本年は大変お世話になりました。
(有)幸総合設計は、2021年12月29日(水)より2021年1月6日(木)まで、年末年始休業とさせていただきます。
今年も新型コロナウイルスの影響を受けて活動に様々な影響を受けた一年でした。
残念ながら「withコロナ」の状況はしばらく続きそうですができることを続けていきたいと思います。
そんな中でPHJ10周年記念誌が届きました。
コロナウイルスの影響で記念大会を開催することができないのでこちらの記念誌を作成したとのことです。
私たちは2018年の1月からパッシブハウス・ジャパンの賛助会員となっています。残念ながらパッシブハウスの実現はかなっていませんが、機会がありましたら是非チャレンジしたいと考えています。
年末年始は記念誌をじっくりと読んで過ごしたいと思います。
なおこちらの記念誌ですが、一般販売の予定がありません。もし気になるようでしたらお近くに賛助会員にお問合せください。
本年は満足のいく活動ができませんでした。
来年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
PHJ支部大会開催中
私たちも賛助会員として参加しているパッシブハウスジャパンではこの時期、支部大会が開催されています。コロナウイルの感染状況を鑑みて、オンラインでの開催になっています。
各支部ごとに開催日をずらしているので、嬉しいことに全国の各支部大会に参加可能。実例発表では各支部の有名物件についてプレゼンを聞いたり、その後、グループ毎に分かれてのディスカッションもありで情報収集にと勉強になってます。リアル開催では全国各地を行脚する余裕はありませんから感謝です。
実例発表ではパッシブハウスや推奨エコハウスゾーンの建物を完成させるまでの様々な試行錯誤を直接聞ける機会は貴重。断熱材、木製サッシ、ガラス、空調、防蟻、リノベーション等の話題は多岐にわたります。
皆さん軽やかなプレゼンですが苦労されていることは想像に難くない。初めての建材や施工方法などもあり、情報のアップデートは必要だと改めて思います。本当に皆さん、勉強されているなというのが感想。
防蟻や床下エアコンの是非など、普段から疑問に思っていることを各方面から意見を交わせたので、次の実務に役立てそうです。
パッシブハウス認定は設計・施工の内容・建設コスト的にも難易度が高いことを改めて感じました。完成まで期間もそれなり必要になってきます。ですから建て主さまにも、それなりの覚悟が必要になると思います。当事務所ではパッシブハウス設計の実績はありませんが、実現できるような準備を心がげています
久しぶりの更新になってしまいましたが、今後ともよろしくお願いいたします。
パッシブハウス設計のためのDesignPHとSketchUp活用ガイド
1.Zoom勉強会でDesignPHの使用法を学ぶ
STAY HOME週間中、Passive House Japan(PHJ)のメンバー有志が主催するDesignPH勉強会に参加しました。私自身はDesignPHライセンス未所持ですが、導入を検討中のため見学させていただきました。
2. DesignPHとは?SketchUpでの3Dモデリングに便利なプラグイン
DesignPHはSketchUpプラグインとして使用するソフトです。SketchUp+ DesignPHを使うことでパッシブハウスの設計を3D上(SketchUp)でモデリングできます。モデルを作成した後、そのデータをPHPP(パッシブハウス設計用のエネルギーバランスソフト)にエクスポートして、エネルギー設計を詳細に進めることができます。PHPPはExcelベースをデータをセルに入力する方式です。
※建物燃費ナビもPHPPがベースで、入力方法がCADベースになっています。このCAD機能をSketchUpに置き換えたものと考えると理解しやすいかもしれません。DesignPHは、PHPPのセルへの入力をSketchUp上で直感的に入力できるツールです。
ソフトの準備
※SketchUpはデスクトップ版のMake 2017、DesignPHはDemo版(2週間有効、機能制限有)を使っています。ソフトは実際に試してみることで理解が深まりますので、ぜひ試してみてください。
■SketchUp Make 2017 ダウンロードはこちらから https://www.sketchup.com/download/all(こちらからMake 2017を選択)
