シックハウスは終わっていなかった

パッシブ技術研究会が主催する一般向け勉強会、林基哉 先生の講演を聴き、改めてシックハウス対策について考えました。

シックハウス対策としてF☆☆☆☆建材を使って、必要な換気扇をつければ建築基準法上は問題ありません。

事実、シックハウス対策が義務化された頃から内装仕上、小屋裏材等は急速にF☆☆☆☆化が進みました。そして24時間換気設備を設ければシックハウス対策は終わったと考えている人も少なくないと思います。

持ち込みの家具等には規制が無いので注意が必要くらいの意識はありましたが、そう、私もその一人でした。

ですが基準法をクリアした建物でもシックハウスは起きるとのこと。

思いがけない場所から化学物質を引っ張ってきてしまったり

”臭い”もシックハウスを誘引する一つの因子になるそう。

特に気密化された建物では室内環境に注意が必要と改めて再認識。

 

建物性能をあげていくと使用部材が多くなっていきますし、構造も複雑に。

その結果、意図しないシックハウスが生まれてしまうことも。

 

高断熱、高気密、換気はトータルで計画しないとバランスがとれないとダメなんです。

”この装置をつければ全て解決”って仕組みはないんです。

 

そして今回の勉強会の楽しみの一つとして、会場が自由学園明日館でした!

フランク・ロイド・ライトが設計した建築です。

小さな教室でしたが窓枠などライトのデザインに感動…

天井も低めですが、勾配天井になっていて圧迫感はありません。

その勾配に誘導されて、自然と目線が正面に向かい、黒板に目線が誘導されるように感じましたが、実際はどうなんでしょうかね?

高気密高断熱ではない名建築で、高気密高断熱の事を考える豊かな時間でした。

3.11に改めて思うこと

週末の3月9日、10日、中学生の次男とその友達、男3人で福島へスキー旅をしてきました。

我が家のホームゲレンデは震災前から福島だったのですが、震災後も福島復興へ少しでも貢献できればと今もホームゲレンデは福島です。

 

 

震災前はスノースクール で多くの学校が訪れていたスキー場でしたが、震災以降、ほとんどんの学校が他県に振替をしたとのことです。同じウェアを着た子ども達が、きゃあきゃあ言いながら楽しそうにゲレンデで転がりまくっている姿は微笑ましかったなあ。
さらに今年は暖冬の影響もあり雪が少なく、週末でしたがスキー場は人が少なく何となく寂しい感じがしました。

今日は3月11日。

朝から震災後の復興のニュースが沢山ありました。
ですが現地を訪れると、まだまだこれからのように感じます。

建築に携わる実務者として「安心・安全な建物」をつくることは使命のようなもの。
そのためには、やれること、できることを少しづつ重ね、前進していこうと3月11日に改めて思います。

家づくりを始めようと考えたときに最初にすること

理想の家づくりを成功させる3つのステップ

家づくりを始める前に「住みたい家」を明確にすることはとても大切です。この記事では、理想の住まいをイメージする方法、便利なツール、そして設計者と効果的に共有するコツをご紹介します。これを読めば、家づくりの第一歩がもっと楽しく、スムーズになるはずです!

まず最初にしたいことは自分の住みたい家をイメージすること。

どんなに優秀な設計者でも何の手がかり無しにあなたの住みたい家を設計することはできません。

 とは言われても”わたしの住みたい家って?”

いきなりイメージが湧いてこないかもしれません。

 まずは住んでみて自分が楽しいと思える家をイメージしてみてください。

「日当たりの良いリビングで家族が集まる家」

「ペットと快適に過ごせる広い庭のある家」

「ペットと快適に過ごせる広い庭のある家」

「書斎スペースがありながらもコンパクトな間取り」

「木目が美しいフローリング」

「光が差し込む大きな窓」

「リビングとつながるウッドデッキ」

最初はうまくイメージできなくても心配しなくて大丈夫です。少しずつ考えていくうちに、楽しい家づくりのイメージがきっと湧いてきますよ。

 あなたの住みたい家はあなたにしかわかりません。

頭の中であれこれ想像して 住みたい家をイメージしてみてください。

 そして何となくイメージがまとまってきたらビジュアルを探します。

イメージを文章でまとめることも可能ですが、ビジュアルの方がイメージを伝えやすいと思います

 ビジュアル集めはインターネットや雑誌を使いましょう!

