さんむの家 愛着を上手に引き継ぐには

さんむの家 LDK

住み心地、断熱、耐震、全ての性能を向上させる改修工事

第4回日本エコハウス大賞 奨励賞

DATA

所在地:千葉県山武市
構造 :フルリノベーション 木造在来工法(2階建)
延床面積: 100.19m2(30.25坪)
撮影:花澤一欽
竣工 :2017年
施工:(株)進和建築

性能データ

1次エネルギー消費量(年間) 177.08kWh/m2
熱損失係数(Q値) 2.56W/m2・K
外皮平均熱貫流率(Ua値) 0.57W/m2・K
相当隙間面積(C値 実測値) 2.5cm2/m2

断熱性能

屋根 :フェノバボード 60mm
外壁 :アクリアネクスト 105mm
床 :アクリアUボード 80mm
窓 :樹脂窓 (APW330)
玄関ドア :木製断熱ドア (ユダ木工 U値=1.92W/㎡K)
冷暖房 :壁掛けエアコン
給湯 :ガス給湯器(エコジョーズ)
換気 :第3種換気

エコハウスが当たり前になるように

日本エコハウス大賞、公開審査に参加してきました。

今回、リノベーション部門で奨励賞を頂いていたので最前列の席を確保していただきました!奨励賞はプレゼンテーションも表彰式も無いので、大賞候補者のプレゼンテーションを緊張すること無く応援することができました。

大賞候補4作品はエコハウスの定型とは外れた個性的な作品ぞろい。建物性能は十分に確保されていて当然で、+αを提案している住まいでした。大賞以外の住まいについても見所が沢山あり、受賞者の方々と意見交換することもできました。

審査員の方々の質問でも気づきがあり、ゲストで参加されていた建築家の堀部さんの感想が、ピリッとしていて。。。

今回、応募する機会に恵まれ良い経験になりました。色々気づく事が多かったですし、まだまだやることが沢山あります。受賞された方々は沢山の取り組みをされていると思います。限られた条件の中で、ベストな解決策を提案できるように今後もコツコツと前進していきたいと思います。

このエコハウス大賞の成り立ちは、2020年の性能表示義務化に向けて義務的に法律を守るだけで無く、エコハウスを通してさらに豊かな暮らしを提案していく目的で始まっています。

この流れが大きくなり、エコハウスが当たり前になり、豊かな暮らしの器としての住まいが増えていき、暮らしの中でもう少し幸せを感じることが増えると良いなと考えています。

今回の日本エコハウス大賞 受賞作品の掲載されたビルダーズはこちらです!

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「さんむの家」奨励賞をいただきました

 

 

 

日本エコハウス大賞 、リノベーション部門で奨励賞をいただくことができました。ありがとうございます!

第4回日本エコハウス大賞 奨励賞のお知らせ

築40年の住宅を断熱改修した「さんむの家」でエントリーしました。

※blog記事はこちらです。

 

日本エコハウス大賞の審査員の方々は住宅設計の分野では大御所の方ばかりで、開催されるセミナーに何度も通ったことがあります。

なので一次審査にも通らないのではと不安に思い、何度もエントリーをあきらめかけていたのですが奨励賞をいただき本当に嬉しい気持ちです。

 

何よりも無断熱の家を高断熱の家にリノベーションする価値があることが認めてもらえた事がとても嬉しいです。

いえ、住まい手さまの想いが伝わったと言っても良いでしょう。ありがとうございました。

 

大賞候補やその他の賞などに選ばれた方々を見ると素晴らしい家づくりをされている方ばかりです。

どのような住まいをエントリーしてるのかじっくりと見てみたいです。

 

今後も 意匠と性能が両立されたエコ住宅を考えていけたら幸せです。

住まい手さま、最後まで丁寧に施工して頂いた進和建築さま、ご協力ありがとうございました 。

ヴィンテージチェアの座面張り替え:経年変化を楽しむリペアの魅力

座面の張り替えで蘇った椅子の快適さ

椅子の座面の張り替えをしてもらいました。右がbefor 左がafterになります。

画像をみてもお分かりのように、古い椅子と比較してみると座面の高さは2、3 ㎝ ほど高くなっています長年の使用で内部のウレタンが劣化してつぶれ、そうとう薄くなっていたようです。

