年末年始の休業日のお知らせ

YouTubeから歴史を振り返ってみる

当社の業務は本日迄となりました。本年は大変お世話になりました。

2022年12月28日(水)より2023年1月8日(日)まで、年末年始休業とさせていただきます。 

今年もblogの更新など、情報発信が少なかったのが反省点。来年こそはと考えています。

賛助会員として参加しているパッシブハウスジャパンもYouTubeにて情報発信をしています。

パッシブハウス・ジャパンYouTubeチャンネル

私もYouTubeチャンネルを登録しているのですが、YouTubeの仕様が変わったのか、最近になって過去のパッシブハウスについての動画があがってきます。

私は高断熱高気密に目覚めたのが遅く、過去のパッシブハウスの取り組みを詳しく知りませんでした。過去の動画があがってくることで、歴史を知ることができてとても参考になります。

忘備録を兼ねてリンクを紹介したいとおもいます。お時間のある時にでも是非ご覧になってください!

来年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

パッシブハウス

パッシブハウス(PassiveHouse)特集_TVK

仕事始めの前に美術館へ

新年が開けてから2週間も経ってしまいました。この調子でこの1年もアッと言うまに過ぎてしまいそうです。

仕事始めの前に久しぶりに川村美術館へ。ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960–70年代美術を見てきました。川村美術館へは車で30分ほど。庭園も綺麗で気分転換にもなるので好きな場所です。

生憎、この日は関東に大雪警報が発令された日。出かける時から雪が降り始めていて美術館に到着した時は薄っすら雪が積もり始めてました。おお、ミニマル・アートを鑑賞するにはモノクロの景色が美しいではないか!とのんきに喜んでいたのですが、なんと入館してから1時間で臨時閉館になってしまいました。

常設展をパスして企画展から見学し始めたのですが流石に時間が足りません。その短い時間でもカール・アンドレの作品『雲と結晶』は貴重な体験。ピンコロ石くらいのサイズの鉛の立法体を整列させて立方体をつくり、対比として同数の立方体を散らばしている作品です(川村美術館のチラシを参照してください)観かたによっては美術館の広いフロアに鉛の立方体を並べているだけなのですが、散らばった物体と整列した物体の間を行き来して作品の間を歩いていると不思議な感覚が呼び起されます。ミニマルアートは観ることで「イメージ」を呼び起こすのではなくて、その場に身体をおくことで「感覚」を知覚させるものと覚えています。何事もそうですが現地に足を運んで体験することでしか解からない事がたくさんあるもの。短い時間でしたが カール・アンドレ の展示空間を体感できてだけでも良かったと思います。また、この展覧会は巡回展なので他の美術館ではどのようになっているのか興味があります。

美術館の外にでてみると真っ白の雪景色。佐倉は千葉県内では気温が低い地域なので早めの休館は正解だったと思います。帰路も雪に馴れない車ですでに渋滞気味でした。

帰ってからもお楽しみは続きます。カタログはミニマル/コンセプチュアルらしいシンプルな装丁。 全作品の解説がありそうな充実した内容で読むのに一苦労しそう。きっと時間がたくさんあっても理解できなかっただろうな。

改めて川村美術館のWEBサイトを眺めているとSpotifyプレイリストで「ミニマル・ミュージック」が紹介されていました(選曲はトクマルシューゴさん)。知らない曲も沢山ありで、お気にいりのプレイリストが加わりました。美術館も鑑賞するだけではなくて伝えるために様々な工夫をして進化してるんだなぁ。学芸員さんすごいな、見習って頑張ろう。

美術館から始まった一年。良い仕事ができるように取り組んでいきたいと思います。改めてよろしくお願いいたします

高性能を体感するには真冬が一番!パッシブハウスオープンウィークス2022

2022年も2週間が過ぎようとしていますが本年もよろしくお願いいたします。

PHJのメンバーがパッシブハウスを体験できるイベントを企画しています。

『パッシブハウスオープンウィークス 2022』

竣工時に行われるオープンハウスとことなり、このイベントのためにパッシブハウスを建てたオーナーさんが暮らされている住まいを提供してくれるそうなので、パッシブハウスの性能を体感できるはずです。性能を体感するには真冬が一番!と企画されたイベントです。寒い冬こそ日射取得した熱が建物内に残っていることを体感できると思います。

