”換気と住宅にまつわるお話 ~パッシブハウス・ジャパンより

先日、コロナウィルスの感染拡大を受け、パッシブハウス・ジャパンより
”換気と住宅にまつわるお話”がFacebookに投稿されました。
ご覧になっていない方に向けて再掲させていただきます。※一部、見出しを付けています
とてもわかりやすい内容ですのでご覧いただければと思います。

20200307追記

パッシブハウス・ジャパンのHPにも掲載されています。

特別寄稿  ~住宅と換気にまつわるお話~

 

 

以下貼り付け
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住宅と換気にまつわるお話

非営利型一般社団法人パッシブハウス・ジャパン

森みわ・松尾和也・竹内昌義

2020年3月4日

今回のコロナウィルスの感染拡大を受け、「住宅や建築空間の換気は十分なのか?」といった不安をお持ちの方が増えているように見受けられます。これまで住宅をはじめとする建築の換気設備について、あまり意識をした事が無い方が圧倒的多数だと思いますので、ここでパッシブハウス・ジャパンより、主に住宅を例として換気のしくみについて解説させて頂きます。

なぜ換気が必要なのか?

室内に人が滞在すると臭いが籠ったり、CO2濃度や湿度が上昇し、家具や建材からはホルムアルデヒドをはじめとするVOCが発生したりすることから、健康的な住環境を確保するため、日本では建築基準法により24時間換気設備の設置が義務付けられているのは皆さんもご存知かもしれません。

具体的には、1時間に建物内の気積の半分の空気の入れ替えが必要で(これを0.5回/hと表します)、2時間に1回、建物内の全ての気積分の空気が入れ替わる計算となります。

換気のしくみ 日本の一般的住宅場合

日本の通常の住宅(一般的な既存建築、または施主が特に何もこだわらずに建てた新築)において、この要求を満たすための換気設備というのは基本、トイレや浴室の天井等に設けられた排気ファンと、それに対応する居室の壁に取り付けられた自然給気口と呼ばれる穴ぼこです。

匂いや湿気が発生するトイレや浴室から、排気ファンで空気を引っ張れば、自然と居室の穴ぼこから新鮮空気が入ってくるであろうという、希望的観測に基づくコンセプトと言えます(これを業界では三種換気と呼びます)。

この換気方式を成立させるためには、排気ファンで空気を引っ張った際、建物内が負圧状態になる事が条件になるのはお判り頂けるでしょうか?ストローに穴が空いていては、何時まで吸ってもジュースが口元まで上がってこないのと同じで、もし家じゅう隙間だらけで、高気密とは無縁な作りであったら、恐らく新鮮空気はトイレの窓の隙間等(よりによってそこにガラスルーバー窓?!)から入り込んで、トイレの臭いは取れたけれども居室の空気は入れ替わらないという現象が起きます。

日本の一般的住宅での換気の現状ー三種換気について

大半の気密性能が伴わない三種換気の住宅では、特に2階の自然給気口からは新鮮空気が入ってこないばかりか、場合によっては自然排気口になっている家もある程です。

更に冬期になると、居室の壁の穴ぼこから冷たい外気がスースーと入ってきて不快であるという事で、住まい手がこの穴ぼこを塞いでしまうケースが多発します。断熱性能の伴わない家を、一生懸命温めようとする結果、換気と暖房が両立しなくなり、住まい手は空気の質よりも、空気の暖かさを選択してしまいがちなのです。

「日本の伝統家屋はもともと隙間だらけで勝手に換気がなされ、大変理に叶っていた」という意見は、重要文化財級の伝統家屋のお話であり、現代の一般的な建築(即ち、相変わらず隙間だらけではあるものの耐震性能の向上により伝統家屋ほどスカスカでもない建築)においては、この勝手な換気は成立していないケースが大半と認識して頂くべきでしょう。

一種換気・二種換気って?