インターネットでPinterestやHouzzを活用


・Pinterestで「リビング」「キッチン」など気になるキーワードを検索して、気に入った画像を保存する。

デザインの参考にするならPinterestがおすすめ。たくさんの画像を簡単に保存できます!
Pinteresはこちら

・Houzzで「デザイン事例」をチェックし、プロのデザイン事例を参考にするのもおすすめ。

houzzはこちら

書店で見つけた雑誌からイメージを収集

雑誌も貴重な情報源です。ネットでは掲載されていない情報もたくさんあります。書店でみつけたり、いつも購読している雑誌などから切り抜き、スクラップブックにまとめると便利です。

スクラップブックで具体的なイメージを整理

最後に雑誌の切り抜きをスクラップブックに貼り、理想の住まいを視覚化する
具体的な色や素材を決める際に役立つキーワードをメモする

 完成したスクラップブックを設計者と共有することで、あなたの理想がより具体的に伝わります。

ポイント: 生活感のある実例より、理想を詰め込んだイメージが伝わりやすい!
理想の家づくりを始める第一歩として、ぜひスクラップブックを作ってみてください!

 家づくりの成功は、あなたの想いを形にすることから始まります。さっそくスクラップブックを作ってみましょう!きっと家づくりがもっと楽しくなるはずです。次の一歩を踏み出してみてくださいね。

https://sachisogo.com/家づくりの3つの大切なステップ/

先人に学ぶ 断熱&耐震改修 寺子屋勉強会 in町田

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建物の断熱性能で弱点になりがちなのは窓。

アルミと樹脂の複合サッシでも十分だという声も聞こえますが、やはりそれより上の性能があるサッシを取り入れたいですね。

海外製サッシについては高性能だと知っていましたが、採用したことはもちろん、取付け施工も見たことがありませんでした。

ですから高本さんが主催する断熱&耐震改修寺子屋勉強会in町田に参加して勉強してきました。

今回勉強会で使用したのはロシア・サハリン州の窓枠メーカー「カールヴィ」です。

 

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参加してわかったことは、海外製サッシを施工するには一工夫、一手間が必要になるけれど、特殊な材料を使うことなく取付が可能なこと。

そのためには施工技術を正しく理解することが必要となるのですが、その技術が北海道にあるのです。

 

北海道では断熱気密工事についてBISという資格があり、知識が整理され、その全てが公開されていて誰でも自由に使うことができるのです。

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高本さんはBIS資格を取得していて、汎用性のある施工計画していました。今回の取付けに使用した資材はタイベック、気密シート、気密テープ、発泡ウレタンで特殊な資材を使用しませんでした。

 

施工については特殊な作業はありませんが丁寧な作業が必要になります。

ですが手練れてくるとスピードも上がりそうです。

 

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「カールヴィ」についてですが、フレーム下地にスチール材を利用してあるので耐久性があり、またバールでも壊れないほどの防犯性能があるそうです。

また輸送コスト分を工夫することができれば、コスト面でも国産サッシと勝負することができるそう。

 

断熱気密の技術をオープンにしている北海道。

その技術を正しく理解すれば、国産、海外を問わず臨機応変な断熱気密工事、施工計画が可能となるはず。

必要なことは正しい知識です。

先人の北海道で集められた知識が選択で迷ったときの「行き詰ったら原点に帰れ!」の原点となりそうです。

太陽光パネルを設置されている方へ注意喚起

消費者庁事故調査室から、「住宅の屋根載せ太陽光発電の不適切な設置による火災について」注意喚起が出ています。

太陽光パネルを原因とした事故原報告書の概要も発表されています。

こちらが報告書の概要になります。

報告書によると火災の発火原因は太陽光パネルまたはケーブルとされています。

 

施工業者さんが対応してくださると思います。

何らかの原因で対応ができなないときは、パネルメーカーを確認して、メーカーに問い合わせをする事をお勧めします。

 

エコテクノルーフさんからは安全安心を確認したとの報告書が発表されています。

テクノルーフから事故は発生していないとのことです。

 

 