私もパッシブハウスを初めて体験した時は”えっ?こんなに静かで温かいの?”と驚いたことを記憶しています。足裏からも暖かさを感じ、”床暖房ですか”なんてとんでもない質問もしてました。私はパッシブハウスを設計する機会が無く参加物件がありませんが、家づくりを考えているならば是非参加を!

※追記 イベントの詳細が発表されました。オミクロンの影響により参加物件が少なくなってしまったようですが気になるようでしたら参加してみてください。

『PASSHIVEHOUSE OPEN WEEKS』開催のご案内

これまで毎年、11月に開催しておりました国際パッシブハウス・オープンデー、昨年もコロナ禍の中、残念ながら参加を見送りました。生活者や建築従事者が、パッシブハウスを体感できる機会が少ない中、開催を望む声を受けて、日本国内のパッシブハウス・レベルの建物が、 一同に見学会を行うPHJ主催「PASSHIVEHOUSE OPEN WEEKS」を企画致しました!!

パッシブハウスオープンウィークス2022

年末年始の休業日のお知らせ

本年は大変お世話になりました。 
 
(有)幸総合設計は、2021年12月29日(水)より2021年1月6日(木)まで、年末年始休業とさせていただきます。 
 
今年も新型コロナウイルスの影響を受けて活動に様々な影響を受けた一年でした。
残念ながら「withコロナ」の状況はしばらく続きそうですができることを続けていきたいと思います。

そんな中でPHJ10周年記念誌が届きました。
コロナウイルスの影響で記念大会を開催することができないのでこちらの記念誌を作成したとのことです。
私たちは2018年の1月からパッシブハウス・ジャパンの賛助会員となっています。残念ながらパッシブハウスの実現はかなっていませんが、機会がありましたら是非チャレンジしたいと考えています。
年末年始は記念誌をじっくりと読んで過ごしたいと思います。
なおこちらの記念誌ですが、一般販売の予定がありません。もし気になるようでしたらお近くに賛助会員にお問合せください。

本年は満足のいく活動ができませんでした。
来年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

PHJ支部大会開催中

私たちも賛助会員として参加しているパッシブハウスジャパンではこの時期、支部大会が開催されています。コロナウイルの感染状況を鑑みて、オンラインでの開催になっています。

各支部ごとに開催日をずらしているので、嬉しいことに全国の各支部大会に参加可能。実例発表では各支部の有名物件についてプレゼンを聞いたり、その後、グループ毎に分かれてのディスカッションもありで情報収集にと勉強になってます。リアル開催では全国各地を行脚する余裕はありませんから感謝です。

実例発表ではパッシブハウスや推奨エコハウスゾーンの建物を完成させるまでの様々な試行錯誤を直接聞ける機会は貴重。断熱材、木製サッシ、ガラス、空調、防蟻、リノベーション等の話題は多岐にわたります。

皆さん軽やかなプレゼンですが苦労されていることは想像に難くない。初めての建材や施工方法などもあり、情報のアップデートは必要だと改めて思います。本当に皆さん、勉強されているなというのが感想。

防蟻や床下エアコンの是非など、普段から疑問に思っていることを各方面から意見を交わせたので、次の実務に役立てそうです。

パッシブハウス認定は設計・施工の内容・建設コスト的にも難易度が高いことを改めて感じました。完成まで期間もそれなり必要になってきます。ですから建て主さまにも、それなりの覚悟が必要になると思います。当事務所ではパッシブハウス設計の実績はありませんが、実現できるような準備を心がげています

