木造技術の進化と可能性 ~ ヘルマン・カウフマン氏の視点

240926 KHさん


先日、建築家ヘルマン・カウフマン氏(以下H.K氏)の講演会に参加してきました。
2018年にも同氏の講演を聴講しましたが、今回は6年ぶりの再講演です。(※2018年の講演記事はこちら

今回の講演テーマは以下の通りです。

「木造建築の未来 ~ 木造技術とモダン建築の融合:地域経済を拓く伝統と革新」

H.K氏の審美的な建築事例はもちろん魅力的でしたが、講演中に特に気になったいくつかのキーワードについて掘り下げてみたいと思います。

大工の仕事からスタート

H.K氏の講演では、フォアベルク州で主流となっている「住戸ユニットタイプ(3Dボリューム)のプレファブ建築」が紹介されました。このシステムは、大工の負担を軽減するだけでなく、若い世代の大工が仕事に就くきっかけにもなっているとのことです。工場内の環境は、デザイン性が高く、洗練された働きやすい場の印象を受けました。また、フォアベルクでは、住戸ユニットの陸上運搬も日本より大きなサイズが可能であるという点も興味深いです。

ちなみに、日本で運搬可能なサイズについては、ワンルームタイプの短辺がプランニングに影響を与えることが考えられます。
※日本で運搬可能なサイズ(道路交通法の制限内)
短辺:2,400mm
長辺:5,400mm(4トンユニック積載)、7,200mm(10トンユニック積載)
高さ:約2,700mm

日本ではどうだろうと考えた際、思い浮かぶのは千葉のウッドステーションやモックさんの千葉工場です。現在、日本では2Dボリューム(大型パネル)が主流で、モックの工場でも大型パネルを製作しています。

私自身も大型パネルを導入した経験がありますが※FB投稿です、建方の際に大工さんの重労働が軽減されるだけでなく、品質管理や工程管理がより正確になり、非常に良いシステムだと感じました。さらに、ウッドステーションやモックさんが導入しているシステム全体は、フォアベルク州の技術水準に非常に近づいていると感じました。これは木材の品質管理に限らず、製造工程や作業環境、大工の負担軽減に至るまで、フォアベルク州で実践されている技術やプロセスに近いものが日本でも実現しつつあります。

2018年の講演当時、ウッドステーションやモックさんの技術はまだ存在していませんでした。

それが今、これらのシステムが現実となり、実際に稼働していることに深い感慨を覚えます。
未来の可能性として描かれていた技術が、数年の間にここまで着実に発展し、現実のものとなっている様子を目の当たりにすると、木造建築の進化のスピードと、その背景にある「伝統と革新」の力強さを改めて実感させられます。

私自身も、この進化の一端に触れ、大型パネル技術を採用できたことに、静かな喜びを感じています。時代の流れと共に、私たちの仕事も少しずつ進化し続けていることを実感し、これからも建築の可能性を広げていければと願っています。

また、フォアベルク州では混合林が主流で、モノカルチャー(トウヒの単一林)は伐採後に全伐になってしまうため、環境への影響が大きく、望ましくないとの話がありました。ただ、少し聞き取りが難しく、十分に消化できなかった部分もあり、少し残念です。

次回は、黒部パッシブタウンについての話を書いていきたいと思います。

続きはこちらです:厳しい規制の中で生まれる創造性:カウフマン建築が教えること

6月のニュースレター バウビオロギー講座受講中です

Baubio 新25の行動指針

2024年から始めた月の振返り、しばらく下書きのまま放置してしまいまして、月末の投稿です。こんにちは、Koukiです。

数か月前のお話、バウビオロギー講座のスクーリングに参加しました。現在は全講座の1/3まで受講している段階で、今後はオンラインにてスクーリング講座が開催されるようです。

