断熱リフォーム 窓を交換すると温かい

冬の室内を暖かく

リフォームは間取りを新しくして暮らしやすくするだけでなく、断熱の方法を工夫して、冬場の室内を暖かくして暮らしやすくすることもできます。

断熱リフォームは住まいに合わせ工事内容が異なるのですが、共通する重要なポイントは窓の性能を向上させることです。

ハニカムスクリーン取り付け、内窓の取り付け、断熱サッシに窓を交換等、何種類かの方法があります。

その中でも断熱サッシに交換することが一番効果的です。ですが、交換方法やコストなど、検討事項が多いことも事実です。

今回、窓交換の新工法見学会に参加してきましたので、blogにまとめてご紹介したいと思います。

 

見学会を開催してくださったのは有限会社佐藤工務店さんです。この度は貴重な実例を公開していただきありがとうございました。

有限会社佐藤工務店

かねてから会社事務所(築40年、鉄骨造、外壁ALC)を断熱改修する計画があったそうですが、計画に見合うような工法が無く実行できなかったそうです。私も鉄骨造の建物で窓の改修方法を考えてみましたが、ガラスの交換、内窓の設置等しか思いつくことができませんでした。

新工法を見て確かめてみたかったのですが、もう一つ共感した点がありました。

私も古い建物を価値あるものと考え、可能な限りリフォームして再利用することが大切だと考えています。ですから築40年の建物改修に共感したのも参加した理由の一つです。

断熱リフォームの方法

窓交換の新工法、ウレタン発砲工法です。画像は断熱サッシへの交換工事状況です。

古いサッシの内側に断熱サッシ(白いサッシ)を取り付けている状況なのですが、新しいサッシの固定方法として発砲ウレタンを使っています。新しい白いサッシの外側に発泡したウレタンが見えています。このウレタンで白いサッシを固定しています。

また、古いサッシと断熱サッシ隙間にウレタンが隙間なく充填されているのでしっかりと固定されています。

また固定方法がウレタンを充填するだけですから、従来の工法と比較しても工期が短く済みそうです。

【発泡工法】【RAKUE】株式会社BAC

 

また壁の断熱は、既存の外壁に断熱材を張る外断熱と呼ばれる工法です。断熱材はポリスチレンを原料にしたポリスチレンフォーム材でした。

外壁の仕上は左官仕上げ、ホタテの貝殻を使用した材料を使用するそうです。

この工法ならば、既存の外壁を壊すことなく断熱改修することができるので魅力がありますね。

【ビオシェル】 あいもり株式会社 

 

断熱リフォームが完成すると建物の性能が向上し、室内の温熱環境も改善することだと思います。

この度は貴重な機会をありがとうございました。

 

今回、ウレタン発砲工法の考案者、饒平名(よへな)さんから、工法開発のお話をお聞きすることができました。 なぜ沖縄からこの工法が考案されたのか興味があり質問をしました。 沖縄には勢力が衰えない大きな台風が何度も上陸します。そのたびに建物が痛み、特に窓ガラスが痛むのが早いそうです。 そして傷んだ窓ガラスを交換している間に次の台風が来てしまうと大変なことになってしまいます。 そこで開発された工法が発泡工法だそうです。 沖縄の厳しい気象条件の中、性能を確保しながら素早い施工を目指した工法が、断熱改修の工法として採用されている事がとても興味深かったです。

今日の1冊です。”新しい断熱住宅の設計塾”では栗原さんの樹脂サッシ、k-window記事も掲載されています。

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素足で気持ちよく

天気予報では、あと数日で梅雨入りになるようです。

梅雨入り前のこの短い期間、今日のような晴天が気温も湿度も丁度良く快適に過ごせます。この時期がもう少し長く続いて欲しいですね!

素足で気持ちの良い素材

こちらの床材はパイン材です

住まいの中で室温が安定してくると、素足で過ごすのはとても気持ちが良いです。

忙しい日常の中でも素足で過ごしていると季節にも敏感になるように思えます。

気持ちよく素足で暮らすためには、木材の無垢板材をお薦めしたいです。

そのためにもある程度の厚みのある無垢板材が大切で、木材の表面がカチカチに塗装されたフローリングパネルではその気持ち良さを感じ事ができません。

杉材は柔らくて気持ちが良い

パイン、オーク、ナラなど沢山の樹種の中でも、特に杉の無垢板は他の木材と比べ柔らかい材料なので素足で歩くと気持ちが良いです。

なぜ心地が良いと感じるのかにも理由があります。

  • 肌で触れてもぬくもりを感じて気持ちが良い。特に寒い時期はこれを感じます。

木材を顕微鏡で拡大すると、導管と呼ばれるパイプ状になった細胞が束ねられた状態になっています。パイプ状の細胞の内側には熱を伝えにくい空気で満たされているので熱を伝えにくくなっています。

ですから直接木材に手を触れても体温を奪われる事が無く、心地良いと感じるわけです。

  • 歩いていて疲れない

パイプ状の細胞がクッションの役割もするのでコンクリートの床等堅い床材と比較すると疲れにくいように思われます。

このことは革靴で歩いているよりもソールが柔らかいスニーカーのほうが歩いていて疲れないないと同じですね。

でもその反面傷が付きやすいのが欠点です。

施工中の杉無垢板です。白身を中心に薄めの赤身を集めて施工した部分です。全体的に薄いピンクに見えとてもきれいですね。

特にお子さんが小さいととても気になりますね。事実、杉の無垢板では小さな物を落としただけでも傷が付きます。スマホを落としたら確実に傷がつきます。大工さんも”小さな道具一つ落としただけでも傷が付くから気を遣うよ”といっていました。

ですが小さなへこみ程度の傷ならば簡単に復活させる事も可能なのです。やり方は簡単。雑巾を堅く絞って傷の部分にあて、その上から軽くアイロンをかけるだけなのです。やってみると意外と楽しく、天気が良くて気持ちに余裕のある日に作業するとリフレッシュに良いと思います!

