意外と燃えない木材の話:木材の防火性能と準耐火構造の可能性

1.都電に乗って向かった準耐火木造建築の講演会

初めて都電に乗って都電テーブル鬼子母神前へ。

改札が無くて戸惑いましたが、バスと同じ仕組みなんですね!”チン!”というベルの音が発車の合図。夕暮れ時と重なってノスタルジックな雰囲気。

タニタさんの外壁材、ZIGが45分準耐火の認定を取得した記念講演会+懇親会に参加です。

2.木材の防火性能は意外と高い?45分準耐火構造の実力

木材は簡単に燃えるものと思い込んでいませんか?私はキャンプで薪を燃やすのが得意ですからそう思っていました(違)

ですが技術を使うと火に晒されても45分間は燃え抜けない外壁を作ることができるのです。

ちなみに、この45分、火事が発生してから建物が崩れ落ちる前に消火できる時間だそうです。

私の仕事の範囲では45分準耐火の仕様はほとんどありませんが建物の防火を考える時に必要な知識が増えました。

3.建築基準法改正が広げる木造準耐火建築の可能性

今回の講演で建築基準法改正による防火についての違いもキャッチアップ。講師の桜設計集団、安井先生によると、今回の法改正の内容は建物の防火に関しては今後しばらくないほどの大きな内容とのこと。

法改正により今まで木造で建てることができ無かった規模の木造建築が、ZIGの45分準耐火構造+構造設計をクリアすれば、建てることが可能になります。大工さんが住宅以外の建物を建てることができるわけです。

4.温熱性能と耐久性のバランス――在来木造の知見が活きる


サッシについても木造住宅の方が性能が良い(特に温熱)ので温熱に優れた建物にすることが可能になります。ですが耐久性には少し注意が必要そうで、特に柱間に充填断熱をした構造の場合、在来木造の知識がないと問題が発生しそうです。



5.試験体の“萌える”瞬間と、防火・断熱の共通点

また実務を担当された 桜設計集団、加來さんが試験体が燃えている、萌える画像(プロには)を紹介されていました。ですが燃えている炎が小さくて一般人には萌える画像ではありません。もっと炎や煙が充満しているほうが。。。

この事は温熱の分野でも同じこと。しっかりと断熱された建物ほどサーモカメラ画像が均一になってしまい盛り上がらない事と同じ、と腑に落ちました。

6.懇親会で広がる建築談義

懇親会では都電テーブルさんの素材を生かした料理が並び、美味しく楽しむことができました。
初対面の人ばかりでしたが建築談義で盛り上がります。
板金の納まり、伝説の職人話などなど、向かい合っていないと話せない内容盛りだくさん。
 

7.伊礼先生の開発秘話で締めくくり

最後はZIGの開発者でもある伊礼先生の〆でお開きに。開発秘話もなるほどでした。
 
 
タニタさん、楽しい企画をありがとうございました。

補足:防火認定番号や改正内容

  • 外壁材「ZIG」の準耐火認定
     外壁の45分準耐火構造として防火認定を取得。※認定番号は手元資料の正式表記をご確認のうえ記入してください(例:認定番号:****)。

  • 建築基準法改正(概要)
     一定条件を満たすことで、従来は木造で計画しづらかった規模・用途の建築でも、準耐火構造+適切な構造設計により木造化の可能性が拡大。

  • 温熱との関係
     木製サッシ等により温熱性能(断熱・気密)を高水準にしやすい一方、柱間充填断熱の採用時は防露計画・通気層の連続性・開口部まわりの納まりなど耐久性の配慮が必須。

  • 実務メモ
     試験体の燃焼挙動は炎や煙の派手さ=性能ではないことの確認に有用。断熱のサーモ画像が均一になるのと同様、“目立たない”ことが性能の証左になる場合がある。

※本補足は講演時点のメモ的整理です。詳細仕様・認定番号は最新資料をご確認ください。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

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