日本バウビオロギー研究会の通信講座を受講しています。

日頃の活動として、PHJメンバーの設計した建物を見学したり、昨年はミライの住宅さん主催の住宅空調講座@埼玉に参加しています。当然ながら、高性能住宅では全館空調が多く、エアコンなどの機器を利用した考え方が主流になっています。

しかしながら、夏季の高温多湿の外気を取り入れて通風でどうにかしようという考えは今さらありませんが、一方で性能や効率に特化した設計や思想だけではバランスが悪いと考える機会も増えてきました。さらに、EMFA(日本電磁波協会)の2級測定士の試験でもバウビオロギーについて軽く触れていまして、そこからバウビオロギーへの興味が広がっていきました。

バウビオロギーを学び始めて分かったことは、その名が示す通り、建築・生命・論理を包括するビジョンと範囲の広さです。つまり、”ホリスティックに考え行動する”という目標のためには、幅広い知識が必要不可欠なのです。そのため、講座テキストも多岐にわたり、建築技術だけでなく、生態学、環境科学、心理学、さらには哲学的な要素まで含まれています。

バウビオロギーの考え方は、単に建物の性能や効率を追求するだけでなく、人間と自然環境との調和を重視します。言い換えれば、これまで学んできた高性能住宅の設計とは異なる視点を提供してくれたのです。例えば、自然素材の活用や室内の空気質、電磁波の影響など、従来の設計では見過ごされがちな要素にも注目します。

また、バウビオロギーは持続可能性にも重点を置いています。すなわち、エネルギー効率だけでなく、建材の生産から廃棄までのライフサイクル全体を考慮することで、真の意味での環境負荷の低減を目指しているのです。

まだまだ講座の半ばですが、今までの学びを通じて、私は設計者としての視野が大きく広がったと感じています。高性能住宅の技術的な側面と、バウビオロギーの全体論的なアプローチを融合させることで、より豊かで持続可能な住環境を創造できる可能性が見えてきました。

今後は、これらの新しい知見を自分の設計実践にどのように取り入れていくか、具体的な方法を模索していきたいと思います。同時に、クライアントにもこの新しいアプローチの価値を伝え、共に理想的な住まいづくりを進めていければと考えています。講座の終了までにしばらく時間が必要ですが、今後の受講がとても楽しみです。

バウビオロギーの学びは、私にとって単なる知識の獲得以上の意味を持ちました。それは、建築実務者としての責任と可能性を再認識する機会となったのです。

パッシブハウス認定と断熱性能の試行錯誤、北海道建築探訪 | 幸総合設計

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パッシブハウス認定に向けた挑戦

パッシブハウス認定を目指して、ヒートブリッジやインストールψの解析に取り組んでいます。これはパッシブ設計における重要な要素であり、特に日本の寒冷地での性能を左右するものです。

案件が保留となり多少の時間ができたため、この機会に解析をマスターしようと考えていましたが、先輩コンサルの経験を追体験しているようで、その道の険しさを実感しています。

解析の試行錯誤

ソフトの習熟には時間がかかるタイプなので、解析作業にも多くの試行錯誤がありました。肝心なポイントを見逃して最初からやり直すこともあり、時間だけが過ぎていく日も多々ありました。それでも、パッシブハウス認定に求められるヒートブリッジやインストールψの解析は非常に重要な要素なので、粘り強く取り組んでいきたいと思っています。ソフトの習熟に時間がかかるタイプなので、ソフトの習熟だけでも精一杯。肝となるポイントを見逃して最初からなんて事も数回。時間ばかりが過ぎていくなんて日が多かったです。


北海道での建築探訪と温熱環境の発見

2月の後半は家族と一緒に冬の北海道へ。旅の中盤には寒波に見舞われ、冬の北海道の厳しさを味わいましたが、それでも楽しい旅となりました。

家族との旅行でしたので、建築オタク旅とはなりませんでしたが、外気温がマイナスでも建物内は半袖でも過ごせるような暖かい北海道仕様ならでは 名物 ”おうちアイス” も経験!
愛車の95プラドで峠を越えながら、旧いクルマを大切に使い続けることの楽しさも感じつつ、ゴールデンレトリーバーのテンテンとも一緒に網走で氷点下の散歩を楽しみました。寒さの中でも堂々と歩くテンテンの姿は頼もしい限りです。