ウレタンは硬さの違うウレタンを2種類を使い、座面の生地も椅子専用の生地で張り替えてもらっています。椅子専用生地なので摩耗性にも優れているようですし触り心地も良いです。

張り替えと同時に椅子の緩みも閉めてもらいガタツキが少なくなりました。

座り心地もよく、今までよく我慢されていたと思います。ウレタンがすこしづつ劣化していくので座り心地が悪くなっているのに気が付きづらいんですよね。

修理と買い替え、どちらを選ぶべきか

今回の張り替え費用は張り替え生地を含めて8000円です。

ダイニングチェアを調べてみると、なんと新しいダイニングチェアも変えてしまう金額なんですね。ですから少し迷う金額です。

金額だけを考えると新しく買い替えてしまいたくなりますが椅子の雰囲気やダイニングテーブルの相性とを考えると修理するのも良いのではと思います。

特に、この椅子には古い真鍮のマイナスネジで固定された背板があり、ヴィンテージならではのディテールが光ります。こうした魅力を大切にしたい方には、張り替えという選択肢がぴったりではないでしょうか。

経年変化を楽しむ暮らし方

座り心地が良くなったので、残りの2脚も改めて張り替えてもらうことになりました。10年以上使った椅子ですがまだまだ使えそうです。ヴィンテージ家具の魅力は、経年変化が生み出す深い味わいと、丁寧なメンテナンスによって長く使い続けられるところにあります。

「古いものを修理して使い続ける」という行為は、単なる節約ではなく、愛着を持って暮らすための大切なステップです。家具を大切に使う姿勢は、家族や住まいに対する思いと重なります。手間をかけて蘇った椅子たちは、また新しい思い出を刻んでいくことでしょう。

 前編記事とのリンク

座面の張り替えを考える前に、椅子の修理や経年変化の魅力についてもっと知りたい方は、前編の「ヴィンテージチェアーのリペア:愛着を持って家具を使う」もぜひご覧ください。

台風への備えはできていますか?:雨戸やシャッターで住まいを守る

雨戸やシャッターで住まいを守る

Facebookで見つけた台風対策の参考投稿をシェアしました。その内容を忘備録としてブログにまとめています。SNSのおかげで貴重な情報を簡単に共有できるのは本当にありがたいですね。

その投稿を忘備録としてblogにまとめてみます。SNSのお陰でこのような貴重な情報がシェアできるようになり、ほんとうにに有難いです!

シェア元はこちら。https://goo.gl/aqdWnb

鹿児島に学ぶ台風対策

投稿主は松尾設計室の松尾代表です。建物の通気部材専門のメーカー、ハウゼコの神戸社長と松尾設計室の松尾代表が座談会を行った時の内容を松尾代表がまとめてFBに投稿されていました。

ハウゼコの神戸社長は鹿児島に勤務経験があり、鹿児島では風速50メートルの台風は毎年経験済みで、その時の経験を話されていたようです。

鹿児島の住宅において行われていた台風対策として以下のようになります。

 

  • 大窓にはすべて雨戸かシャッターをつける
  • 小窓に関しては鹿児島では準防火地域ではなくても網入りガラスを入れる
  • 飛散防止対策としてカーポートにネットをかける。
    台風に慣れてくる?と他人に迷惑をかけないように対策をすることができる。
    ネットはゴルフ場で使っているようなグリーンのネットが多かった。
  • 屋根が飛ぶのは屋根下地が腐っているから。屋根の腐食対策が必要になってくる。


台風21号の風速50メートルを超える暴風雨で被害を受けた関西地方ですが、今後はそのような災害が全国に広がっていく可能性もあります。

今後の家づくりでも、鹿児島の住宅で行われていた対策が重要になってくると思います。

千葉の建売住宅でも、2階に雨戸やシャッターが無い住宅を見かけます。比較的新しい物件のほうがその傾向があるようです。

建物の印象では雨戸やシャッターが無い方がシンプルでスッキリとした印象がしますし、予算が厳しい時には減額の対象にもなってきます。

今まで大きな被害を受けたことが無い地域ですから仕方がないとも言えます。

ですが、これからの異常気象を考えると、雨戸やシャッター無しでは建物に大きな被害を及ぼす可能性が大きくなってきますから、今後の家づくりでは雨戸やシャッターは必須です。

高性能サッシと雨戸の組み合わせは可能か?