そもそも換気があまり機能していない現代の日本の家が、省エネルギー性や快適性向上の観点から近年、高気密高断熱化の傾向にあり、その過程で計画的な換気の重要性が理解され始めました。現在では熱交換技術の発達もあり、排気側だけでなく、給気側もファンで引っ張る“一種換気”というシステムも導入事例が増えています。

これらの建築では、施工後に実際の換気風量を測定し、各部屋に必要な給気量または排気量が確保されているかを確認する必要があり、ドイツのパッシブハウス認定でもこれが義務付けられています。

また、余談ですが医療施設などでは新鮮空気を給気側のファンで室内に押し込み、建物内を若干の加圧状態にする事によって、外部から埃などが入り込まないようにする“二種換気”なる方法も以前から採用されています。

三種換気のチェック方法

今皆さんがお住まいの住宅で、換気性能に関して不安がある方は、まず三種換気の場合、居室の自然給気口が塞がっていないかをチェックしてみてください。

排気ファンに繋がる吸い込み口にフィルター等が設けられている場合は、埃等で目詰まりしていないかもチェックします。

浴室やトイレ、廊下など、排気経路の窓が常に開いている、または床が隙間だらけだと、居室の自然給気口からは新鮮空気が入りませんので、注意が必要です。

それでもやはり気になる方は市販のCO2センサーを購入してみることで、人が滞在している部屋できちんと換気が出来ているかを確認することが出来ます。就寝中も寝室でCO2濃度が1000ppmを超えない状態が理想です(但し小さいお子さんと川の字で寝ている家庭ではCO2発生量が多すぎるため、1500ppmが妥当)。

一種換気のチェック方法

一種換気の住宅で、竣工時に換気風量チェックを行っていない場合は、今から測定の依頼をするのも不安解消に効果的でしょう。パッシブハウス・ジャパンでは風量調整レポートの書式を無償配布しておりますので、お問い合わせください。

今は暖房シーズンですので、これらの対策無しに、窓を常に開放する事は過剰換気(即ち過乾燥)のリスクと暖房用消費エネルギー増大の観点からあまりお勧め出来ません。

住宅の空調について

さて、換気の話は以上ですが、冷暖房期には室内を快適な温度に保つために、空調を行います(床暖房等の輻射暖房のケースはこれに当てはまりません)。

通常のルームエアコンの仕事は、室内の空気を加温もしくは冷却し、それをまた室内に放出するというもので、換気機能は一切ありません。ルームエアコンを一部屋に1台ずつ設置するような、日本の住宅で一般的なやり方では、その部屋の中の空気をぐるぐる回しているだけですが、床下エアコンやダクト式エアコンのように、1台のエアコンで住宅内の複数の部屋を暖めようとする設計では、複数の部屋の空気がぐるぐると回ります。

住宅の断熱性能が向上すると、そもそも1台のエアコンで家一軒が空調出来てしまうため、このような方式に移行していきます。

ビル空調のしくみ

また、ホテルやオフィスのような大型施設では、もともと断熱性能とは無関係に、ビル空調方式と言って複数の部屋から集めた空気を空調し、また複数の部屋に空気を再分配しています。

このやり方はダイヤモンドプリンセス号のようなクルーズ船に限った手法ではなく、非住宅建築ではごくごく一般的な手法なのです。この換気機能と空調機能は、全く異なる目的のために設計されており、目的が異なるため、換気に必要な空気の送風量と、空調に必要な空気の送風量とは、全く次元が異なります。

簡単に言うと、先ほど述べた0.5回/hの換気量に必要な空気の送風は、建物を空調する(例えば冬は室温20℃以上、夏は25℃以下等に維持する)ために必要な空気の送風量よりも圧倒的に少なく、その差は、建物の断熱気密性能の低下によってどんどん大きくなります。

その結果、もしもビル空調方式で、換気と空調という二つの機能を融合し、同じ送風ファンで供給する設計とする場合、そのシステムが扱う送風量の、恐らく3割が換気用の新鮮空気、残りの7割は空調用にぐるぐる循環する空気、という事になります。

これを言い換えると、必要換気量の3倍の量の空気を空調機に通すという意味です。この空調用にぐるぐる循環する空気の経路に、ウィルス等を除去する電気的なフィルター等を取り付けている事例もまれに見かけますが、まだまだ一般的ではありません。