雪煙でバックドアが真っ白。さらに過酷な雪道に…
愛車の95プラドで峠を越えます。旧いクルマを大切に乗ってます。4輪駆動車でも緊張の峠越えでした。
-6でも平気なワンコと凍える私
網走の能取湖湖畔をゴールデンレトリーバーのテンテンとお散歩。氷点下5度でも平気そうでした。

北海道の建築と温熱環境に関する発見

以下は北海道での建築や温熱環境に関する印象的なポイントです:

・樹脂サッシとペアガラス:樹脂サッシのペアガラスが一般的で、トリプルガラスはあまり見かけませんでした。特にYKKの製品が多かったように感じます。

・リノベーション物件:樹脂サッシ+ペアガラスの二重サッシが多く、旧い木製引戸や単板ガラスと組み合わせ、レトロな雰囲気を残しながら断熱性能も上げているのが見事な演出。少し室温が下がるものの、適材適所と感じられる工夫がなされていました。

・賃貸アパート:賃貸でも樹脂サッシ+ペアガラスが標準で、FIX窓とすべり出し窓の組み合わせが多く見られました。バルコニーや引違いの掃き出し窓は無く、暖房はFF式ストーブ(灯油)が主流です。

・非住宅の施設:パネルコンベクター(コロナ製)が多く使用され、網走の旅館でもFF式ストーブが採用されていました。また、宿泊施設では夏用のエアコンが設置されているものの、冬は使用されていません。

・パネルヒーターの快適さ:湿度コントロールがどのように行われているかは不明ですが、パネルヒーターによる室内環境は非常に快適でした。

北海道の建築探訪は、関東とは異なる熱源やサッシの設計を見るだけで十分に興味深く、温熱環境の違いを実感しました。

北海道の建築と温熱環境に関する発見

実際に北海道を旅してみて、書籍や講座で聞いた設計手段や設備について、体感することで少しずつ腑に落ちてきた気がします。「百聞は一見に如かず」とはこのことでしょうか。

この経験をさらに深めるため、次回は「ミライの住宅さん」主催の北海道断熱修行の旅にも参加を検討しています。より深く北海道の断熱技術を学び、自身の設計に活かしていきたいと思います。

パッシブハウスジャパン全国大会2023:発表の舞台裏

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2023年11月16日に開催されたパッシブハウスジャパン全国大会2023で、実例報告として発表する機会をいただきました。壇上での発表は貴重な経験であり、今後同じような機会があるかどうかわからないため、特別な思い出となりました。

左から 池田組の池田さん 森代表 当日登壇したFabWorksの中さん 発表が終わって安堵する私

発表内容:NOIL新築工事の事例報告

発表では、現在進行中のプロジェクトNOIL新築工事についてご紹介しました。このプロジェクトは、ローエナジービルディング認定を目指す建築であり、私は解析チームの一員として、また池田組の池田さんは施工者代表として、二人で登壇しました。

発表当日の朝には、最新の現場写真への差し替えやDesignPHのリアル操作などもあり、緊張がピークに。しかし、出来栄えはともかく、無事に発表を終えることができました。

外部開口部の解析:高性能化への挑戦

このプロジェクトでは、外部開口部の性能と耐久性向上に力を入れました。

意匠設計→施工図作成→解析のフローを数回繰り返し、解析を重ねた結果、納得のいく仕様を実現しました。

外部開口部の解析では、Certified PH Consultantの高岡利香さんが多大な努力をしてくださいました。

また、外部開口部は山崎屋木工さんのキュレーショナー、木製サッシ+トリプルガラス仕様の高性能仕様となっています。ZEB認定の建物なのに、窓周辺に座ると何となく肌寒いということがあるのですが、本物件では快適に過ごすことが出来るはずです。

PHPPとDesignPHの活用

NOIL新築工事は非住宅の建物なのですがPHPP+DesingPHで性能を解析することが可能です。

DesignPHとは?