標準仕様ではない場合も設置できます!

さんむの家ではYKKの樹脂サッシを採用したのですが、カタログでは雨戸は標準仕様にはなっていませんでした。

ですが、工務店さん、YKKさんと相談し汎用の雨戸を流用して取り付け、工務店さんに鏡板を木製で作ってもらい雨戸を取りつけることができました。

納まりも苦労しましたし、コストアップになってしまったので竣工時は悩みましたが、今年の台風の被害を目にすると、費用と手間はかかりましたが、今となっては安心材料です。

家づくりでは基本性能を重視

家づくりでは住まい手の沢山の理想と実現するための予算の関係があります。

機能満載のキッチン等の設備類に目が行きがちで、断熱材や耐震性など目に見えない部分には後回しになっていませんか?

ですが完成後に追加ですることができない家の基本性能に予算をかけるべきです。

今後は雨戸やシャッターも基本性能の一つになると思いますので、雨戸やシャッターも基本性能の一部と考え、家づくりに取り入れましょう。

まとめ

台風対策は、家づくりやリフォームの際に忘れてはならない要素です。鹿児島の知見を参考に、雨戸やシャッターを採用し、住まいを守りましょう。Facebookでも引き続き情報を発信していきます!

最後に私のFBはこちらです!https://www.facebook.com/oga.kouki

カーポートのネットで飛散防止を

神戸社長のアドバイス:
カーポートのポリカは台風時にブーメランのように飛び、凶器になることがあります。ゴルフ用ネットをかけて飛散を防ぎましょう。飛散物は災害の被害を拡大させるため、各自の注意が必要です。

台風時の飛散画像をみると紙のように屋根材が飛んでいきますが、それぞれにそれなりの重量があり凶器ですよね。

ネットをかける、ちょっとしたことで、災害は防ぐことができます。

飛散物も元をたどれば持ち主がいるわけですから、各自の注意が重要ですね。

本当に災害対策が必要な時代が到来したように思います。

追記

20190203

エコハウス大賞シンポジウム 松尾和也先生の講演より

シャッターとサッシの間に段ボールを詰めるとシャッターがバタつかないようです。

 

 

 

 

ヴィンテージチェアーのリペア:愛着を持って家具を使う

撮影:FULL SPECTRUM

家族で大切にしてきたダイニングチェアーの具合が良くありません。なんとなく椅子がギシギシときしむ感じがします。家にやってきて10年、生産されてから30年経つかも。

メーカーは不明で、ヴィンテージのデンマーク製だと推測できます。背もたれや座面の固定ビスがマイナスなので古いものでしょう。

名作椅子ではありませんが、背もたれのプライウッドや真鍮製の固定ビスの雰囲気が大好きで丁寧に使っていました。

丁寧に使っていても、寄る年波には勝てないようでフレームの接合部分にゆるみが出てきているようです。多分フレームのゆるみがギシギシする原因でしょう。ここで新品に交換するのも良いのですが、もうひと頑張りしてもらおうと考えて家具屋さんに修理の相談をすることにしました。
まるで海外の家具屋さんの雰囲気

修理を相談したのは、柏にあるchair-chairさん。

椅子やソファをメインに取り扱い、ご覧の通り沢山のアイテムが展示されています。アメリカのヴィンテージプロダクツを得意として、店長自ら海外へ買い付けに行きます。特にイームズコレクションはかなりの充実ぶりです。
 
大竹さんは椅子を見て一言。

”この椅子、座面のクッションが全くありません!ウレタンがダメになっていると思います”

そうなんです。座面のクッションになるウレタン製の下地が経年劣化でつぶれてしまい、クッションがまるで効いていない状態だったのです。板の上に直接座っているような感じですね。
 
”経年変化で使っている人は気が付きづらいんです。ですがウレタンを交換すると座り心地がとても改善しますよ”
 
椅子のゆるみを相談する前に大切な部分を見抜いてくれます。椅子は座り心地が大切ですから我慢するところではありません。せっかく椅子の修理をお願いにきたのですから、アドバイス通りに座面のウレタンも交換してもらうことにしました。

ちなみに、大竹さんは新品の椅子を購入するときにもイメージが違ったら気軽に張り替えることをお勧めしています。気軽にイメージチェンジを楽しんで欲しいとのことなんです。

張替に使う生地もヘリボーン織やチェック織など数種類あります。サンプル生地を張った椅子もあり悩んだ末にこの生地に決定しました。遠くからみるとカスリ生地のような和の雰囲気が気にいりました。肌触りも気持ちが良いです。色も悩みましたが、椅子の濃いブラウンに合いそうなグリーンに決定。

気になる金額は分解手間等によって異なるけど一万円以下で仕上がるそう。古いデンマーク製の椅子に似合うかどうか今から楽しみにしています。
原因の一つは、間違った座り方。踏ん反り返るような姿勢で背もたれに余計な荷重をかける姿勢などはご法度です。
 
新しい椅子ならば強度もあるので壊れないと思うのですが、古い椅子なので仕方が無いと思います。間違った座り方は壊れないにしても新しい椅子でもそれなりにダメージがあると思うので正しい座り方は必要です。
 
椅子に浅く腰かけて背もたれにもたれかかるのはとても楽な姿勢ですが姿勢には悪いそうで腰痛の原因にもなります。ですから椅子に座るときは、背筋を伸ばして座ると骨盤が直立して姿勢にも良いですし、椅子に変な力を加えることがありません。
古い物、経年変化が美しい素材を使ったの物は、手入れとともに扱い方が大切です。

正直、面倒くさいと思うこともありますね。

住まいでも同じで、天然素材を使ったところには少し使い方に気遣いをすると長持ちします。無垢の床板と付き合う時も、重い物や堅い物は引きずらないように少し気遣うだけでも随分違うと思います。でも大らかな気持ちで大丈夫、細かい傷は美しい経年変化になります。

経年変化を楽しめる素材は少し手間がかかります。だけど、そんな手間も許せるような素材を選んで暮らしていけたら幸せですね。

ダイニングチェアーの修理は1か月ほど。どのような姿で戻ってくるのか今から楽しみです。

椅子の修理が完了し、張り替えられた座面で快適さが蘇った様子を新しい記事でご紹介しています。修理前後の比較や、張り替え作業で得られた気付きについて詳しくお伝えしていますので、こちらもぜひご覧ください!

👉 ヴィンテージチェアの座面張り替え:経年変化を楽しむリペアの魅力

経年変化を楽しむ椅子のリペアストーリー、あなたも一緒に体感しませんか?

五月晴れと太陽光発電

5月も終わりになってしましまいますが、5月はもっとも過ごしやすい月だと思います。五月晴れは本当に気持ちが良いです。今年は夏日になる日が何度かありましたが、5月の爽やかな風は本当に心地良いものです。

子育て世代にとって大きなイベントの一つに運動会があります。小中学校の運動会が残暑の残る9月開催から5月開催に変わってきているのも子ども達、見学に行く親にとっても有難いです。私の住む地域では5月開催だったので本当に助かりました!

5月は、他の月と比較すると日射量も多く、平均気温が20℃以下、湿度も低く心地良く感じる条件が揃っています。

 

日射量の多い月は?

