住宅と暮らしの20年 vol.1

リビングデザインセンターOZONEさんが主催する、住宅と暮らしの20年 vol.1 ”これからの住まいに本当に必要な機能と技術を考える”のパネル・ディスカッションを観てきました。

ファシリテーターの三浦祐成氏が現在の住宅事情について、”住宅貧乏”と表現し、”住宅貧乏”を軸にしてのパネル・ディスカッションでした。
今回のテーマが”これからの住まいに本当に必要な機能と技術を考える”でしたから、何か具体的な建築技術、機能についての提案を期待して参加しました。
ですが、そのような具体的な提案はありませんでした。懇談会にも参加をしたのですが、具体的な提案を期待してパネル・ディスカッションに参加した人が何人かいらっしゃいました。
ですが、具体的な提案よりも、今後の事を考える良い機会になりました。
パネラーへの質問ができなかったので、物足りない感もありましたが、参考になったパネル・ディスカッションでした。
懇親会も綺麗なオードブルでもてなしていただきました(画像が無くてすみません)

以下、忘備録としてまとめました。

難波 和彦氏 ”住宅貧乏”の分析
”この20年間、住まいを供給する側が、具体的な住まい方の提案が無かった為に汎用的な間取りが氾濫、また住み手も住まい方を考える事をしてこなかった、この事が”住宅貧乏”を生み出してしまったのではないか?”と分析。
難波氏は箱の家シリーズを展開しており、住まい方を手案する事によりしっかりと住み手も成長しているという、ご自身の確信もあり納得することができました。

播 繁 氏
また構造家の播 繁先生からは、阪神淡路大震災の当時の様子、現地をご自分の足で歩いて調査されたお話、また木造の構造設計では、水平構面耐力の大切さを再確認。

藤村 龍至氏 ”google house”
“google”の画像検索を使用し,戸建て住宅を画像検索して要素ごとに分類。その要素を抽出し、編集した設計した家がgoogle houseです。
意外な事に”google house”は住宅性能評価で高評価を得る事ができたそうです。
一般の住い手が望む戸建て住宅のイメージが、住宅の性能さえも満足させてしまっています。
この事はまさに、集合知の結果であり、書籍”「みんなの意見」は案外正しい”のように、住宅建築については、大勢の集合知による設計(google house)は有能な個人の設計(建築家による設計)よりも正しいと言った事が当てはまるように思えます。

最後のトークセッションでは 今さら感もありますが、”スケルトン、インフィル”の考え方がとても参考になりました。

私も、木造の在来工法では在来木造+金物工法を積極的に取り入れてきたのですが、構造体に対する考えを整理する事ができました。
お施主さんにとって、信頼の置ける箱(構造体)を建築士が提供する事が第一です。
今までロケット工法を採用していたのですが、やはりSE工法についても積極的に取り入れていかなければと思っています。

今後、施主主体のリノベーションをドンドンお手伝いしたいと考えているのですが、しっかりとした構造体をクライアントに提供できるかが重要です。
改修工事についての箱の原理も考える必要があります。

しっかりとした構造体をキャンバスに見立て、クライアント自身が好きな絵(内装)を描く事ができればと考えます。

Share this...
Share on facebook
Facebook
Share on twitter
Twitter

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください