ブロック塀の改修:安全と景観を両立させた選択

ブロック塀への不安とご相談

2018年夏、自宅のブロック塀に対する不安を抱えた住まい手様から「どうにかなりませんか?」とのご相談がありました。特に小学校の通学路に面しており、塀の高さが1.8メートルほどある部分が心配だとのこと。また、ヒビが目立ち始めていたため、気になる部分が増えてきたとのことでした。

大阪の事故をきっかけに塀の安全性を見直す

2018年6月、大阪で発生したブロック塀の事故をきっかけに、住まい手様もご自身の塀について気になり始めたとのことです。

改修プランの検討

擁壁とブロック塀の現状

改修前

この塀は道路に3方向面しており、土地に高低差がありました。大谷石の土留めの上にコンクリートブロックが積まれており、古い開発地ならではの2段擁壁(ようへき)の形状をしていました。です。この地区は古い開発地で、残念ながら大谷石+コンクリートブロック2段擁壁が多いのです。

予算に合わせた提案と軽いフェンスの選択

改修前

完全な安全を目指すにはRC造(鉄筋コンクリート)で塀を作り直すことが理想ですが、予算の関係で現実的な選択肢を模索しました。上部3段をカットして軽いフェンスに変更する提案や、板塀や補助金の出る生垣の提案もしましたが、結果としてネットフェンスを選ばれました。

フェンスと生垣で庭の魅力を引き出す

モッコウバラ、ピラカンサの生垣になるのが楽しみです

住まい手様は樹木の手入れが好きな方で、ネットフェンスにモッコウバラを絡ませることで生垣にするのが楽しみとのことでした。

ピラカンサの日のあたらなかった部分も芽が出て生垣になります。

明るい日陰でリュウノヒゲしか定着しなかった花壇も、日当たりが良くなるので花を植えることできるので楽しみとの事でした。これにより庭の景観が一層豊かになり、ピラカンサの生垣も育つことで、外観が明るくなります。

 

改修後の効果

マキが根元から見えると雰囲気よし

庭の見通しと景観の改善
ネットフェンスに変更したことで、庭の樹木が通りから見えるようになり、庭の雰囲気が良くなりました。やはり庭、樹木は雰囲気をつくるのに需要ですね。

また、道路の角からの見通しが良くなったことで、運転がしやすくなり、ご近所からも好評でした。

工務店の経験とコスト削減
施工を担当した工務店は、2018年に同様の工事をいくつか経験しており、ブロック解体技術が向上したことで、見積もりよりも安価で工事を完了できました。

 外構工事と庭づくりの重要性

街並みを変える外構の工夫

日経アーキテクチャ2018 12-27 p10.11

ブロック塀の改修工事は、安全性が第一です。建築の専門誌、日経アーキテクチュアでも2018年の10大ニュース第3位はブロック塀の倒壊事故でした。

そして上手に工事をすれば、街並みの雰囲気も変えることができます。庭をすべてコンクリート土間にしてしまった住まいも見かけますが、個人的には殺伐とした雰囲気を感じます。夏の照り返しもきついですしね。やはり造園工事は大切。樹木1本で全体の雰囲気が和らぎます。外構工事はアイデア次第で、住まいの魅力を引き立てることが可能です。