5月は人間にとって過ごしやすい月ですが、太陽光発電にとっても良い月なのです。

1年の中で太陽光の売電量は5月が一番なのです。

多くの人が5月は日差しが多いと感じていると思いますが、事実、太陽からの全天日射量は8月が多く、並んで5月も多いのです。太陽光発電は日射量に応じて発電量が増加するので、8月と5月の太陽光発電量が同じぐらいになってきます。

太陽光発電の設置で配慮するところ

ちなみに太陽光発電に大きく影響を与えるのは方位です。

  • 真南の向きに設置した場合を100%とすると、東西は85%程度、北は67%程度になります。*屋根の角度30の場合°
  • 傾斜角については水平面から30°程度で最も効率が高くなりますが10°から40°まではほとんど差がありません。

なので、屋根に設置する太陽光発電は方位さえ気にすれば屋根勾配は特別な配慮が必要無いとも言えます。

売電量の多い月は

ですから売電量については5月と8月の売電価格を比較すると、8月は猛暑と湿気によってエアコンがフル稼働するので、ほとんどエアコンを使用しない5月の売電量が一番になるのです。

もう一つ、8月の猛暑は身体にこたえますが太陽光発電も厳しい条件のようです。

梅雨明けの7月から8月の気温の高さと湿度を思い出すだけでもイヤになってきますが、太陽光発電装置の一つ、パワーコンディショナーも高温によって効率が落ちるので8月は厳しい月のようです。

5月は私達にとって快適に過ごせる月ですが、同じように太陽光発電にとっても過ごしやすい(発電しやすい)月と言えそうです。

もうすぐ5月も終わります。沖縄からは梅雨入りの声も聞こえてきました。その前に残り少ない五月晴れを楽しみたいですね!

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鳥の目でみると

クリックするとコマ送りで動きます

さんむの家の撮影では建物外観を上から撮影することができました。

通常、建物を上方から撮影する機会はほとんどありません。ドローンや高所作業車を使用すれば撮影できますが、大変です。

またとないチャンスです。

カメラマンの花澤さんに相談してみると ”おもしろそうですね!” と良い感触です。色々相談し、ミニチュアジオラマ風に撮影をお願いしました。

結局、撮影日が一日増えてしまったりと色々と面倒な事をおかけしましたが仕上がりは予想通りです。記念写真のような、かしこまった雰囲気では無く、ちょっと不思議な写真を撮影することができました。

さらに、この画像を編集してみると、なんとコマ送りの動画が完成。コマ送りの効果もあってか、さらに現実感が希薄になって本物のミニチュアのようです。

設計するときは建物が街の中でどのように見えるのか色々と想像を膨らますのですが、鳥の目線まで想像を上げる事は少ないので貴重な写真です。

今回はカメラマンの花澤さんの協力があって、面白い写真を撮影することができました。改めてコミュケーションとコラボレーションの大切さを実感しています。良い撮影ができて感謝しています。

グリコのおまけのような、ちっちゃいけど楽しいご褒美でした!

 

 

 

 

 

 

さんむの家改修工事 お引き渡しをしました

さんむの家のお引渡しをしてから数ヶ月がたちました。

お施主さまが新しい建物での暮らしにもなじんでこられたようで、一安心をしています。

この記事の画像全て 撮影: 花澤一欽

さんむの家は築40年の住宅をリノベーションした住宅になります。

お施主様はいくつかの選択肢の中から、築40年の住宅をリノベーションすることを選択されました。

私達は、古い物を大切にして継承する価値観に共感し、設計監理をしてきました。

記憶も継承する

設計を始める前に、基本方針として古い部材を積極的に活用することを決めました。

そのためには、建物を新しい部材で覆い被せ新築のようにするのでは無く、古い部材、柱、梁を現しにする、また再利用して活かしたいと考えました。

そうすることにより物質的に家を継承するだけでは無く、新しい暮らしの中でも、古い部材を目にした時に、古い建物で起きたことを思い出し、記憶をも継承して行くことが出来ます。