久しぶりの更新になってしまいましたが、今後ともよろしくお願いいたします。

パッシブハウス設計のためのDesignPHとSketchUp活用ガイド

1.Zoom勉強会でDesignPHの使用法を学ぶ

STAY HOME週間中、Passive House Japan(PHJ)のメンバー有志が主催するDesignPH勉強会に参加しました。私自身はDesignPHライセンス未所持ですが、導入を検討中のため見学させていただきました。

2. DesignPHとは?SketchUpでの3Dモデリングに便利なプラグイン

DesignPHSketchUpプラグインとして使用するソフトです。SketchUp+ DesignPHを使うことでパッシブハウスの設計を3D上(SketchUp)でモデリングできます。モデルを作成した後、そのデータをPHPP(パッシブハウス設計用のエネルギーバランスソフト)にエクスポートして、エネルギー設計を詳細に進めることができます。PHPPはExcelベースをデータをセルに入力する方式です。

※建物燃費ナビもPHPPがベースで、入力方法がCADベースになっています。このCAD機能をSketchUpに置き換えたものと考えると理解しやすいかもしれません。DesignPHは、PHPPのセルへの入力をSketchUp上で直感的に入力できるツールです。

ソフトの準備

※SketchUpはデスクトップ版のMake 2017、DesignPHはDemo版(2週間有効、機能制限有)を使っています。ソフトは実際に試してみることで理解が深まりますので、ぜひ試してみてください。

■SketchUp Make 2017 ダウンロードはこちらから https://www.sketchup.com/download/all(こちらからMake 2017を選択)

■DesignPH Demo版 ダウンロードはこちらから https://designph.org/DEMO_download(試用期間14日 機能制限アリ)

DesignPHのDemo版を使っていますので、機能が限定されています。今後、正規版を導入しましたら追記予定です。

3.DesignPHでのモデリングからPHPPへのエクスポートまでの方法

SketchUpでモデリング

サッシ開口部は四角の外形だけで大丈夫

まずはSketchUpで簡単な外観モデルを作成します。この時、あまり複雑な形状で無いほうが良いです。開口等もサッシ開口だけで十分です。他のCADからDXF出力した場合、余分な線を整理しておくと後々の作業が楽になります。建物の方位や開口部の位置を検討し、簡単な外観モデルを作成していきましょう

属性の割当て

簡単なサッシ開口の四角にワンクリックでサッシモデルを挿入できます

作成した外観モデルに壁、屋根、開口部ごとに属性を割当てます。この時、壁、屋根、開口部にワンクリックで属性を割り当てることができます。

※私はDemo版だったので属性をカスタマイズすることができませんでしたが 、Passivhaus Institutの認定済みコンポーネントを割り当てることができました。

窓についてはワンクリックで、サッシ枠とガラスが別々に表現されますボリューム作成段階ではサッシ開口のみで十分で、時間の短縮にもなるの便利な機能です。また庇などのサッシ開口部に影を落とす部位もモデル化できます

計算結果を見てみると庇などの端部からガラス中央にラインが見えます。これが計算部分ならば、屋根の厚み等は必要ないようです。まあ、これはこれで外壁面積等計算に影響しそうですが、難しいことは考えずに最後まで進んでみます。

建物の内部壁についてはモデル化する必要はありません。

暖房されていない部屋については、温度係数を入力するだけでモデル化できます。

※これは試すことができませんでした。

周辺環境の入力

DesignPHでは周囲の建物等、障害物からの影響も計算してくれます。なので、計画建物に影を落とす、周辺建物等もモデリングする必要があります。

Google Earthからおおよその地形モデルをインポートすることもできます。その後、DesignPHは計画建物への日影の影響も考慮しながら、日射取得熱等を計算してくれます。

※Demo版ではこれも試すことができませんでした。参加者の中には広範囲の地形モデルをインポートして山からの日影の影響を確かめている強者も…

※気候データについては、プラグインでデータが用意されています。ですが日本ではあまり細かい分類が無いようでした。またアメダスから気候データを読み込むこともできないようです。