 

 

生活工房の表現者たち

生活工房さんの展示会を観てきました。

生活工房さんの作品は、知的・発達障害の方の創作活動、アール・ブリュット、アウトサイダー・アートと呼ばれています。

 

 

豊かな色彩、楽しくデフォルメされた形を見て ”そういえばこの部分こんな形してたな”。

繊細な表現の作品をみていると ”こんなふうに見えるよなあ”。

とか、たくさんの気づきがあり自然と笑顔に。

”こうやって素直に表現すればいいんだよなー”と気づかされます。

それよりも何よりもその豊かな色彩や形がとても気持ち良い。

 

また支援をされている方とお話をすることができました。

作品をつくるときもには皆さん 一人一人の個性を活かした支援をされているようです。

すべての作品が展覧会や水族館など実際に現地に足を運んだり、目で見たものを作品にしているそう。

展覧会に行ったり実際に体験することはとても時間がかかるけど、そのことが基になって作品の完成度を高めているのでしょう。丁寧に描かれている作品をみてそう想いました。

やっぱり、行ったつもりはやっぱり良くないなと私も反省…

もりんぴあこうづのギャラリーは、それぞれのの作品が映えるような広い展示スペースです。

展示の仕方も工夫されていて作品展としてもとても見応えがありました。

 

期間が1月30日(水)までと短いのですが是非足を運んでみてください 。

生活工房の表現者たち http://morinpiakozu.jp/event/seikatsukobo-7/

生活工房 http://www.narita-seikatsukobo.jp/

 

 

 

やっとお会いできました

省エネ塾のプレセミナーに参加しました。

講師の堤さんとはFBではつながっていましたが今回初めてお会いできるのでそれも楽しみです。

省エネ塾は初心者向けの断熱講習と言うことでしたが、住宅をなぜ断熱するかという本質を伝えようとするセミナーでした。

 

冒頭スライドがセバン・スズキ、リオの伝説のスピーチ。

https://www.youtube.com/watch?v=N0GsScywvx0

その後も数式や計算式を使わないで、温熱に対する新しい概念を増やすことを考えていらっしゃったように思います。

 

「How」ではなく「Why」で問いかける内容でした。

何か新しい事を始める時、先に走っている人の所へ行ってどうするのか聞いてみる。

どのやり方で、どのようにすればいいのか「How」を積みあげる。

なんとなくできる様になるけど継ぎ接ぎだらけ。

理屈を知らないと積み木はまっすぐに積みあがらない。

やっとここで、なぜそうなるのか、なぜそうするのか、大切な「Why」に気がつく。

自分で問いかけをしてみて、やっと考え方や目標が定まってくる。

理屈がわかれば積み木は高く積みあがる。

 

なんて事を考えて、自分の積み上げたガタガタの積み木に唖然としたりするわけです。

 

ワタシもセミナーを聞いて私も伝え方を再考。

住まい手さんに「なぜ断熱をするのか?」を説明する時、数値に頼って「説得」しているんですね。

ですが住まいの暑さ寒さに対する「実感・体感」を温熱環境の理屈と結びつけることができればもう少し腹落ちして「納得」してもらうことができるのかなと考えてみたり。

 

講師の堤さん。FBではつながっていましたがやっとお会いできました。

冒頭からバプコメで熱くなり、セミナーがどっかに行ってしまいそうでしたが、無事軌道修正。

FBでお見かけした通りの熱き実務者でした!

 

本日1/17は阪神淡路大震災から24年。

震災で、お亡くなりになられた方々にご冥福をお祈りしますと共にご遺族の方々に心よりお悔やみ申し上げす。

改めて震災時の被害をできるだけ軽減していくことができればと考えております。

 