*木材の細胞が切れてしまった深い傷は修復できません

傷を良い点だと考える

上の写真の約2年後です。数年たつとこのような風合いになります。全体的に日に焼けて色の差も気にならなくなります。細かい傷もありますが良い雰囲気だと感じます。

もう一つは欠点を良い点だと考えることもできます。それは小さな傷を欠点だと思わずに、経年変化、味わいが出たと考えることです。

真っさらな傷一つない床板も綺麗で素敵だと思います。

ですが丁寧に使っていても付いてしまった傷は家族にとっての思い出にもなります。

  • 子どもがランドセルを置いていた場所はベルトの金具で細かい傷が付きます。小学校の時の思い出になります。
  • うっかりスマホ落としてしまった場所は戻らないへこみ傷が残っています。その時、何をしていたか覚えているかもしれません。
  • 子どもが座るテレビ前の定位置はなんとなく手足の脂で光っています。今はスマホゲームばかりでテレビも観なくなったな。等など…

その時その時の傷が、住まいの中で家族が過ごしていた成長の記録になります。

住まいづくりで使う天然素材には全て同じ事が言えます。傷がついてしまったり経年変化で色が変わってしまったり。

でも無垢板を触った時、心地良いと思う感覚があるのならば何ものにも代えがたいと思います。

完成したときが一番綺麗なのでは無く、経年変化を経て深みをました時が綺麗だと感じる物を選びたいですね。

 

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パッシブハウス体験しました 第5回国際パッシブハウスデー

パッシブハウス初体験

5回目となる国際パッシブハウスデーのイベントでパッシブハウスが公開されました。
パッシブハウスはドイツのパッシブハウスの厳しい基準をクリアした住宅です。
パッシブハウスジャパンさんの講習を受け、パッシブハウスの設計手法は理解しているつもりですが、恥ずかしながらパッシブハウスの性能は未体験。これじゃマズイでしょ!と思っていたので、またとない機会です。
週末、いばらきパッシブハウス、ちちぶパッシブハウスの見学に行ってきました。
厳しい基準をクリアするために同じような住宅になるのでは?と考えていたのですが、それは違いました。

訪ねてみると、敷地、建て主の趣味嗜好、に合った住宅でした。

いばらきパッシブハウス 株式会社島田材木店

いばらきパッシブハウスは郊外の住宅街に建てられています。西面以外は建物が密接しておらず、解放された恵まれた環境です。

外観内観ともスッキリしたデザイン、吹き抜けを利用したハンモック、広いデッキ等、楽しい暮らしぶりが想像できます。
竣工されてから7年ほどたっているようですが木部が良い雰囲気に育っていました。オリジナルキッチンの杉柾目、チークの床が素敵でした。メーカー建材や、プリントの木目では味わうことが出来ません。やはり天然素材は良いですね。
高性能の建物と自然素材の組み合わせはとても魅力的ですね。
興味のあった換気エアコンのシステムについても詳しく説明していただきました。
原理は一種換気のシステムに温度調整のシステムを付加する単純そうなものですが、ダクティング等、実物は大変そうでした。
現在の性能に満足されているようですが、さらに小さな改良をコツコツと積み重ねていらっしゃるのが印象的でした。

室内の温熱環境での注意点は、普通の家と比較してパッシブハウス級の性能になると加湿が重要になるとのことでした。

ちちぶパッシブハウス 高橋建築株式会社

ちちぶパッシブハウスは市街地から少しはなれた山里の中にありました。
ほぼ南面にむいた建物配置と、南面の大開口木製サッシ、日射取得が良さそうです。
なるほど、日本のパッシブハウスの中で一番暖かいと言われるわけです。当日、室内は暑いくらいで窓を開けていました。
室内は無垢の木がふんだんに使われ、大黒柱、オリジナルの造作建具が見事でした。
窓から見える山里の風景と室内がマッチしており、山里には繊細なデザインよりも、無垢の木が使われたおおらかなデザインが似合っています。
このことは建物見学希望者が絶え無い事が証明しているように思えます。建物性能もちろんですが、地域にあったデザインも人気の一つなのでしょう。

景色が千葉の夷隅の山里と似ているせいか、とても落ち着いた居心地でした。千葉よりも気温差が大きいので紅葉が綺麗そうです。

太陽に素直な設計が大切

パッシブハウスの重要なポイントは、太陽の動きに合わせ、素直に建物をデザインすることがです。
断熱や気密はお客様の暮らし方に合わせて調整することができますが、建物配置は途中から調整する事が困難です。
千葉は茨城、秩父と比較すると温暖な気候なのでパッシブハウスクラスの性能は需要が少くないと思いますが、太陽に素直な設計は必要です。
今後、千葉らしい住宅の性能も検討する必要があります。

設計時はシミュレーションを重ね、太陽に素直な設計を目指したいと思います。

最後になりますが、オープンハウスに協力してくださった皆様、お陰さまで貴重な体験ができました。ありがとうございました。

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