4. エネルギー計算とPHPPへのエクスポート計算

外観モデルを完成させたら、エネルギー計算を実行、建物のエネルギー消費量を評価することができます。DesignPHによる計算はソフト内で行われていて、PHPPへの出力は必要ありません。結果はPHPPほど正確ではないと思いますが、この段階で簡単に数値を把握することができれば良いでしょう。なので計算結果が15 kWh / m2であっても、計画した建物がパッシブハウスレベルかの判断はできません。この次のステップでPHPPでの計算が必要になるからです。そのためにもこの段階では、さらに建物性能を高めておく必要があるかとおもいます。

DesignPH内で事前エネルギー計算を実行後、データを.pppファイルとしてエクスポート、PHPPに直接インポートできます。

※この作業もできませんでした。

5. DesignPHを使ってみた感想

※今回はDemo版での感想になります。

・使いやすさ
DesignPHは、SketchUpのプラグインとしてとても使いやすいと思います。

認定パッシブハウスを設計する時はDesignPHだけでは足りません。PHPPでの計算等、複雑な検討が沢山あります。ですが初期段階からパッシブハウスの設計に利用すれば、失敗が少なくなると思います。

・設計者へのおすすめ
若手設計者や学生も挑戦しやすく、パッシブハウス設計の基礎を理解しやすいです。温熱設計に興味をもったらSketchUp+ DesignPHにチャレンジしてみてもらいたいです。パッシブ設計に馴れていなくても、DesignPH内ならば手軽に結果をみることができます。未来の設計者がパッシブハウスへ興味をもってくれると良いなと思います。

・非住宅建物への応用可能性

住宅以外の建物、複雑な形状の建物等は評価するソフトが少ないのでDesignPHが有効かと思います。普通の住宅レベルならば、もちろん”建物燃費ナビ”が早くて有効です!

家の地震対策と土地リスク確認の重要性

日本の地震被害と土地リスクの関係

耐震性の確認だけでは不十分:土地リスクを知る重要性

日本では、耐震性の高い建物であっても、土地の特性によって地震被害が異なる可能性があります。特に、傾斜地や湿地帯に造成された土地では、不動沈下や液状化のリスクが高まることがあるため、建物を建てる前に土地リスクをしっかり確認することが重要です。

お風呂での地震対策:安全な場所での行動

千葉・茨城で震度3、4クラスの地震が続いています。

深夜の地震もあり多少睡眠不足です(5/6の地震は1:57発生。震度3でした)

5/4の地震が発生した時ちょうど、お風呂タイム。

住宅では浴室や洗面等の水回りは柱が集中しているから安心な場所だと言われてますが焦りますね。

揺れる湯舟の中で身動きできませんでした。。。

浴室での安全な行動指針

無事に風呂から上がりお風呂の中での正しい対応について、公の報告書ではどのようになっているのか気になり調べてました。

詳細はこちら:「東京くらし防災」・「東京防災」では以下のような行動が推奨のようです。

詳細はこちら:大震災シミュレーション_発生直後(1) 

【浴室】  
裸でいる浴室は、ケガをしやすい場所です。
鏡や電球などのガラス類の飛散から、からだを守るため、洗面器などを頭にかぶり、すぐに浴室から出て安全な場所に移動します。
東京防災 P24:大震災シミュレーション 発生直後(1)

なるほど。裸ですから鏡やガラスの飛散があったら大変です。

”お風呂の鏡はいらない”住まい手さんもいらっしゃいますが、あえて浴室には鏡を取り付けない選択も防災の面でもよいですね。

照明について、ハーフユニットバス等など造作が必要なお風呂の場合、浴室対応の照明など選びます。ですが、念には念をいれ、照明カバー部分の材質は調べておいても良いですね。

地盤のプロフェッショナルからもアドバイス

また、地盤関係でいつもお世話になっているブルーセージの千葉先生からもFBにて情報発信が!