■DesignPH Demo版 ダウンロードはこちらから https://designph.org/DEMO_download(試用期間14日 機能制限アリ)
※DesignPHのDemo版を使っていますので、機能が限定されています。今後、正規版を導入しましたら追記予定です。
3.DesignPHでのモデリングからPHPPへのエクスポートまでの方法
SketchUpでモデリング
まずはSketchUpで簡単な外観モデルを作成します。この時、あまり複雑な形状で無いほうが良いです。開口等もサッシ開口だけで十分です。他のCADからDXF出力した場合、余分な線を整理しておくと後々の作業が楽になります。建物の方位や開口部の位置を検討し、簡単な外観モデルを作成していきましょう。
属性の割当て
作成した外観モデルに壁、屋根、開口部ごとに属性を割当てます。この時、壁、屋根、開口部にワンクリックで属性を割り当てることができます。
※私はDemo版だったので属性をカスタマイズすることができませんでしたが 、Passivhaus Institutの認定済みコンポーネントを割り当てることができました。
窓についてはワンクリックで、サッシ枠とガラスが別々に表現されます。ボリューム作成段階ではサッシ開口のみで十分で、時間の短縮にもなるの便利な機能です。また庇などのサッシ開口部に影を落とす部位もモデル化できます
計算結果を見てみると庇などの端部からガラス中央にラインが見えます。これが計算部分ならば、屋根の厚み等は必要ないようです。まあ、これはこれで外壁面積等計算に影響しそうですが、難しいことは考えずに最後まで進んでみます。
建物の内部壁についてはモデル化する必要はありません。
暖房されていない部屋については、温度係数を入力するだけでモデル化できます。
※これは試すことができませんでした。
周辺環境の入力
DesignPHでは周囲の建物等、障害物からの影響も計算してくれます。なので、計画建物に影を落とす、周辺建物等もモデリングする必要があります。
Google Earthからおおよその地形モデルをインポートすることもできます。その後、DesignPHは計画建物への日影の影響も考慮しながら、日射取得熱等を計算してくれます。
※Demo版ではこれも試すことができませんでした。参加者の中には広範囲の地形モデルをインポートして山からの日影の影響を確かめている強者も…
※気候データについては、プラグインでデータが用意されています。ですが日本ではあまり細かい分類が無いようでした。またアメダスから気候データを読み込むこともできないようです。
4. エネルギー計算とPHPPへのエクスポート計算
外観モデルを完成させたら、エネルギー計算を実行、建物のエネルギー消費量を評価することができます。DesignPHによる計算はソフト内で行われていて、PHPPへの出力は必要ありません。結果はPHPPほど正確ではないと思いますが、この段階で簡単に数値を把握することができれば良いでしょう。なので計算結果が15 kWh / m2であっても、計画した建物がパッシブハウスレベルかの判断はできません。この次のステップでPHPPでの計算が必要になるからです。そのためにもこの段階では、さらに建物性能を高めておく必要があるかとおもいます。
DesignPH内で事前エネルギー計算を実行後、データを.pppファイルとしてエクスポート、PHPPに直接インポートできます。
※この作業もできませんでした。
5. DesignPHを使ってみた感想
※今回はDemo版での感想になります。
・使いやすさ
DesignPHは、SketchUpのプラグインとしてとても使いやすいと思います。
認定パッシブハウスを設計する時はDesignPHだけでは足りません。PHPPでの計算等、複雑な検討が沢山あります。ですが初期段階からパッシブハウスの設計に利用すれば、失敗が少なくなると思います。
・設計者へのおすすめ
若手設計者や学生も挑戦しやすく、パッシブハウス設計の基礎を理解しやすいです。温熱設計に興味をもったらSketchUp+ DesignPHにチャレンジしてみてもらいたいです。パッシブ設計に馴れていなくても、DesignPH内ならば手軽に結果をみることができます。未来の設計者がパッシブハウスへ興味をもってくれると良いなと思います。
・非住宅建物への応用可能性
住宅以外の建物、複雑な形状の建物等は評価するソフトが少ないのでDesignPHが有効かと思います。普通の住宅レベルならば、もちろん”建物燃費ナビ”が早くて有効です!