プレゼン中の画面に赤く塗られた建物が映っていましたが、これはDesingPHで解析した結果になります。赤く塗られた部分は断熱の外側になっていて、このデータをPHPPに読み込んで計算することができます。

PHPPのメリットと課題

PHPPは工法や建材を問わずに解析できる柔軟性が魅力です。悪い面は特に無いと思いますが、あえて言うならば国産ソフトと比較すると操作方法がアナログなことでしょうか。

厳しい環境下での現場進行状況

厳しい寒さと雪の中、また能登半島地震などありましたが、池田組さんの報告によると現場は着々と進行中とのこと。ホント、.雪国の方々の粘り強さには感服するばかりです。

厳しい環境下での現場進行状況

NOIL新築工事は、ローエナジービルディング(申請予定)を目指しており、工事の進行に合わせ、再解析等これから検討する要件が残っています。引き続きチームで力を合わせ、より良い結果を目指してコツコツと取り組んでいきたいと思います。

2024年を迎え~新年のご挨拶に代えて~

元旦に発生致しました「令和6年能登半島地震」でお亡くなりになられた皆様に、先ずは被害に合われた皆様には謹んでお見舞いを申し上げます。

年明けから石川地震や日航機炎上事故のニュースが続き、お正月気分どころでは無かった方も多かったのではと思います

地震は自然災害の一つではありますが、台風のように事前対策がとれるような時間が無く、前触れ無しで突然襲いかかってきます。ですから備えは平時の時から備えていなくてはなりません。

対策としては建物の「耐震化」になりますが、新築建物と既存改修工事ではそれぞれの方法がありますが「構造計算」が必要となります。

また昭和56年以前の建物の耐震性はそれ以降の建物に比べて耐震性が低いと言われています。56年以降の建物が安全かと言えば、「4号特例問題」等があり、「構造計算」を行い安全性を確認するということがほとんど行われていない悲しい事実もあります。

地震による被災は予想ができません。ですが事前に検証をして対策することはできます。既存建物の「耐震化」も可能です。

数年前、富山の現場に通った時期があるのですが、黒瓦葺の屋根の建物が多く、建物のプロポーションも千葉の民家と違って洗練されていて、美しい街並みが印象的でした。

しばらくは現地からの速報を見守り、しかるべき時期に支援等の協力ができればと考えています。

2024年も大激動が予想されていますが、本年もよろしくお願いいたします。

年末年始の休業日のお知らせ

YouTubeから歴史を振り返ってみる

当社の業務は本日迄となりました。本年は大変お世話になりました。

2022年12月28日(水)より2023年1月8日(日)まで、年末年始休業とさせていただきます。 

今年もblogの更新など、情報発信が少なかったのが反省点。来年こそはと考えています。

賛助会員として参加しているパッシブハウスジャパンもYouTubeにて情報発信をしています。

パッシブハウス・ジャパンYouTubeチャンネル

私もYouTubeチャンネルを登録しているのですが、YouTubeの仕様が変わったのか、最近になって過去のパッシブハウスについての動画があがってきます。

私は高断熱高気密に目覚めたのが遅く、過去のパッシブハウスの取り組みを詳しく知りませんでした。過去の動画があがってくることで、歴史を知ることができてとても参考になります。

忘備録を兼ねてリンクを紹介したいとおもいます。お時間のある時にでも是非ご覧になってください!

