まずは “寝室×壁ぎわ” から整える方法
こんにちは、電磁波測定士 × 一級建築士 の Kou です。
「電磁波」と聞くと身構えてしまう方も多いのですが、実際は光や熱と同じ“エネルギーのひとつ”。ポイントは “量” と “距離” を知り、暮らし方を少し工夫するだけで、からだにも家計にもやさしい住環境が手に入ります。ここでは EMFA(電磁波測定士協会) が推奨する “安心ライン” を、できるだけ生活のイメージと一緒に まとめました。
電磁波の仕組みや身体への影響についての基本は、[住まいの電磁波の基本とその影響]ページで詳しく解説しています。
1. 3 つの安心ライン(超シンプル早見表)
項目 | 推奨値 | くらしのイメージ |
---|---|---|
電場 | 25 V/m 以下 | 充電器を抜いた寝室・リビング |
磁場 | 2.5 mG 以下 | 配電盤から 1 m 離れたソファ周り |

※EMFA ガイドラインは低周波(電場・磁場)を対象とし、高周波(Wi‑Fi・5G 等)は含みません。
※内線規程(2022.12改定)により、住宅用コンセントは「接地極付き(アース付き)」が原則となりました。
新築・大規模リノベではアース線の配線をご検討ください。
※実際の測定は有料となります。
2.なぜその数値? ―― 3 つの信頼できる根拠
2-1. MPR-II(スウェーデン規制ガイドライン)
- 基準値: 電場25V/m以下、磁場2.5mG以下
- パソコンモニターの安全規格として 1990 年代から採用されている “世界標準の目安”。
- EMFAでは、この基準を住まいの電磁波環境にも適用し、家電製品や電気配線の影響を評価しています。
2-2. バウビオロギーの指針(ドイツ)
- 基準値例(寝室環境):人が 「最も深く眠る環境」 を前提に策定。
- 電場: 1V/m以下(問題なし)~50V/m以上(推奨下限)
- 磁場: 0.2mG以下(問題なし)~5mG以上(推奨下限)
2-3. 日本の住宅測定データ

- EMFA が測定した 約 600 件 の戸建・集合住宅データを統計化。
- 一般の寝室で 2.5 mG を超えるケースは 10% 程度。
- 「気をつければ下げられるライン」がこの数値です

また、過去の測定データでは、壁際の一部で高い磁場が集中する傾向もありました。
分電盤や幹線ルートなど、目に見えないところに注意が必要です。
電場・磁場のリスクは、実は “家のどこにいるか” で大きく変わります。
最新の調査では、寝室が最も基準を超えやすいことが分かっています。
特に電場は、スマホ充電器や延長コードなどの影響で、寝ている間に体が休まらない原因にも。
3. まず実践できる「3ステップ」+設計者からのアドバイス
すぐできる 3 ステップ対策
寝室まわりの電場・磁場は、“ちょっとした工夫”でしっかり下げられます。
ステップ | 内容 | 効果 |
---|
1. 測る | 寝室とリビングの壁際・枕元・床を測定 | 問題点を視覚化 |
2. 離す | 充電器/延長コードを 50 cm 離す | 電場を約9割カット |
3. 切る | タイマー付きタップで就寝中はOFF | “無意識曝露”をゼロに |
追加でできる簡単な工夫
日常の“ちょっとした配置見直し”で、ぐっすり眠れる環境に。
ベッド背面の壁を “配線ゼロ” に → 「スリープゾーン」として守る
アース付きタップ/アース付きコンセントに交換 → 電場の抜け道をつくる
スマホは顔から30cm以上離して充電 → 高周波・電場の両方を減らせる
設計士としての“空間的対策”アドバイス
行動の目安
まず寝室だけでも OK。
スマホ充電を “壁から離す” だけで、あなたの体が感じる空気が変わります。
※実際の測定は有料となります。お気軽にご相談ください。
4. もっと知りたい方へ
ガイドライン全文はこちら、以下のリンクからEMFAの公式ページをご覧ください。
EMFA 公式サイトEMFA セーフティガイドライン
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