私たちは建物のプロフェッショナルを目指していますが、地盤については知らないことが多いのです。そんな中で地盤のプロフェッショナルとして頼れる存在です。

以下 FB記事転載
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●地震対策「今から・できることから」●

昨夜、千葉・茨城で震度4の地震がありました。続いているので心配されている方がいらっしゃると思います。

このエリアで心配される地震は「首都直下地震」です。

首都直下地震は、今後30年以降に70%の確率で起こると言われるM7クラスの大地震です。

内閣府の中央防災会議は、過去このエリアで発生したM7クラスの地震の資料を元に、地震の規模や被害の種類と大きさなどについて検討・想定したものを平成25年12月に発表しています。

このエリアは3つのプレートが重なっていて、地震発生場所(発生タイプ)は6つ想定されています。
そのうち検討対象となるプレート内と浅い地殻(断層)のそれぞれの地震とエリアの図が示されています。

首都直下地震は、想定される発生場所が少なくともこれだけの数があります。

自分の生活圏がこのエリアに入っていると不安になりますよね。

大事なことは「いつくるか」ではなく、「何を備えておくか」です。
地震対策の参考になるよう、リンクを貼ります。
GWはあと一日半。
今から・できることから備えましょう。

https://www.nhk.or.jp/…/sp/special/bousai_no_chie/index.html

家具転倒防止と家庭内の安全対策

千葉・茨城エリアでは、今後30年以内に70%の確率でM7クラスの首都直下地震が発生するとされています。家具の転倒防止や簡単な地震対策を通じて、今から備えておくことが大切です。

1995年に起きた阪神・淡路大震災では、住宅内部での被害が多く、

負傷者の約半数(46パーセント)は「家具の転倒、落下」が原因

実際にできる家具の転倒防止策

だったというデータがあります。 (今すぐできる!家の中の地震対策より)

家具の転倒防止策等は専用の器具を使うものから、段ボールや滑り止めシートなどを使う簡単なものまで。

家具の向きを変えることも一つの対策になります。

詳細はこちら:NHK備える防災

詳細はこちら:今すぐできる!家の中の地震対策

首都直下地震と関東エリアの地震リスク

こちらはプレート由来の震源想定図 ※追加しました
断層型の震源想定図 千葉さんFBの資料より

プレート境界と震源の位置関係

千葉先生の資料を見てみましょう。

まずは関東周辺のプレート境界。日本周辺が複雑にプレートが集まった場所であることがわかります。

千葉県でも比較的震源の浅い地震がありますが①、北米プレート内の地殻内の浅い地震でしょうか?

2枚目はプレート由来の震源想定図。
スロースリップの地震が増えてきているなんてき聞きませんか?

えっ?最大クラスの震源断層域もありますね。

3枚目は断層型の震源想定図。

首都直下型の地震は千葉県内では成田空港直下、千葉市直下、市原市直下が予想されています。

2枚目の図と比較するとプレートの境界以外にも断層があるのがわかります。

以上の報告書から”首都直下地震は今後30年以降に70%の確率で起こると言われるM7クラスの大地震”が理解できます。

ワイドショー等で首都直下型地震の話題が取り上げられることもありまが、それって本当なの?と思ってしまうような話題もあります。なので、事実確認をする癖をつけることも大切。今回のように一次情報として公の報告書等から事実確認も必要だと考えていいます。

土地リスクの確認と災害対策の重要性

家づくりでは地震対策として耐震等級の確認等、建物の耐震性を確認することは皆さんご存知だと思います。

ですがそれだけでは不十分、加えてその場所にある土地リスクを確認することがとても大切なんです。

土地選びで初めて訪れた土地。綺麗に造成された宅地でも調べてみると意外な土地リスクが見つかる事もあるんです。

例えばこんな例があります。

実は傾斜地に盛土された造成地だった→場合によっては不同沈下の原因になる可能性あり

実は造成前は田んぼ等の湿地帯だった→標高が低く水が集まりやすい

土地リスク判定に役立つハザードマップの活用

どちらの造成地についても地盤改良等対策はありますが、根本的に解決できない災害リスクの場所もあります。例えば、近年の台風による低い場所への浸水リスクは記憶に新しいと思います。

