はじめに:電磁波と住環境の関係を考える
電磁波対策が求められる理由
住まいの中に存在する電磁波。 それは「見えない」けれど、確かにそこにあり、 私たちの眠りや身体のバランス、日々の疲れ方にさえ影響を与えているかもしれません。
空気・温度・湿度と並び、いま注目されている「第4の住環境要素」が電磁波です。 特に現代の高気密・高断熱住宅では、外からの音や空気は遮断できても、 室内にこもる電磁波まで考慮されている設計は、まだ多くありません。
私たちは、建築士であり電磁波測定士として、 こうした“見えないけれど整えられるもの”に目を向けてきました。
建築設計とともに、住まいの電磁波測定にも取り組んでいます。
【EMFA認定】
スタジオ・アース 四街道(幸設計スタジオ内)
怖がるのではなく、正しく知り、できるところから整える。 それが、私たちが考える住まいの電磁波とのつき合い方です。
電磁波の基礎知識:何が問題で、どこにある?
電磁波とは?
電磁波は「電場」と「磁場」に分けられます。
電場は、電気製品の電源プラグをコンセントに挿すだけで発生します(スイッチがOFFでも)。
磁場は、電気が流れたとき(スイッチON)に発生します。
つまり、家電を使っていない状態でも、部屋には「電場」が存在している可能性があるのです。

家の中のどこで強くなる?
- 枕元にあるスマートフォン、タブレット、アラーム付き充電器
- 寝室の壁の裏にある分電盤や配線の束
- 電源タップや延長コードの集まる場所(テレビ裏、キッチンの家電周辺など)
特に、長時間過ごす場所(寝室、子ども部屋、仕事部屋)では、 「電磁波の強い場所に居続けること」が身体にじわじわと影響する可能性があります。

健康との関係は?
現時点では、すべての症状と電磁波が明確に結びついているわけではありません。 しかし、以下のような報告・実感が国内外で増えてきています。
- 寝つきが悪い、眠りが浅い
- 朝起きても疲れが取れない
- 肩こりや頭痛が慢性的に続く
これらが、「寝ている間に浴び続ける電磁波」の影響である可能性があるという調査結果も出ています。 特に自律神経やホルモンのバランスを整える深夜の時間帯には、 電磁波を抑える環境が求められます。
EMFAのセーフティガイドライン:安心できる住まいのために
私たちは、EMFA(一般社団法人 日本電磁波協会)のセーフティガイドラインに基づいて、 住まいの電磁波リスクを評価しています。
EMFAセーフティガイドライン(抜粋)
- 電場:25 V/m 以下
- 磁場:2.5 mG 以下
これは“もっとも深く眠れる”環境を想定して設定された目安です。

これらの基準は、スウェーデンのMPR-IIやドイツのバウビオロギー指針を基に策定されており、健康的な住まいを実現するための重要な指標です。
日本の実測データより
EMFAが行った600件以上の住まいの測定では、 およそ10%の家庭で、寝室の電磁波がこの「安心ライン」を超えていました。
特に集合住宅の1階や、分電盤に近い寝室、マンションの一室などでは、 磁場の値が高くなる傾向があります。

暮らしの中で整える:基本の3ステップ
Step 1:まずは測る
専用の測定器や簡易チェッカーを使って、電場・磁場を「見える化」します。 その場で確認できるだけでなく、改善の優先順位が見えてきます。
Step 2:離す
スマートフォンや充電器を、ベッドの頭側から50cm以上離してみてください。 それだけで電場は90%以上カットされる場合もあります。
Step 3:切る
タイマー付きコンセントなどを活用し、就寝中は電源をオフに。 電気毛布など、気づかない間に使い続けている機器を見直しましょう。
項目 | 推奨値 | くらしのイメージ |
---|---|---|
電場 | 25 V/m 以下 | 充電器を抜いた寝室・リビング |
磁場 | 2.5 mG 以下 | 配電盤から 1 m 離れたソファ周り |
設計士+測定士だからできること
- 寝室やリビングの配置と、配線・分電盤の距離設計
- アース付きコンセントの適切な配置と回路計画
- オールアース®工法を活用した低電場空間の設計提案。
これらは、設計段階から組み込むことができる“見えない安心”です。 設計の初期段階であればあるほど、費用を抑えた対策がしやすくなります。
私たちが大切にしていること(5つの姿勢)
- 本質対策を大切にします:距離とアース。シンプルな技術で確かな効果を優先します。
- 科学に謙虚でいます:研究動向を追いながらも、実生活で“変化が見える”対策を大切に。
- 暮らしのなかに焦点を当てます:海外並みの室内基準を参考に、日本の住まいでできることを。
- 情報を開きます:測定値・事例を丁寧に共有し、判断は住まい手にゆだねます。
- 最後まで寄り添います:製品の使い方、使った後の変化までフォローします。
幸設計スタジオの取り組みと設計の具体例
私は一級建築士であり、EMFA認定2級電磁波測定士です。 この両面から、住まいの電磁波について次のようなサポートをしています:
- 簡易測定 ※測定器を使用した測定は1級電磁波測定士へ依頼します
- 家具や配線の見直しを含めた対策提案
- 設計やリノベーション時に、設計段階で電気配線経路を工夫
- 電磁波対策製品は測定士経由でのみ提供し、使い方、変化まで寄り添います。
初回は無料でのオンライン相談も承っています。 ご自身やご家族のために、できるところから始めてみませんか?
設計の具体例も知りたい方へ
電磁波対策をどのように住宅設計に落とし込むか── 配線ルートの工夫、アース付きコンセントの活用、製品の使い方まで、より詳しく解説しています。
詳細な解説はこちらのBLOG記事をご覧ください
関連ページ(もっと詳しく)
電磁波やオールアース®工法に関する詳細情報は、以下のリンク先をご覧ください:
- 電磁波ガイドライン:EMFA セーフティガイドラインガイドライン
EMFA公式ページで詳しく見る
- オールアース®工法:オールアース®宣言!
詳細はこちら
建築設計とともに、住まいの電磁波測定にも取り組んでいます。
【EMFA認定】
スタジオ・アース 四街道(幸設計スタジオ内)