head研究会 オープンプロセス タスクフォース創立記念シンポジウム に参加しました。
今回、シンポジウムに参加したことで理解が深まった部分を何点か。
まずは松村先生からの高断熱住宅の普及についての新提案が印象的でした。
高断熱住宅の普及が進まない理由の一つとして”人間は数値、理屈のみで動かないから”とのこと。
このことは先生が何十年も前から実践している事実だそうです。
設計をしている実務者はこの部分に一生懸命になりがちで、どうにか数値をグラフ化したり理屈で通そうとしてしまいます。ですが、やはり上手くいかない。
そこで松村先生が、数値、理屈で動かないならば、新しい流れを住宅産業に取り入れては?との提案。
新しい流れとは、パネラーとして参加された Houzzさん、DIYer久米まりさん、暮らしかた冒険家さん、達です。
皆さんはDIYや暮らし方を提案して人気を得ています。そしてDIYリノベは今までの住宅産業とは違った流れを生み出しています。
そんなDIYや暮らし方の手本となる人達が工事の一つとして高断熱改修に取り組み、断熱された家の住み心地の良さを広め、その流れを新築高断熱住宅の普及に生かしていけないだろうかとのことでした。
住宅の性能を数字や理屈で説明するよりも、憧れの暮らし方のほうがイメージがしやすい。そんなイメージリーダーが断熱改修を始めたらその影響力は大きなものになります。
松村先生の提案を聞き、ユーザーさんは住宅を求めている時、住宅の性能も大切だけど、住まい方のイメージを求めているのだと腹落ちした感じです。
設計をしている実務者は数値が気になりますが、ユーザーさんとの目線が少し違っていたということです。この目線の違いは大きいです。
またHouzz加藤さんの、”日本のユーザーは、自分たちの暮らし方を選ぶ事が不慣れで、暮らし方のイントロダクションをいる”が印象的でした。
住宅の性能や数値はシミュレーションソフトなどで改善することが可能です。
ですが住まい方についてはそう簡単にはいきません。
住まい方はライフスタイルそのもので自分たちの哲学がチラチラ見えることも。
この辺は働き方改革等とも関係してきそうで大きなテーマです。
またパネラーの富田さんが実践した断熱改修も素晴らしい実例でした。
実務者レベルで断熱改修を考えると、ユーザーの考えているレベルを超えてしまい不採用になりがちです。
富田さんの満足度を考えると、ユーザーレベルの断熱改修の満足度についても考える余地がありそうです。