ですから気になる土地が見つかった時、土地のリスク判定をおすすめしています。

住まい手さんでも可能な比較的簡単に判定できるものとしてはハザードマップがあります。

詳細はこちら:千葉県市町村別液状化しやすさマップ

こちらで液状化危険度を判定することができます。

土地リスクは建物が建ってしまってからは回避できないものの一つ。

基礎、木構造、断熱と並んで後から変更することが困難な部分です。

地盤のプロフェッショナルからのアドバイス

ですから土地リスクの判定、地盤に関してもしっかりと考えてください。

もちろん、私たちも土地リスクの判定は可能です。

土地の簡易地盤判定をすることができます。

まとめ

地震大国である日本において、地震対策は建物の耐震性だけでは不十分です。傾斜地や湿地帯などの土地リスクは建物の安全性に大きな影響を及ぼすため、土地の特性を理解したうえで建物を計画することが重要です。また、お風呂での地震対策や家具の転倒防止など、家庭内での地震対策も欠かせません。日頃からハザードマップを活用し、簡単にできる地震対策を実施しておくことで、万が一の際の被害を最小限に抑えることができます。
家族の安全を守るため、今できることから始めましょう。

木のスプーンを手づくりする STAY HOMEでENJOY HOME

ゴールデンウィークに突入のハズが、STAY HOME週間の最初の週末。

幸いにも天気は良く、庭でのんびりするには最高の一日。

我が家も子どもたちと一緒に料理をしたりと、今までとは全く違った日常です。

自由な時間が増えてくると不思議なことに遊びが原始的になってきまして、久しぶりに子どもたちと一緒に工作、木のスプーンを手作りしてみました!

材料はヒノキの角材。

伐採したサクラの枝とか使うと綺麗で香りも良いのですが、ストックしていた伐採枝を処分してしまったんですよね。まさかこんな機会が来るなんて想像もしていませんでしたから。

使う道具も特別な物は無しです。ノコギリ、小刀、彫刻刀、ノミ、仕上げに紙やすりです。

ヒノキの角材に鉛筆でスプーンの形を書き込んで、あとは小刀とノミを使って削っていくだけ。

ノコギリやノミを使って時間短縮もしましたが、基本は小刀で削るのが楽しいです。

計画通りに進まないのは当然。

売っているスプーンのように左右対称にならないし、食べやすい形ってどんな形?と普段使っているスプーンを改めて観察したり。

私も子どもの手伝いをしながら一本仕上げることができました!

一日、木を削っていると、やっぱり無垢の木の良さを改めて感じます。

手触りの良さ、綺麗な木目を見ていると良いなと思います。

ですから、家づくりでも無垢の木を可能な範囲でおすすめしたくなります。

例えば床材。

建材メーカーのフローリング新築時は綺麗ですが時間がたつと劣化してしまったり、足触りがひんやりしたり。

一方、無垢の木を使った床材は新築時よりも経年変化で木目が美しくなってきます。無塗装やオイル仕上げを選べが足触りも気持ち良いです。

千葉はサンブスギが有名です。杉は傷もつきやすいけど、足触りは抜群で、夏は素足が気持ちいいです。

コロナウイルスによって、今までとは世の中が一転してしまいそうな予感がします。

STAY HOMEで家にいる時間が多くなってきます。家づくりの環境も変わってくると思います。

予算の関係もあると思いますが、無垢の木等、本物の素材を選んで、木目の美しさや肌触りを楽しめれば気持ちも安らぐのではないかと思います。

木のスプーンを削りながら無垢の木の良さをあらためて感じた一日でした。

スプーンの詳しい作り方など、質問ありましたら遠慮なく!