2019年 本年もよろしくお願いいたします

あけましておめでとうございます。

とっくに明けておりますが、こちらの更新を忘れておりました。。。

今年は年が明けると鎮守神社、皇産霊(みむすび)神社に参拝してきました。
近所の仲の良い家族とお神酒をいただきながらの初詣です。

年末、工barでいただいた宝くじの結果は ”今年も一生懸命働け” とのこと。。。

イノシシですから色々な物を掘り起こして泥まみれになるのは避けたいところですが神様のみが知るところでしょうか。

平成が終わって新年号に変わったり、消費税の値上げが決まったりと慌しい年になりそうです。

そんな慌しい一年ですが今年は「実力をつける」ように努力していきます。

昨年はエコハウス大賞にて奨励賞をいただきましたが、評価が先行してしまったように思っています。

今年は評価に見合った実力をつけるように取り組んで生きたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

ブロック塀の改修:安全と景観を両立させた選択

ブロック塀への不安とご相談

2018年夏、自宅のブロック塀に対する不安を抱えた住まい手様から「どうにかなりませんか?」とのご相談がありました。特に小学校の通学路に面しており、塀の高さが1.8メートルほどある部分が心配だとのこと。また、ヒビが目立ち始めていたため、気になる部分が増えてきたとのことでした。

大阪の事故をきっかけに塀の安全性を見直す

2018年6月、大阪で発生したブロック塀の事故をきっかけに、住まい手様もご自身の塀について気になり始めたとのことです。

改修プランの検討

擁壁とブロック塀の現状

改修前

この塀は道路に3方向面しており、土地に高低差がありました。大谷石の土留めの上にコンクリートブロックが積まれており、古い開発地ならではの2段擁壁(ようへき)の形状をしていました。です。この地区は古い開発地で、残念ながら大谷石+コンクリートブロック2段擁壁が多いのです。

予算に合わせた提案と軽いフェンスの選択

改修前

完全な安全を目指すにはRC造(鉄筋コンクリート)で塀を作り直すことが理想ですが、予算の関係で現実的な選択肢を模索しました。上部3段をカットして軽いフェンスに変更する提案や、板塀や補助金の出る生垣の提案もしましたが、結果としてネットフェンスを選ばれました。

フェンスと生垣で庭の魅力を引き出す

モッコウバラ、ピラカンサの生垣になるのが楽しみです

住まい手様は樹木の手入れが好きな方で、ネットフェンスにモッコウバラを絡ませることで生垣にするのが楽しみとのことでした。

ピラカンサの日のあたらなかった部分も芽が出て生垣になります。

明るい日陰でリュウノヒゲしか定着しなかった花壇も、日当たりが良くなるので花を植えることできるので楽しみとの事でした。これにより庭の景観が一層豊かになり、ピラカンサの生垣も育つことで、外観が明るくなります。

 

改修後の効果

マキが根元から見えると雰囲気よし

庭の見通しと景観の改善
ネットフェンスに変更したことで、庭の樹木が通りから見えるようになり、庭の雰囲気が良くなりました。やはり庭、樹木は雰囲気をつくるのに需要ですね。

また、道路の角からの見通しが良くなったことで、運転がしやすくなり、ご近所からも好評でした。

工務店の経験とコスト削減
施工を担当した工務店は、2018年に同様の工事をいくつか経験しており、ブロック解体技術が向上したことで、見積もりよりも安価で工事を完了できました。

 外構工事と庭づくりの重要性

街並みを変える外構の工夫

日経アーキテクチャ2018 12-27 p10.11

ブロック塀の改修工事は、安全性が第一です。建築の専門誌、日経アーキテクチュアでも2018年の10大ニュース第3位はブロック塀の倒壊事故でした。

そして上手に工事をすれば、街並みの雰囲気も変えることができます。庭をすべてコンクリート土間にしてしまった住まいも見かけますが、個人的には殺伐とした雰囲気を感じます。夏の照り返しもきついですしね。やはり造園工事は大切。樹木1本で全体の雰囲気が和らぎます。外構工事はアイデア次第で、住まいの魅力を引き立てることが可能です。

今年も1年間お世話になりました。

2018年も今日で最後の日になりました。

今年も多くの方にお世話になり、ありがとうございます。

年末に出会った猿回し。
おサルさんは神様の遣いで願いを神様にとどけてくれるそうです。縁起ものだそうです。
まだまだ知らない事が沢山あるな、とあらためて思います。

 

建築設計においても新しいことや知らないことがまだまだ沢山あり、常に勉強の連続ですが知らないことを恐れずにいたいです。

来年はblogの更新をもう少し増やしていきたいと思います。

それでは皆さんも良い年をお迎えください。

来年もどうかよろしくお願いします。