パッシブハウスの空調のしくみ

一方、換気風量のみで空調するという一見無謀なテーマに20年間以上前から取り組んでいるのがドイツ発祥のパッシブハウスです。

これはもともとウィルス感染対策が目的ではなく、純粋に健康的で省エネルギーな建築を追い求めていった結果、断熱気密性能の担保に加え、風や太陽といった自然エネルギーを活用する、いわゆる“パッシブデザイン”を駆使することで、冷暖房需要を極限まで減らせることに着目し、換気装置に補助熱源が取り付けられたという経緯でした。

パッシブハウス性能にまで至らなくても、近年の国内の高性能住宅では、必要換気量の1.5~2倍の空気の送風量で全館を空調出来る状態にはなりつつあります。建物の断熱気密性能が向上すると、これまでよりも少ない循環風量で設定室温に達する事が出来るということです。

まとめ 

繰り返しになりますが、気密性能の伴わない建物では、従来型の三種換気であっても必要な換気量を確保できていないこと、冷暖房期に空調用の空気が建物内を循環する割合は、建物の断熱気密性能が不足する場合程大きくなる事を皆さんにご理解頂きたいと思います。

最後に コロナウイルスへの対策として

また今回のコロナウィルス感染への対策として、換気量に意識が向きがちですが、換気回数を上げるとその分室内の水分量は減り、暖房期には室内が過乾燥に陥る傾向もあるので十分注意が必要です。感染予防には過乾燥は禁物だからです。

免疫力の低下によりウィルスに感染しやすくなっては本末転倒です。是非とも適切な換気量且つ十分暖かい家の中で過ごし、生活習慣の見直しで体温を上げる工夫も取り入れながら、皆さんの免疫力を高めて頂きますようお願いいたします。

また、宅内での飛沫や接触による感染の予防のため、手洗いとうがいの習慣もお忘れなく!!

そして体調がすぐれない時は無理をせず、休息を取りましょう。それが皆さんのご家族や周りの人に迷惑を掛けないためにも一番重要な事かも知れません・・。

非営利型一般社団法人パッシブハウス・ジャパン

森みわ・松尾和也・竹内昌義

こんな時こそ慌てない

突然の長い春休みがはじまりました。

我が家は、長男(高3)、次男(高1)ですからまだ楽です。

我が家は共働きだったので、小学校の低学年のお子さんのいる家庭は大変な事が想像できます。

長男の卒業式が生徒だけになって淋しいくらいですかね。

次男は学校でiPadを使っているので教材はそちらから。連絡はGmail等を使いこなしている様子。

お昼は外食だと大変なので子ども達と簡単に調理する予定です。

料理のYouTubeを探してもらって何か作ってもらいます。

男でも料理して欲しいので良い機会と考えなおして楽しみます。

 

現在、コロナウイルスの影響で建材類が発注を受け付けていないので、まったく見通しがつかないので、ビルダーさん達も苦労している様子。

夏前後に着工予定の物件があるのですが、どのようになるのか全く見通しがつかず様子見の状況です。

関係諸氏とは個々に御連絡をとっておりますが、何か不安点がありましたらご連絡頂ければと思います。

設計の仕事はかえって捗っております!

 

打合せはzoom等を積極的に取り入れている方が多いので、特に問題なしです。

どうしてもの対面打合せの時は出かけますが、その時はマスクをして出かけます!

今後はzoom等が最低限のスキルになりそうですね。

 

前回の投稿は軽井沢出かけた話。旅の途中こんな温気な旅はしばらく無いかな? と思っていたのですがまさか現実になってしまうとは。

色々と大変な時期ですが、慌てずできる事に集中して生きましょう!