もちろん家づくりの相談もお待ちしております。

オンラインでの相談も可能です。

日当たりをシミュレーションする 建物編

今日は4月16日。緊急事態宣言が出てから約1週間がたちました。外出を少なくして他人との接触を80パーセントまで減らして爆発的な拡大を防ぐとの事。これが達成できれば爆発的な感染を避けることができるそうです。

業務打合せにはZOOMを主に使っていますが、お客様との打合せが目下の課題。PCを持っていないお客様とどのように打合せするのか多くて思案中です。

※緊急事態宣言が全国に広がりそうなニュースが入ってきましたね。。。

日当たりをシミュレーションする 建物編

日当たりをシミュレーションするの続きになります。

前回は敷地に対するシミュレーションを行い、建物を配置してみたところ、思いがけない方向から日影が飛んでくることが判明したお話でした。

くりかえしますが、パッシブ設計のポイントの一つに日当たり条件があります。理想的には大草原の中にポツンと建つような、隣地に何もなくて建物を南側に正対する配置ができれば、日射について大きな問題は少ないでしょう。ですが、そういった条件の敷地は非常に限られています。
そのため、敷地の日当たり条件を丁寧に検討した後、建物形状や窓の配置を決める設計が必要になります。

次に、前回と同じようにシミュレーションを行い、その結果をご紹介します。

シミュレーション結果:12:00の状況

シミュレーションを行った結果、建物の半分以上が北側の建物からの日影の影響を受けていることがわかりました。この後、14:00には全体的に日射を受けることができますが、15:00には別の建物の影響を再び受ける状況になります。。

 

太陽から取得する日射熱

1階の窓からはほとんど日射熱を得ることができないことがわかりました。しかし、屋根面からは日射熱を取得できる可能性があるため、屋根面に窓を設置するという解決策を考えます。この場合、ハイサイドライトと呼ばれる窓を設置することで、北側建物からの日影の影響を避けることができます。

 

ハイサイドライトの効果

シミュレーションを重ねた結果、ハイサイドライトからの日射を得ることで、室内温度に大きな違いが生まれることがわかりました。日射熱の取得量は、ハイサイドライト設置時は7,200whで、設置しない場合の4,600whと比べて約1.5倍になります。また、室内の温度も14:00に約3℃の差が生まれ、最高室温は日射熱が最大になる12:00から約2時間後に達するという興味深い結果となりました。

 日射熱の取得状況です。

ハイサイドライトに日射を受けることができて日射熱も得ることができそうです。

どうにか解決できそうです。

 

建物内の温度分布状況はこのようになります。

左図がハイサイドライト設置。右図は特に対策していない状況です。

日射熱はハイサイドライト設置7,200wh。対策なしだと 4,600wh。約1.5倍になります。

 

室内の温度はこんな状況です。

ハイサイドライトからの日射熱で14:00に3℃ほどの温度差が出てきます。

最高室温が日射熱最大の12:00から2時間遅れの14:00になることも興味深いです。

パッシブハウスとシミュレーション

今回のような敷地状況では日当たりの条件が厳しいと思われるかもしれませんが、パッシブハウスもこのようなシミュレーションの延長線上にあります。「たかがシミュレーション」と言う声も聞かれますが、事前に検討を行うかどうかで設計の精度や建物の性能には大きな違いが出るのです。

パッシブデザインは「自然の力」を理解し、それを活かした家づくりです。これからも、「自然の力」を最大限に取り込める、丁寧な設計を心がけていきます。

 パッシブ設計は「自然の力」を理解し活かした家づくりです。

これからも「自然の力」を取り込める、ていねいな設計をこころがげて生きたいと考えています。

 「パッシブデザインには 日射のコントロール が不可欠です。」
シミュレーションを活用し、どのように 日射取得を最適化 しているのか、詳しく解説しています。
▶ 日当たりをシミュレーションする

相談、お問い合わせはお気軽にどうぞ。

オンラインでの打合せも可能です。

お問合せはこちらです。

 

 

 

 

 

 

 

日当たりをシミュレーションする

パッシブデザインに欠かせない日射の検討

今日は4月2日。年度初めですね。今日はとても風が強かったです。桜は満開ですが強風に耐えてます。
コロナウイルスのニュースがいやでも飛び込んできます。色々不安なことが多いと思いますが自分でコントロールできることに集中して日々過ごしています。