来年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

パッシブハウス

パッシブハウス(PassiveHouse)特集_TVK

日本での電磁波のリスクについて:見えない健康リスクと対策 

EMFA 脱電磁波宣言

猛暑日が続き、久しぶりの恵みの雨だと喜んでいたのも束の間、線状降水帯による豪雨被害が発生しました。被害にあわれた皆様にはお見舞い申し上げます。

梅雨入り前に、不思議と電磁波に関する問い合わせが続きました。

「送電線の近くに住んでいるけど、電磁波について知りたい」「目の前に電線が走っているけど大丈夫?」といった、すでに生活している環境についてのご相談です。これをきっかけに、電磁波に対する関心が高まりました。

電磁波については、以前参加したパッシブハウスジャパン(PHJ)のセミナーで知識を得た程度でした。しかし、この機会にもっと深く学ぼうと考え、日本電磁波協会の2級電磁波測定士の資格を取得することにしました。

電磁波のリスクと日本での現状

日本では、電磁波の健康リスクは明確にされておらず、基準も存在しません。しかし、住宅内では多くの電気機器を使用しており、その数だけ電磁波が発生しているのは確実です。健康への影響も考慮するべきかもしれません。

住宅内での電磁波対策

建物内のすべての電磁波を完全に防ぐことは難しいですが、特に長時間過ごす場所、寝室では対策を行うことが基本方針です。多くの電磁波グッズはシールド対策を取っていますが、実際に測定してアーシング対策を行うほうが納得感があり、説明もしやすいと感じました。

簡単な電磁波対策

以下は、日常でできる簡単な電磁波対策の例です:

  • 睡眠時、スマホを充電しながら枕元に置かない。可能であれば別室に置き、少なくとも60cm以上離しましょう。
  • スマホでの通話は、耳元で使わずにスピーカーやマイクを活用する。
  • 長時間のPC使用時は、できれば電磁波対策を行い、アーシングを取り入れるのが良い。
  • IHコンロは、意外に電磁波が強くない。
  • 電子レンジは、使用中に覗かなければ問題ない。

これらの対策を知ったからには、今後の設計でも少しずつ反映していくつもりです。例えば、アース付きコンセントを対応する際の費用差額もそれほど大きくはないでしょう。

2級電磁波測定士の資格では電磁波の測定はできませんが、1級電磁波測定士に相談を繋ぐことが可能です。ご興味のある方は、ぜひご相談ください。

千葉を拠点に、電磁波測定士と建築士が提案する健康住宅。
EMFA(一社 日本電磁波協会)所属の2級電磁波測定士が、寝室やリビングの電磁波リスクを科学的に検討し、アーシング対応を活用した住環境改善をお手伝いします。
詳しくは以下をご覧ください。
HPリンク→ 千葉の電磁波測定士+建築士が提案する住まいの健康づくり

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仕事始めの前に美術館へ

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新年が開けてから2週間も経ってしまいました。この調子でこの1年もアッと言うまに過ぎてしまいそうです。

仕事始めの前に久しぶりに川村美術館へ。ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960–70年代美術を見てきました。川村美術館へは車で30分ほど。庭園も綺麗で気分転換にもなるので好きな場所です。

生憎、この日は関東に大雪警報が発令された日。出かける時から雪が降り始めていて美術館に到着した時は薄っすら雪が積もり始めてました。おお、ミニマル・アートを鑑賞するにはモノクロの景色が美しいではないか!とのんきに喜んでいたのですが、なんと入館してから1時間で臨時閉館になってしまいました。

常設展をパスして企画展から見学し始めたのですが流石に時間が足りません。その短い時間でもカール・アンドレの作品『雲と結晶』は貴重な体験。ピンコロ石くらいのサイズの鉛の立法体を整列させて立方体をつくり、対比として同数の立方体を散らばしている作品です(川村美術館のチラシを参照してください)観かたによっては美術館の広いフロアに鉛の立方体を並べているだけなのですが、散らばった物体と整列した物体の間を行き来して作品の間を歩いていると不思議な感覚が呼び起されます。ミニマルアートは観ることで「イメージ」を呼び起こすのではなくて、その場に身体をおくことで「感覚」を知覚させるものと覚えています。何事もそうですが現地に足を運んで体験することでしか解からない事がたくさんあるもの。短い時間でしたが カール・アンドレ の展示空間を体感できてだけでも良かったと思います。また、この展覧会は巡回展なので他の美術館ではどのようになっているのか興味があります。