 

建物探訪 森のカフェ 軽井沢南ヶ丘 

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先日、森のカフェ 軽井沢南ヶ丘に建物探訪してきました。今年は暖冬ですが丁度寒冷前線の影響で軽井沢は―5℃との事前情報。パッシブハウスを体験するにはちょうど良いタイミング。

ただの見学ではなく、寒冷地でのパッシブハウスの室内環境を実際に体験しながら、宿谷先生の講義を受けるという贅沢なツアー。厳冬期の住まいの暖かさを、理論だけでなく肌で感じながら学び直す機会となりました。

森のカフェ 軽井沢南ヶ丘はパッシブ認定を受けた本物のパッシブハウス。設計者はオーナーで、建築士の菊池さん。建物の性能はパッシブ認定で証明済み。それに加え、ディテールはもちらん、インテリアの分野でも活躍されているだけあり色彩のコーディネートが素晴らしい。

リビングの一面がドーンと本棚になっているのですが、一部が窓になっており目線が抜けて外の景色が見えるせいか、圧迫間が無い印象。事前に写真で拝見してたよりも軽やかに感じます。

外観はいたってシンプルですが、隣地との関係や、軽井沢独特の斜線規制等、クリアするべきことが沢山あり苦労されたそうです。

パッシブ認定を受けるにあたり、そのためのディテールも。

引き算されたシンプルな形ほどデザインに時間が必要な事はすべて一緒だなー とフムフムひとりで納得。

エクセルギーの視点で考える住まいの快適さ

宿谷先生の講義では、寒冷地での住まいの暖かさをエクセルギーの視点で解説。数値的な性能だけでなく、私たちがどのように温かさを感じるのかという「体感」も重要であることを改めて学びました。

「包まれるような温かさ」──これは、菊池さんご夫妻が外出から帰宅したときに感じるものだそうです。それこそが、まさにエクセルギー的な暖かさ。宿谷先生は、この体験こそが重要だと話していました。

この勉強会は室内環境をシミュレーションソフトで結果を求めるだけで終りにせず、壁の中でどのような現象が起きていて、私たちがどのように受け取っているかを勉強しています。数値だけでなく人が感じる感覚を大切にする学びは新鮮。今までの知識をアンラーンしているような学びがありますがとても楽しい講義です。

美味しい食事と心地よい時間

そして菊池さんのご主人が腕を振るうランチで心とお腹に栄養補給。いまはカフェの営業はお休みしているそうですが、特別に。

サンドイッチのパンをトーストの違いで楽しませてもらったりと心配りを感じます。コーヒーも丁寧な淹れたてで美味しかったです。豆はなんだったのかな?勉強で余裕が無くて聴き忘れてしまいました。

お勧めはホットワイン。ぶどうジュースがベースで、ノンアルコールでも甘すぎず満足。軽井沢までクルマで来ても、ドライバーも楽しめると思いますので是非!

また学びの旅へ

皆で記念撮影。画像は菊池さんからお借りしました。

会に誘ってくれたのはPHJの仲間「これすま=これからの住まい」の丸山さん。設計者だけの勉強会も楽しいですね。

毎日PCの前なので、気分転換と勉強ができて楽しかった。またどこかに行きましょう!

最後に、菊池さんご夫妻には、貴重な場を提供していただき、心から感謝しています。ありがとうございました。



2025年更新:宿谷先生のエクセルギー講座に再び参加しました。
そこで学んだ新しい知見や考え方をまとめています。
最新のエクセルギー講座についてはこちら

2020年 明けましておめでとうございます。

新年

明けましておめでとうございます。

事務所は1月6日(月)より始業しています。

本年も「自然の力」を理解し活かした家づくり、建築に関わって生きたいと考えています。

2020年もどうぞよろしくお願いいたします。

太陽光パネルを設置されている方へ注意喚起

消費者庁事故調査室から、「住宅の屋根載せ太陽光発電の不適切な設置による火災について」注意喚起が出ています。

太陽光パネルを原因とした事故原報告書の概要も発表されています。

こちらが報告書の概要になります。

報告書によると火災の発火原因は太陽光パネルまたはケーブルとされています。

 

施工業者さんが対応してくださると思います。

何らかの原因で対応ができなないときは、パネルメーカーを確認して、メーカーに問い合わせをする事をお勧めします。

 

エコテクノルーフさんからは安全安心を確認したとの報告書が発表されています。

テクノルーフから事故は発生していないとのことです。

 

 

 

 