家の地震対策と土地リスク確認の重要性
日本の地震被害と土地リスクの関係
耐震性の確認だけでは不十分:土地リスクを知る重要性
日本では、耐震性の高い建物であっても、土地の特性によって地震被害が異なる可能性があります。特に、傾斜地や湿地帯に造成された土地では、不動沈下や液状化のリスクが高まることがあるため、建物を建てる前に土地リスクをしっかり確認することが重要です。
お風呂での地震対策:安全な場所での行動
千葉・茨城で震度3、4クラスの地震が続いています。
深夜の地震もあり多少睡眠不足です(5/6の地震は1:57発生。震度3でした)
5/4の地震が発生した時ちょうど、お風呂タイム。
住宅では浴室や洗面等の水回りは柱が集中しているから安心な場所だと言われてますが焦りますね。
揺れる湯舟の中で身動きできませんでした。。。
浴室での安全な行動指針
無事に風呂から上がりお風呂の中での正しい対応について、公の報告書ではどのようになっているのか気になり調べてました。
詳細はこちら:「東京くらし防災」・「東京防災」では以下のような行動が推奨のようです。
詳細はこちら:大震災シミュレーション_発生直後(1)
【浴室】
裸でいる浴室は、ケガをしやすい場所です。
鏡や電球などのガラス類の飛散から、からだを守るため、洗面器などを頭にかぶり、すぐに浴室から出て安全な場所に移動します。
東京防災 P24:大震災シミュレーション 発生直後(1)
なるほど。裸ですから鏡やガラスの飛散があったら大変です。
”お風呂の鏡はいらない”住まい手さんもいらっしゃいますが、あえて浴室には鏡を取り付けない選択も防災の面でもよいですね。
照明について、ハーフユニットバス等など造作が必要なお風呂の場合、浴室対応の照明など選びます。ですが、念には念をいれ、照明カバー部分の材質は調べておいても良いですね。
地盤のプロフェッショナルからもアドバイス
また、地盤関係でいつもお世話になっているブルーセージの千葉先生からもFBにて情報発信が!
私たちは建物のプロフェッショナルを目指していますが、地盤については知らないことが多いのです。そんな中で地盤のプロフェッショナルとして頼れる存在です。
以下 FB記事転載
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●地震対策「今から・できることから」●
昨夜、千葉・茨城で震度4の地震がありました。続いているので心配されている方がいらっしゃると思います。
このエリアで心配される地震は「首都直下地震」です。
首都直下地震は、今後30年以降に70%の確率で起こると言われるM7クラスの大地震です。
内閣府の中央防災会議は、過去このエリアで発生したM7クラスの地震の資料を元に、地震の規模や被害の種類と大きさなどについて検討・想定したものを平成25年12月に発表しています。
このエリアは3つのプレートが重なっていて、地震発生場所(発生タイプ)は6つ想定されています。
そのうち検討対象となるプレート内と浅い地殻(断層)のそれぞれの地震とエリアの図が示されています。
首都直下地震は、想定される発生場所が少なくともこれだけの数があります。
自分の生活圏がこのエリアに入っていると不安になりますよね。
大事なことは「いつくるか」ではなく、「何を備えておくか」です。
地震対策の参考になるよう、リンクを貼ります。
GWはあと一日半。
今から・できることから備えましょう。
https://www.nhk.or.jp/…/sp/special/bousai_no_chie/index.html
家具転倒防止と家庭内の安全対策
千葉・茨城エリアでは、今後30年以内に70%の確率でM7クラスの首都直下地震が発生するとされています。家具の転倒防止や簡単な地震対策を通じて、今から備えておくことが大切です。
1995年に起きた阪神・淡路大震災では、住宅内部での被害が多く、
負傷者の約半数(46パーセント)は「家具の転倒、落下」が原因
実際にできる家具の転倒防止策
だったというデータがあります。 (今すぐできる!家の中の地震対策より)
家具の転倒防止策等は専用の器具を使うものから、段ボールや滑り止めシートなどを使う簡単なものまで。
家具の向きを変えることも一つの対策になります。
詳細はこちら:NHK備える防災
詳細はこちら:今すぐできる!家の中の地震対策
首都直下地震と関東エリアの地震リスク
プレート境界と震源の位置関係
千葉先生の資料を見てみましょう。
まずは関東周辺のプレート境界。日本周辺が複雑にプレートが集まった場所であることがわかります。
千葉県でも比較的震源の浅い地震がありますが①、北米プレート内の地殻内の浅い地震でしょうか?
