木のスプーンを手づくりする STAY HOMEでENJOY HOME

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ゴールデンウィークに突入のハズが、STAY HOME週間の最初の週末。

幸いにも天気は良く、庭でのんびりするには最高の一日。

我が家も子どもたちと一緒に料理をしたりと、今までとは全く違った日常です。

自由な時間が増えてくると不思議なことに遊びが原始的になってきまして、久しぶりに子どもたちと一緒に工作、木のスプーンを手作りしてみました!

材料はヒノキの角材。

伐採したサクラの枝とか使うと綺麗で香りも良いのですが、ストックしていた伐採枝を処分してしまったんですよね。まさかこんな機会が来るなんて想像もしていませんでしたから。

使う道具も特別な物は無しです。ノコギリ、小刀、彫刻刀、ノミ、仕上げに紙やすりです。

ヒノキの角材に鉛筆でスプーンの形を書き込んで、あとは小刀とノミを使って削っていくだけ。

ノコギリやノミを使って時間短縮もしましたが、基本は小刀で削るのが楽しいです。

計画通りに進まないのは当然。

売っているスプーンのように左右対称にならないし、食べやすい形ってどんな形?と普段使っているスプーンを改めて観察したり。

私も子どもの手伝いをしながら一本仕上げることができました!

一日、木を削っていると、やっぱり無垢の木の良さを改めて感じます。

手触りの良さ、綺麗な木目を見ていると良いなと思います。

ですから、家づくりでも無垢の木を可能な範囲でおすすめしたくなります。

例えば床材。

建材メーカーのフローリング新築時は綺麗ですが時間がたつと劣化してしまったり、足触りがひんやりしたり。

一方、無垢の木を使った床材は新築時よりも経年変化で木目が美しくなってきます。無塗装やオイル仕上げを選べが足触りも気持ち良いです。

千葉はサンブスギが有名です。杉は傷もつきやすいけど、足触りは抜群で、夏は素足が気持ちいいです。

コロナウイルスによって、今までとは世の中が一転してしまいそうな予感がします。

STAY HOMEで家にいる時間が多くなってきます。家づくりの環境も変わってくると思います。

予算の関係もあると思いますが、無垢の木等、本物の素材を選んで、木目の美しさや肌触りを楽しめれば気持ちも安らぐのではないかと思います。

木のスプーンを削りながら無垢の木の良さをあらためて感じた一日でした。

スプーンの詳しい作り方など、質問ありましたら遠慮なく!

もちろん家づくりの相談もお待ちしております。

オンラインでの相談も可能です。

バタフライスツール60周年企画展:カタチの原点 柳宗理

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バタフライスツールが発表され、2016年で60周年とのこと。企画展も巡回で開催されています。

私もバラフライスツールが好きなので建物の撮影時にインテリアとして持ち込む事があります。ひと目みればバタフライスツールとわかるそのデザイン。

私はバタフライスツールをみると、鳥居や「天」の形を連想します。その連想の為か、なんとなく神々しいものを感じ、空間がバタフライスツールに負けてしまいそうです。押しが強いデザインともいえますね。

 

バタフライスツールの構造を考える

構造はとてもシンプル。2枚の成形合板を金具一本でつないでいるだけなのです。

この構造が無ければバタフライスツールが存在しない、ユニークなデザインと表裏一体になっているところが魅力的です。

バタフライスツールをながめていると、“一体、どうすればこんなデザインを発想できるのだろう?”と本当に不思議に思います。一般的なスツールの形、座面と脚の関係なんてどこにもありません。

 

手遊びから生まれたデザイン

60周年企画展ではバタフライスツールのアイディアの原点となった模型が置いてありました。

柳宗理さんも「こんなイスを作ろう」と言う考えからではなく、紙を切ったり、折ったり、曲げたりしているうちにバタフライスツールの形を発想したそうです。

たしかに紙一枚に折り目を一ヶ所いれるだけで紙が立つのですが、これを応用してバタフライスツールになるなんて驚きの発想です。

 

柳宗理 デザインへの姿勢:手を動かす大切さ

こんな発想も普段の柳宗理さんの仕事に向き合う姿勢から生まれたようです。

柳宗理さんのスタジオでは常に原寸のモックアップを作ってデザインの検討をしていたのとのことです。

頭の中でデザインを思い描くのでは無く、手を動かしてデザインを積み上げていく作業だったのでしょう。

私は仕事ではパソコンを使った作業が多く、作業に埋もれて目標を見失うことがありがちです。そんな時にはパソコンから離れ手を動かし、目標を再設定します。すると時には新しいアイディアを思いついたりします。手を動かすことはやはり大切なことです。