やっとお会いできました

省エネ塾のプレセミナーに参加しました。

講師の堤さんとはFBではつながっていましたが今回初めてお会いできるのでそれも楽しみです。

省エネ塾は初心者向けの断熱講習と言うことでしたが、住宅をなぜ断熱するかという本質を伝えようとするセミナーでした。

 

冒頭スライドがセバン・スズキ、リオの伝説のスピーチ。

https://www.youtube.com/watch?v=N0GsScywvx0

その後も数式や計算式を使わないで、温熱に対する新しい概念を増やすことを考えていらっしゃったように思います。

 

「How」ではなく「Why」で問いかける内容でした。

何か新しい事を始める時、先に走っている人の所へ行ってどうするのか聞いてみる。

どのやり方で、どのようにすればいいのか「How」を積みあげる。

なんとなくできる様になるけど継ぎ接ぎだらけ。

理屈を知らないと積み木はまっすぐに積みあがらない。

やっとここで、なぜそうなるのか、なぜそうするのか、大切な「Why」に気がつく。

自分で問いかけをしてみて、やっと考え方や目標が定まってくる。

理屈がわかれば積み木は高く積みあがる。

 

なんて事を考えて、自分の積み上げたガタガタの積み木に唖然としたりするわけです。

 

ワタシもセミナーを聞いて私も伝え方を再考。

住まい手さんに「なぜ断熱をするのか?」を説明する時、数値に頼って「説得」しているんですね。

ですが住まいの暑さ寒さに対する「実感・体感」を温熱環境の理屈と結びつけることができればもう少し腹落ちして「納得」してもらうことができるのかなと考えてみたり。

 

講師の堤さん。FBではつながっていましたがやっとお会いできました。

冒頭からバプコメで熱くなり、セミナーがどっかに行ってしまいそうでしたが、無事軌道修正。

FBでお見かけした通りの熱き実務者でした!

 

本日1/17は阪神淡路大震災から24年。

震災で、お亡くなりになられた方々にご冥福をお祈りしますと共にご遺族の方々に心よりお悔やみ申し上げす。

改めて震災時の被害をできるだけ軽減していくことができればと考えております。

 

2019年 本年もよろしくお願いいたします

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あけましておめでとうございます。

とっくに明けておりますが、こちらの更新を忘れておりました。。。

今年は年が明けると鎮守神社、皇産霊(みむすび)神社に参拝してきました。
近所の仲の良い家族とお神酒をいただきながらの初詣です。

年末、工barでいただいた宝くじの結果は ”今年も一生懸命働け” とのこと。。。

イノシシですから色々な物を掘り起こして泥まみれになるのは避けたいところですが神様のみが知るところでしょうか。

平成が終わって新年号に変わったり、消費税の値上げが決まったりと慌しい年になりそうです。

そんな慌しい一年ですが今年は「実力をつける」ように努力していきます。

昨年はエコハウス大賞にて奨励賞をいただきましたが、評価が先行してしまったように思っています。

今年は評価に見合った実力をつけるように取り組んで生きたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

ブロック塀の改修:安全と景観を両立させた選択

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ブロック塀への不安とご相談

2018年夏、自宅のブロック塀に対する不安を抱えた住まい手様から「どうにかなりませんか?」とのご相談がありました。特に小学校の通学路に面しており、塀の高さが1.8メートルほどある部分が心配だとのこと。また、ヒビが目立ち始めていたため、気になる部分が増えてきたとのことでした。

大阪の事故をきっかけに塀の安全性を見直す

2018年6月、大阪で発生したブロック塀の事故をきっかけに、住まい手様もご自身の塀について気になり始めたとのことです。

改修プランの検討

擁壁とブロック塀の現状

改修前

この塀は道路に3方向面しており、土地に高低差がありました。大谷石の土留めの上にコンクリートブロックが積まれており、古い開発地ならではの2段擁壁(ようへき)の形状をしていました。です。この地区は古い開発地で、残念ながら大谷石+コンクリートブロック2段擁壁が多いのです。

予算に合わせた提案と軽いフェンスの選択

改修前

完全な安全を目指すにはRC造(鉄筋コンクリート)で塀を作り直すことが理想ですが、予算の関係で現実的な選択肢を模索しました。上部3段をカットして軽いフェンスに変更する提案や、板塀や補助金の出る生垣の提案もしましたが、結果としてネットフェンスを選ばれました。