美術館の外にでてみると真っ白の雪景色。佐倉は千葉県内では気温が低い地域なので早めの休館は正解だったと思います。帰路も雪に馴れない車ですでに渋滞気味でした。

帰ってからもお楽しみは続きます。カタログはミニマル/コンセプチュアルらしいシンプルな装丁。 全作品の解説がありそうな充実した内容で読むのに一苦労しそう。きっと時間がたくさんあっても理解できなかっただろうな。

改めて川村美術館のWEBサイトを眺めているとSpotifyプレイリストで「ミニマル・ミュージック」が紹介されていました(選曲はトクマルシューゴさん)。知らない曲も沢山ありで、お気にいりのプレイリストが加わりました。美術館も鑑賞するだけではなくて伝えるために様々な工夫をして進化してるんだなぁ。学芸員さんすごいな、見習って頑張ろう。

美術館から始まった一年。良い仕事ができるように取り組んでいきたいと思います。改めてよろしくお願いいたします

高性能を体感するには真冬が一番!パッシブハウスオープンウィークス2022

2022年も2週間が過ぎようとしていますが本年もよろしくお願いいたします。

PHJのメンバーがパッシブハウスを体験できるイベントを企画しています。

『パッシブハウスオープンウィークス 2022』

竣工時に行われるオープンハウスとことなり、このイベントのためにパッシブハウスを建てたオーナーさんが暮らされている住まいを提供してくれるそうなので、パッシブハウスの性能を体感できるはずです。性能を体感するには真冬が一番!と企画されたイベントです。寒い冬こそ日射取得した熱が建物内に残っていることを体感できると思います。

私もパッシブハウスを初めて体験した時は”えっ?こんなに静かで温かいの?”と驚いたことを記憶しています。足裏からも暖かさを感じ、”床暖房ですか”なんてとんでもない質問もしてました。私はパッシブハウスを設計する機会が無く参加物件がありませんが、家づくりを考えているならば是非参加を!

※追記 イベントの詳細が発表されました。オミクロンの影響により参加物件が少なくなってしまったようですが気になるようでしたら参加してみてください。

『PASSHIVEHOUSE OPEN WEEKS』開催のご案内

これまで毎年、11月に開催しておりました国際パッシブハウス・オープンデー、昨年もコロナ禍の中、残念ながら参加を見送りました。生活者や建築従事者が、パッシブハウスを体感できる機会が少ない中、開催を望む声を受けて、日本国内のパッシブハウス・レベルの建物が、 一同に見学会を行うPHJ主催「PASSHIVEHOUSE OPEN WEEKS」を企画致しました!!

パッシブハウスオープンウィークス2022

年末年始の休業日のお知らせ

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本年は大変お世話になりました。 
 
(有)幸総合設計は、2021年12月29日(水)より2021年1月6日(木)まで、年末年始休業とさせていただきます。 
 
今年も新型コロナウイルスの影響を受けて活動に様々な影響を受けた一年でした。
残念ながら「withコロナ」の状況はしばらく続きそうですができることを続けていきたいと思います。

そんな中でPHJ10周年記念誌が届きました。
コロナウイルスの影響で記念大会を開催することができないのでこちらの記念誌を作成したとのことです。
私たちは2018年の1月からパッシブハウス・ジャパンの賛助会員となっています。残念ながらパッシブハウスの実現はかなっていませんが、機会がありましたら是非チャレンジしたいと考えています。
年末年始は記念誌をじっくりと読んで過ごしたいと思います。
なおこちらの記念誌ですが、一般販売の予定がありません。もし気になるようでしたらお近くに賛助会員にお問合せください。

本年は満足のいく活動ができませんでした。
来年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。