わらびが丘自治会館 千葉県四街道市
プロジェクトの始まり:建て替えか耐震改修か
このプロジェクトは、自治会館の老朽化に伴い、耐震改修か建て替えかを検討するところから始まりました。確認申請書も当時の図面も残っていない状況でしたが、耐震改修の調査を進める中で、丁寧に誠実な仕事をしていた過去の努力が写真から見て取れました。
- 相談開始: 2013年2月に地域住民から相談を受け、7年の月日をかけて2020年4月に事業が承認されました。
- 役割: 私はこの案件で基本設計のみを担当し、工事監理業務は行いませんでしたが、自治会会長との綿密な相談・打ち合わせを繰り返し、地域住民と一体となったプロセスを進めました。
2013年2月
相談開始
2015年11月
耐震化検討委員会設置
2016年6月
報告書(案)まとめ
2016年11月
建替え案承認、建設委員会設置
2019年6月
市に事業計画書提出
2020年1月
図面を基に見積依頼
2020年4月
市から事業承認受ける
耐震改修 vs 建て替えの検討
耐震改修を進めることで、安全性を確保しながらも、間取りの不便さ、設備配管の老朽化(トイレ配管の詰まり)、断熱不足による空調の問題(夏暑く、冬寒い)などを解決するためにはさらなる工夫が必要でした。このため、市の補助金を活用した建て替えの方針を地域住民に説明し、同意を得ました。
- 設計条件:
- 敷地形状は変形菱形で高低差がある
- 40人席確保できるホール
- 圧迫感のない開放的な空間設計
- 既存樹木の保護:サクラ・カエデ
- ボランティア活動団体が使いやすい施設構造:四街道プレーパークどんぐりの森との協働
建設委員会との長期的な関係
2013年から進めてきたプロセスでは、自治会館の耐震化を専門委員会とともに検討し、建設委員会と連携して最適な解決策を模索しました。しかし、提出された設計案が条件を満たしていなかったため、最終的に私が設計を引き継ぎ、地域の要望を反映した案を作成しました。作成した図面を基に施工業者に見積を行い施工されました。
BIMの導入と試行
2018年5月に設計を開始し、BIM(Revit Lt)を試行的に導入しましたが、当時の技術やソフトウェアの制約により十分に活用できず、小規模の木造建物ではBIMソフトで作成する事は時期尚早でした。
しかし、この試行が後にVUILDさんへの参画に繋がる重要な経験となりました。
わらびが丘自治会館の設計プロセスをご紹介しましたが、他にも同様の自治会館プロジェクトとしてさちが丘自治会館の設計監理を手がけた実績があります。
ぜひご覧ください: [さちが丘自治会館 設計監理プロジェクト]」