私はリラックスするためにヨガを日課としています。ヨガを習い始めてから3年くらい、太陽礼拝を毎朝の日課としています。太陽礼拝を簡単に説明するとヨガのラジオ体操みたいなものなんですが毎日やることでその日の体調変化にも気づきやすくなったりします。

来年はコロナウイルスもきっと収束して、どんなことを書いているのでしょうね。

そんな中でも粛々と設計を進めています。今回は、シミュレーションソフトを使ったパッシブデザインに最も重要な、日射取得の検討についてお伝えします。

敷地状況を把握する

敷地の形状を地図で確認しました。

南北方向のずれが少なく、日射取得の条件条件は良好です。パッシブ設計では日当たり条件は重要なポイントの一つであり、建物が南面に正対するほど有利になります。

しかし、今回の敷地では、すべてが理想的というわけではありません。

現地調査の結果、次のような状況が判明しました。

  • 北面・西面 :道路に接している
  • 南面・東面 :宅地に囲まれている

市街地ということもあり、既存の建物が敷地に接近して建てられており、一見して隣地からの日陰の影響を強く受けることが判明しました。西側には6メートルの道路がありますが、驚きの結果が待っていました…。

更地の敷地をシミュレーションする

配置計画の前にやるべきこと

まず、現地で周辺の隣接敷地を調査し、隣接建物の配置や高さを計測しました。そのデータを基に隣地建物を配置し、建物の影響を検討します。

しかし、いきなり建物を設計するのではなく、更地の状態 でまずシミュレーションを行い、隣地建物の日陰の影響 を把握することが重要です。

このシミュレーションをもとに、隣接建物の日陰を考慮しながら、建物の配置計画を進めます。
「ここしかない」という配置計画を見極め、自然に素直な設計を目指す。
これが、パッシブデザインにおける重要なステップです。

シミュレーション結果:冬至での検討

基本案が決まったら、次に 冬至(太陽高度が最も低い日) でのシミュレーションを実施します

11:00頃

11:00を過ぎると、南西の角に日が当たり始めますが、1階の南面にはまだ日射がほとんど当たっていません。北側建物からの日陰の影響が大きく出ています。

 

 

 

14:00頃


14時になると、ようやく南面全体が日射を受けます。しかし、今度は南西の建物からの日陰が建物に影響を与え始めています。

 

 

15:00頃

15時には、南西の建物からの日陰の影響で、1階の南面には全く日射が届かなくなります。

 

 

 

 

日陰は予想しないところから現れる

シミュレーションを行う前は、北側建物の日陰が通り過ぎた後、11時過ぎには日射を邪魔するものはないと想定していました。しかし驚いたことに、西側道路を挟んで南西にある建物から、予想を超える日陰が広がっていたのです。

「これは?シミュレーションソフトの間違いかな…」と思いましたが、現地で確認したところ、ほぼ同じ状況が確認できました。この経験から、シミュレーションソフトの精度を改めて実感しました。

想像だけでは予測しきれない影響が、建物の設計に大きく関わってくるのです。。

外皮性能だけでは快適な家はつくれない

パッシブ設計には日射のコントロールが不可欠

冒頭でも触れたように、パッシブ設計では日当たり条件が重要です。この条件を満たすためには、シミュレーションソフトを活用することが不可欠です。いくら外皮性能を向上させても、冬に日射を確保できなければ、暖かい家にはなりません。

もちろん、暖房設備をフル稼働すれば室温を一定に保てますが、それでは経済的に非効率です。

だからこそ、太陽からの日射を最大限に利用し、自然に素直な設計、つまりパッシブデザインが求められます。
このシミュレーションを通じて、パッシブデザインにおける日射のコントロールがいかに大切か を改めて感じました。

次回予告 & 関連記事

次回は、さらに詳しく シミュレーションを活用するポイント をご紹介します。

▶ シミュレーションで設計を最適化する方法
パッシブデザインを実現するためのシミュレーション活用について、さらに詳しく解説します。
日当たりをシミュレーションする 建物編