あらためて柳宗理さんのバラフライスツールのような、デザインと構造が表裏一体となった発想に憧れます。

建物の設計ではデザインと構造、さらに温熱環境が加わります。

その三要素が表裏一体となった設計を心がけ、バラフライスツールのような無駄の無い建物を提案できるようにこころがけていきます。

さんむの家改修工事 お引き渡しをしました

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さんむの家のお引渡しをしてから数ヶ月がたちました。

お施主さまが新しい建物での暮らしにもなじんでこられたようで、一安心をしています。

この記事の画像全て 撮影: 花澤一欽

さんむの家は築40年の住宅をリノベーションした住宅になります。

お施主様はいくつかの選択肢の中から、築40年の住宅をリノベーションすることを選択されました。

私達は、古い物を大切にして継承する価値観に共感し、設計監理をしてきました。

記憶も継承する

設計を始める前に、基本方針として古い部材を積極的に活用することを決めました。

そのためには、建物を新しい部材で覆い被せ新築のようにするのでは無く、古い部材、柱、梁を現しにする、また再利用して活かしたいと考えました。

そうすることにより物質的に家を継承するだけでは無く、新しい暮らしの中でも、古い部材を目にした時に、古い建物で起きたことを思い出し、記憶をも継承して行くことが出来ます。

さらに、デザイン的に古い部材を活用するだけでは無く、新しい技術も取りいれ、地震に強く、居心地の良い住宅を目指しています。

新旧交ざり合うような材料

新しく使用する材料については、月日を重ねることにより風合いが増すような材料を選んでいます。いわゆる天然素材、工業部材と呼ばれる材料です。

建物が5年、10年と月日を重ね、古い部材と今回修繕した部材が一緒に古びていき、区別が付かなくなる事を期待しています。

外観はさりげなく

建物の外観は大きな変化を加える事無く、軒の出、窓の大きさ等を微調整する程度にしています。

外壁はガルバリウム鋼板の小波板を貼ったのですが、ご近所様からは“ブリキ板を貼って大丈夫かい?”と聞かれたことがあるそうです。

一見、簡素な素材ですが耐候性に問題ありませんからご心配なくとお答えしました。

 

実は、建物正面から見ても気がつかないのですが、2階の屋根には太陽光発電パネルが載っています。

こちらの太陽光パネルは発電パネルでありながら屋根部材も兼ねているので見た目をスッキリ納めることができました。

お引き渡しをしてから数ヶ月たちましたがシミュレーション結果と同等の発電をしているようです。

発電量を示すモニターも解り易く、天気の良い日は発電していることを知らせてくれるモニターを見るのが楽しみとのことです。

建物の暑さ寒さについて

最後に、建物の温熱性能についてです。外皮性能はUa値 が0.57 実測C値が2.5です。

外皮性能については2020年の省エネ義務化基準が0.87ですから、それ以上、HEAT20 G1基準の 0.56手前の性能となります。

結果についてですが、今となってはもう少し頑張ることが出来たと考えています。

この建物は、平成27年度の住宅省エネリノベーション補助金を取得する事を前提としてスタートしました。

恥ずかしながら、当時の私は仕様規定を満足するだけで精一杯でした。現在は色々と勉強を重ねた結果、外皮性能については改善したい所があるのが正直なところです。

しかしながら、古い建物では電気ヒーターを使っていた水回りも1月現在では不必要とのこと。朝になっても夜の暖かさが残っているようです。

冷暖房はルームエアコンを使用していますが、古い建物と比較すると全室が暖かいとのことです。

まだまだ寒い日が続きますし、夏はまだ未体験ですが、色々と調整をして住みやすい環境、快適な暮らし方のお手伝いをして行きたいと思います。

施工に関しては(株)進和建築様に大変お世話になりました。新築とは違う、手間のかかる仕事を丁寧に工事していただきありがとうございました。

HPにも事例集としてアップしました。

建築事例集 さんむの家

建物探訪 大正時代の住宅リノベーション

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思い出を残したい

リフォームの依頼を受け設計する時、古い柱や梁を残し意図的に現しにすることが多いです。
古い物が大好きな性格もありますが、古い建物の思い出を残すことができるのがリフォームを選ぶ理由の一つだと考えるからです。
柱のホゾ穴等を新しい材料で埋め木する仕事は大工さんの腕次第になりますが、新品の美しさとは違ったものを感じます。
こう言った仕事があると知ったのも現場での経験からです。
特に建築の仕事を始めたばかりの時の経験は大きな影響を与えると言いますが私も同じなのかもと気がつきました。

建物探訪して思い出したこと

久しぶりに懐かしい建築を訪問することができました。
オーナーさんと知り合いになったご縁で、建築を始めた頃に勉強で通わせてもらった建物です。

大正時代の建物をリノベーションしている建物で間取りは大きく変更されています。

 

間取り変更に伴い柱を隠すことが出来たと思うのですが、あえて古い柱を丁寧に補修して現しでつかうことの美しさをこの現場で覚えたのだと思います。

竣工から10年以上、年月を重ねて埋め木をした新しい部材も良い風合いになってきています。

 

 

全てを新しくしない

新しい柱に差し変え、綺麗サッパリするのも一つの手段です。
ですが耐震性など、重要な柱でなければこのように思い出を引き継ぐのも良いものだと考えます。
この柱を加工した大工さんは既に引退されてしまったようです。
今後このような仕事ができる職人さんの数も減っていきますが、どうにか残していきたい手仕事の一つです。