そういったところならば温熱環境のシミュレーションソフトもありますし、簡易的な計算でも十分に参考になると思います。

きっと、エアコンの選定だけでなくエアコンと建物の関係、断熱や気密との関係も知ることができると思います。

 

今日の一冊。エアコン以外にもとても参考になる本です。住まい手さんが読んでいたら不勉強な実務者は敵わないと思います。私もまだまだ勉強中です。

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