2枚目はプレート由来の震源想定図。
スロースリップの地震が増えてきているなんてき聞きませんか?
えっ?最大クラスの震源断層域もありますね。
3枚目は断層型の震源想定図。
首都直下型の地震は千葉県内では成田空港直下、千葉市直下、市原市直下が予想されています。
2枚目の図と比較するとプレートの境界以外にも断層があるのがわかります。
以上の報告書から”首都直下地震は今後30年以降に70%の確率で起こると言われるM7クラスの大地震”が理解できます。
ワイドショー等で首都直下型地震の話題が取り上げられることもありまが、それって本当なの?と思ってしまうような話題もあります。なので、事実確認をする癖をつけることも大切。今回のように一次情報として公の報告書等から事実確認も必要だと考えていいます。
土地リスクの確認と災害対策の重要性
家づくりでは地震対策として耐震等級の確認等、建物の耐震性を確認することは皆さんご存知だと思います。
ですがそれだけでは不十分、加えてその場所にある土地リスクを確認することがとても大切なんです。
土地選びで初めて訪れた土地。綺麗に造成された宅地でも調べてみると意外な土地リスクが見つかる事もあるんです。
例えばこんな例があります。
実は傾斜地に盛土された造成地だった→場合によっては不同沈下の原因になる可能性あり
実は造成前は田んぼ等の湿地帯だった→標高が低くて水が集まりやすい
土地リスク判定に役立つハザードマップの活用
どちらの造成地についても地盤改良等対策はありますが、根本的に解決できない災害リスクの場所もあります。例えば、近年の台風による低い場所への浸水リスクは記憶に新しいと思います。
ですから気になる土地が見つかった時、土地のリスク判定をおすすめしています。
住まい手さんでも可能な比較的簡単に判定できるものとしてはハザードマップがあります。
詳細はこちら:千葉県市町村別液状化しやすさマップ
こちらで液状化危険度を判定することができます。
土地リスクは建物が建ってしまってからは回避できないものの一つ。
基礎、木構造、断熱と並んで後から変更することが困難な部分です。
地盤のプロフェッショナルからのアドバイス
ですから土地リスクの判定、地盤に関してもしっかりと考えてください。
もちろん、私たちも土地リスクの判定は可能です。
土地の簡易地盤判定をすることができます。
まとめ
地震大国である日本において、地震対策は建物の耐震性だけでは不十分です。傾斜地や湿地帯などの土地リスクは建物の安全性に大きな影響を及ぼすため、土地の特性を理解したうえで建物を計画することが重要です。また、お風呂での地震対策や家具の転倒防止など、家庭内での地震対策も欠かせません。日頃からハザードマップを活用し、簡単にできる地震対策を実施しておくことで、万が一の際の被害を最小限に抑えることができます。
家族の安全を守るため、今できることから始めましょう。