さらに、デザイン的に古い部材を活用するだけでは無く、新しい技術も取りいれ、地震に強く、居心地の良い住宅を目指しています。

新旧交ざり合うような材料

新しく使用する材料については、月日を重ねることにより風合いが増すような材料を選んでいます。いわゆる天然素材、工業部材と呼ばれる材料です。

建物が5年、10年と月日を重ね、古い部材と今回修繕した部材が一緒に古びていき、区別が付かなくなる事を期待しています。

外観はさりげなく

建物の外観は大きな変化を加える事無く、軒の出、窓の大きさ等を微調整する程度にしています。

外壁はガルバリウム鋼板の小波板を貼ったのですが、ご近所様からは“ブリキ板を貼って大丈夫かい?”と聞かれたことがあるそうです。

一見、簡素な素材ですが耐候性に問題ありませんからご心配なくとお答えしました。

 

実は、建物正面から見ても気がつかないのですが、2階の屋根には太陽光発電パネルが載っています。

こちらの太陽光パネルは発電パネルでありながら屋根部材も兼ねているので見た目をスッキリ納めることができました。

お引き渡しをしてから数ヶ月たちましたがシミュレーション結果と同等の発電をしているようです。

発電量を示すモニターも解り易く、天気の良い日は発電していることを知らせてくれるモニターを見るのが楽しみとのことです。

建物の暑さ寒さについて

最後に、建物の温熱性能についてです。外皮性能はUa値 が0.57 実測C値が2.5です。

外皮性能については2020年の省エネ義務化基準が0.87ですから、それ以上、HEAT20 G1基準の 0.56手前の性能となります。

結果についてですが、今となってはもう少し頑張ることが出来たと考えています。

この建物は、平成27年度の住宅省エネリノベーション補助金を取得する事を前提としてスタートしました。

恥ずかしながら、当時の私は仕様規定を満足するだけで精一杯でした。現在は色々と勉強を重ねた結果、外皮性能については改善したい所があるのが正直なところです。

しかしながら、古い建物では電気ヒーターを使っていた水回りも1月現在では不必要とのこと。朝になっても夜の暖かさが残っているようです。

冷暖房はルームエアコンを使用していますが、古い建物と比較すると全室が暖かいとのことです。

まだまだ寒い日が続きますし、夏はまだ未体験ですが、色々と調整をして住みやすい環境、快適な暮らし方のお手伝いをして行きたいと思います。

施工に関しては(株)進和建築様に大変お世話になりました。新築とは違う、手間のかかる仕事を丁寧に工事していただきありがとうございました。

HPにも事例集としてアップしました。

建築事例集 さんむの家

ROUTEさんとコラボレーション:さんむの家インテリア撮影

ビンテージ家具や雑貨を扱うROUTEさんとコラボレーションをしました。

ROUTEさんの代表 川島さんとは前職のイス屋さんからの長いお付き合いです。

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ROUTEさんblog

ROUTE 千葉市中央区のビンテージ雑貨&家具を扱うお店です。

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前々からROUTEさんが取り扱うビンテージ雑貨&家具を使い、インテリアの撮影をしたかっのですがお互いのタイミングが合いませんでした。そして今回、やっとタイミングが合いまして撮影となりました。

ダイニングテーブルやイス等の大きめな家具は私が選び、そこにプラスしてROUTEさん好みの雑貨を組み合わせてのコラボレーションです。カメラマンもROUTEさんにお願いして、私はアシスタントで参加です。

暮らしを想像できるように

ベストはお客さまにお願いして暮らし始めた家を撮影させていただくとリアリティーがあり説得力のある写真になります。ですが色々と難しいことがあるのです。住み始めた家を公開するのは勇気が必要だと思います。

かといってインテリアに家具や雑貨が無いと写真にリアリティーを感じることができませんので、少しでもリアリティーを感じるようにと色々と工夫をしてみました。

撮影中のROUTEさんを撮影

今回は築年数40年になる住宅のリフォームなので、同じように月日を重ねた物、30~40年前のビンテージ家具を選びました。柳宗理 エレファントスツール、バタフライチェア、ここには写っていませんがイームズのアームチェアなどなどです。

ですが家具を全て定番のビンテージで揃えてしまうと、なんとなくつまらなく感じてしまいます。定番を揃えて安心してはいけません。そう、あまのじゃくなんです(笑)

ROUTEさんは少しユニークな雑貨を扱っているので、なんとなく外した雰囲気が出たかな?と思います。