フェンスと生垣で庭の魅力を引き出す

モッコウバラ、ピラカンサの生垣になるのが楽しみです

住まい手様は樹木の手入れが好きな方で、ネットフェンスにモッコウバラを絡ませることで生垣にするのが楽しみとのことでした。

ピラカンサの日のあたらなかった部分も芽が出て生垣になります。

明るい日陰でリュウノヒゲしか定着しなかった花壇も、日当たりが良くなるので花を植えることできるので楽しみとの事でした。これにより庭の景観が一層豊かになり、ピラカンサの生垣も育つことで、外観が明るくなります。

 

改修後の効果

マキが根元から見えると雰囲気よし

庭の見通しと景観の改善
ネットフェンスに変更したことで、庭の樹木が通りから見えるようになり、庭の雰囲気が良くなりました。やはり庭、樹木は雰囲気をつくるのに需要ですね。

また、道路の角からの見通しが良くなったことで、運転がしやすくなり、ご近所からも好評でした。

工務店の経験とコスト削減
施工を担当した工務店は、2018年に同様の工事をいくつか経験しており、ブロック解体技術が向上したことで、見積もりよりも安価で工事を完了できました。

 外構工事と庭づくりの重要性

街並みを変える外構の工夫

日経アーキテクチャ2018 12-27 p10.11

ブロック塀の改修工事は、安全性が第一です。建築の専門誌、日経アーキテクチュアでも2018年の10大ニュース第3位はブロック塀の倒壊事故でした。

そして上手に工事をすれば、街並みの雰囲気も変えることができます。庭をすべてコンクリート土間にしてしまった住まいも見かけますが、個人的には殺伐とした雰囲気を感じます。夏の照り返しもきついですしね。やはり造園工事は大切。樹木1本で全体の雰囲気が和らぎます。外構工事はアイデア次第で、住まいの魅力を引き立てることが可能です。

今年も1年間お世話になりました。

2018年も今日で最後の日になりました。

今年も多くの方にお世話になり、ありがとうございます。

年末に出会った猿回し。
おサルさんは神様の遣いで願いを神様にとどけてくれるそうです。縁起ものだそうです。
まだまだ知らない事が沢山あるな、とあらためて思います。

 

建築設計においても新しいことや知らないことがまだまだ沢山あり、常に勉強の連続ですが知らないことを恐れずにいたいです。

来年はblogの更新をもう少し増やしていきたいと思います。

それでは皆さんも良い年をお迎えください。

来年もどうかよろしくお願いします。

 

 

エコハウスが当たり前になるように

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日本エコハウス大賞、公開審査に参加してきました。

今回、リノベーション部門で奨励賞を頂いていたので最前列の席を確保していただきました!奨励賞はプレゼンテーションも表彰式も無いので、大賞候補者のプレゼンテーションを緊張すること無く応援することができました。

大賞候補4作品はエコハウスの定型とは外れた個性的な作品ぞろい。建物性能は十分に確保されていて当然で、+αを提案している住まいでした。大賞以外の住まいについても見所が沢山あり、受賞者の方々と意見交換することもできました。

審査員の方々の質問でも気づきがあり、ゲストで参加されていた建築家の堀部さんの感想が、ピリッとしていて。。。

今回、応募する機会に恵まれ良い経験になりました。色々気づく事が多かったですし、まだまだやることが沢山あります。受賞された方々は沢山の取り組みをされていると思います。限られた条件の中で、ベストな解決策を提案できるように今後もコツコツと前進していきたいと思います。

このエコハウス大賞の成り立ちは、2020年の性能表示義務化に向けて義務的に法律を守るだけで無く、エコハウスを通してさらに豊かな暮らしを提案していく目的で始まっています。

この流れが大きくなり、エコハウスが当たり前になり、豊かな暮らしの器としての住まいが増えていき、暮らしの中でもう少し幸せを感じることが増えると良いなと考えています。

今回の日本エコハウス大賞 受賞作品の掲載されたビルダーズはこちらです!

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